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DATA-DRIVEN NOVEL RANKING

葉室麟

独自に収集した評価データで選ぶ、"本当に愛されている小説"のランキング

PROFILE

福岡県北九州市小倉生まれの小説家。福岡県立明善高等学校、西南学院大学文学部外国語学科フランス語専攻を卒業後、地方紙記者やラジオニュース担当などを経て、50歳から創作を始め、4年後に文壇デビューを果たした。2005年に江戸時代の絵師と陶工の兄弟を描いた「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞。2007年には「銀漢の賦」で松本清張賞、2012年には「蜩ノ記」で直木三十五賞を受賞した。久留米市を拠点に活動し、敗者や弱者の視点を大切にした歴史時代小説を数多く生み出した。2016年には「鬼神の如く 黒田叛臣伝」で司馬遼太郎賞も受賞している。作品は映画やテレビドラマにもなり、「蜩ノ記」は役所広司主演で映画化された。2017年12月、66歳で逝去。

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ランキング

1蜩ノ記

蜩ノ記

2011年刊行

4,036pt

TOTAL SCORE

豊後羽根藩の檀野庄三郎は、不始末により切腹を言い渡されるところを、家老の計らいで向山村に幽閉中の元郡奉行、戸田秋谷の元へ遣わされます。秋谷は七年前、前藩主の側室との密通の罪で、家譜編纂と十年後の切腹を命じられていました。庄三郎は、秋谷の編纂補助と監視、そして密通事件の真相を探るという使命を負います。しかし、秋谷の清廉さに触れるうちに、庄三郎は彼の無実を信じるようになります。物語は、武士としての生き方と死に様、そして家族や村人との絆を通して、人間の尊厳を描き出します。読者は、武士道とは何か、人としてどう生きるべきか、という普遍的な問いに深く考えさせられるでしょう。作中では、藩内の権力争いや過去の事件の真相解明も絡み合い、物語に深みを与えています。特に、秋谷の息子郁太郎の友である源吉のエピソードは、幼いながらも道理をわきまえた彼の生き様を通して、読者の心を強く打ちます。静謐な筆致で描かれた本作は、読後、清々しい感動を与えてくれるでしょう。

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絶賛1,445
好評1,381
普通679
不評97
酷評69

TOTAL 3,671 reviews

2銀漢の賦

銀漢の賦

2007年刊行

1,549pt

TOTAL SCORE

西国の小藩、月ヶ瀬藩に国替えの噂が持ち上がる中、かつて親交のあった家老の松浦将監と下級武士の日下部源五の運命が再び交錯します。幼なじみでありながら、ある出来事を境に道を違えた二人が、それぞれの立場と信念を胸に、藩の未来を左右する事態に立ち向かいます。源五の視点を通して描かれる物語は、武士としての生き様や友情、そして満ち足りた敗北感といったテーマを静かに、しかし力強く描き出します。葉室麟氏の筆致が光る本作は、登場人物たちの心の機微を丁寧に描写し、読者の心に深く響く作品です。組織の論理に翻弄されず、己の信じる道を貫く二人の姿は、現代を生きる私たちにも勇気を与えてくれます。全編を貫く熱い魂、静謐で清寒溢れる銀河銀漢の調べが、読後いつまでも心に残るでしょう。まるで天の川のように、互いを思いやる気持ちが見えない深い絆となっている。そんな、男たちの友情物語です。

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絶賛558
好評531
普通259
不評36
酷評31

TOTAL 1,415 reviews

3潮鳴り

潮鳴り

2013年刊行

1,071pt

TOTAL SCORE

豊後羽根藩で、かつては俊英と謳われた伊吹櫂蔵は、今は“襤褸蔵”と揶揄される無頼の日々を送っていました。ある日、家督を譲った弟が切腹し、その遺書から藩の借銀を巡る裏切りを知った櫂蔵は、弟を救えなかった後悔に苛まれます。しかし、直後になぜか藩から出仕を促され、弟の無念を晴らすべく再び城へと向かうのです。本作は、櫂蔵がどん底から這い上がり、不正に立ち向かう姿を描いた再起の物語です。読者の心を捉えるのは、櫂蔵の耳朶に残る“潮鳴り”であり、それは物語全体を通して、亡くなった者の嘆きや哀しみの声、そして愛しい者の励ましの囁きとして響き渡ります。櫂蔵を支えるのは、献身的なお芳や、温かく見守る義母・染井といった魅力的な人々です。特に染井の存在は大きく、彼女の温かさと厳しさが、物語に深みを与えています。不正を暴き、正義を貫く櫂蔵の姿は、読者に勇気を与え、勧善懲悪の展開に胸がすく思いがします。一度は落ちた花が、苦しみを乗り越え、再び美しく咲く姿は、多くの人々に感動と希望を与えるでしょう。櫂蔵を取り巻く人々の想いが交錯し、感動的な人間ドラマが繰り広げられます。どん底から這い上がった櫂蔵が、胸の中に美しい花を満たしていく様を、ぜひ見届けてください。

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絶賛390
好評335
普通156
不評28
酷評8

TOTAL 917 reviews

4秋月記

秋月記

2009年刊行

830pt

TOTAL SCORE

筑前の小藩、秋月藩を舞台に、家老の専横に立ち向かった間小四郎の物語です。彼は仲間と共に家老を排除しますが、その裏には本藩・福岡藩の策謀が潜んでいました。藩政刷新に情熱を燃やす小四郎でしたが、次第に仲間との絆も揺らぎ始め、ついには捨て石となる覚悟を決めます。幼少期に妹を救えなかった後悔から「逃げない男」になることを誓った小四郎は、藩のために奔走します。しかし、藩のために行った行動も、立場が変われば悪と見なされる不条理。彼は「この世の一番の悪は怠けだ」と語り、武士としての矜持を貫き、やがて自らも悪役を背負うことになります。藩の苦しい経営や勢力争いは、現代のサラリーマン社会にも通じるかもしれません。正義を貫こうとする主人公の姿は、組織の中で生きる人々に問いを投げかけます。「山は山であることに迷わぬ。雲は雲であることを疑わぬ。ひとだけが、おのれであることを迷い、疑う」という言葉が、深く心に響く物語です。

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絶賛273
好評364
普通243
不評38
酷評21

TOTAL 939 reviews

5川あかり

川あかり

2011年刊行

755pt

TOTAL SCORE

藩で一番の臆病者と噂される若侍、伊東七十郎が主人公です。家老暗殺の密命を受けながらも、川止めで足止めされた宿で、彼は様々な事情を抱えた人々に出会います。牢人、僧、猿回し、遊び人、鳥追い、幼い姉弟と病を患う祖父など、個性豊かな面々との交流を通して、七十郎の心は大きく揺れ動きます。当初は戸惑うばかりだった彼も、次第に彼らとの間にかけがえのない絆を育んでいきます。読者は、頼りなかった七十郎が困難に立ち向かい、成長していく姿に心を打たれるでしょう。宿で出会う人々も魅力的で、それぞれの物語が七十郎の成長を後押しします。読後には、まるで舞台を見たかのような清々しい気持ちになれるでしょう。臆病者と言われながらも、本当に大事なことを知っている七十郎の姿は、読者に勇気を与え、心の奥底にある光を思い出させてくれます。ラストは読者の期待を裏切らない、爽快な結末を迎えます。

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絶賛239
好評335
普通182
不評24
酷評17

TOTAL 797 reviews

6さわらびの譜

さわらびの譜

2013年刊行

695pt

TOTAL SCORE

扇野藩の重臣、有川家の長女である伊也は、弓の腕前が藩内でも指折りの腕前を持ち、同じく弓の名手である樋口清四郎と互角に渡り合うほどでした。互いに惹かれ合う二人でしたが、妹の初音に清四郎との縁談が持ち上がります。さらに、伊也と清四郎の噂が藩内で広まり、藩主の不興を買った清四郎の汚名をそそぐため、伊也は清四郎と弓で勝負することになります。有川家に身を寄せる謎の武士の正体とは何か、姉妹の恋の行方はどうなるのか、そして、くすぶる藩の派閥抗争が彼女らを巻き込んでいきます。本作は、高潔な志を持つ人々が織りなす感動的な時代長編であり、特にラストの千討祈願は圧巻です。ただし、敵役の描き方には賛否が分かれるかもしれません。全体として、武士の生き様や姉妹の愛の形、藩政の攻防が清冽な空気感で描かれており、読後感はすっきりとしています。

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絶賛259
好評249
普通129
不評28
酷評22

TOTAL 687 reviews

7峠しぐれ

峠しぐれ

2014年刊行

687pt

TOTAL SCORE

岡野藩と結城藩の国境にある峠の茶店で、半平と志乃という夫婦がひっそりと暮らしていました。しかし、その静かな生活は、過去を背負う二人に訪れた刺客によって一変します。実は半平と志乃には、誰にも言えない秘密があったのです。15年前、二人はある出来事をきっかけに武家の世界から姿を消していました。そんな中、志乃の美しさは「峠の弁天様」と評判を呼び、茶店には様々な人々が訪れるようになります。夜逃げ同然の家族や、お家騒動に巻き込まれた人々、そして盗賊まで現れ、夫婦は否応なく事件に巻き込まれていくのです。半平の剣の腕と、志乃の聡明さが、訪れる人々を救い、事態を収束させていきます。しかし、過去の因縁は二人を許さず、ついに結城藩から刺客が送り込まれてきます。夫婦の愛、親子の情、そして恩義を描いた、心温まる時代小説です。読後には、半平と志乃の未来に穏やかな日々が訪れることを願わずにはいられません。二人が互いを信じ、支え合う姿は、多くの読者の心を捉えるでしょう。大切なものを守るために生きる夫婦の姿が、胸を打つ物語です。

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絶賛237
好評238
普通95
不評15
酷評5

TOTAL 590 reviews

8柚子の花咲く

柚子の花咲く

2010年刊行

640pt

TOTAL SCORE

村塾の教師、梶与五郎が殺された。かつての教え子である筒井恭平は、師の死の真相を追い隣藩へ潜入する。義を貫く若者たちの姿、命がけで人を愛すること、そして人が成長することとは何かを描いた感動の時代小説です。二藩の干拓地を巡る争いを背景に、連続して武士が殺害される謎。恭平は冒険と恋を通して、事件の真相に迫ります。読めば「柚子は九年で花が咲く」という言葉が胸に響き、清々しい気持ちになるでしょう。登場人物それぞれの想いが交錯する中で、恭平が見つけた武士の矜持とは。読後、きっと誰かに優しくなれる、そんな温かい気持ちに包まれる物語です。

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絶賛205
好評270
普通122
不評24
酷評8

TOTAL 629 reviews

9秋霜

秋霜

2016年刊行

630pt

TOTAL SCORE

豊後羽根藩シリーズの本作は、一揆から三年後、孤児たちと暮らす楓のもとに、過去を持つ謎の男、草薙小平太が現れる物語です。彼は、楓の元夫であり上意討ちに遭った多聞隼人との因縁を抱えています。羽根藩の改易を企む幕府の巡見使が迫る中、藩が隠蔽した旧悪を知る楓たちに魔の手が忍び寄ります。小平太は楓や子供たちと触れ合う中で、命を懸けて彼らを守ろうと決意します。読者の心を打つのは、登場人物それぞれの生き様と、人を想う心の強さです。特に、ラストシーンでの小平太と楓の再会は感動を呼び、「いとおしんでくれるひとがいるということが、この世で最も幸せなことなのではないだろうか」という言葉が心に深く響きます。守るべきもののために生きる武士の矜持を描いた、感涙の物語です。

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絶賛223
好評205
普通82
不評13
酷評4

TOTAL 527 reviews

10無双の花

無双の花

2012年刊行

622pt

TOTAL SCORE

立花宗茂は、秀吉に「その剛勇鎮西一」と称えられた武将です。大友家の家臣から秀吉によって筑後柳川十三万石の大名に取り立てられましたが、関ケ原の戦いで西軍に加担し浪人となりました。しかし、十数年後には領地に戻ることを許された唯一の武将です。この物語は、宗茂が自分の信じる義を貫き、戦国時代を生き抜いた姿を描いています。正室である誾千代、側室である八千子の二人の愛に支えられ、立花の義を貫く宗茂の生涯は、多くの武将たちを惹きつけました。立花の義とは裏切らぬこと。泰平の世のためにこそあると知った宗茂の生き様は、読者の心を強く打つでしょう。

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絶賛214
好評230
普通125
不評26
酷評5

TOTAL 600 reviews

11春雷

春雷

2015年刊行

549pt

TOTAL SCORE

豊後羽根藩を舞台に、多聞隼人が藩主・三浦兼清を名君にすべく苛烈な改革を断行する物語です。彼は一揆を招きかねない黒菱沼干拓の命を、家老就任を条件に受諾し、大庄屋の七右衛門、学者の臥雲を招集して難工事に着手します。しかし、城中では反隼人派の策謀が蠢き始めます。正義を貫こうとする隼人は、領民からは「鬼」と恐れられながらも、未来のために奔走します。その姿は、時に痛々しく、時に清々しく、読む者の心を揺さぶります。陰謀渦巻く中、隼人は己の信念を貫き、藩を立て直すことができるのか。ラストまで目が離せない展開が待ち受けています。読後は、登場人物たちの生き様に、深く考えさせられることでしょう。武士道、哲学、経済、様々な視点から楽しめる、読み応えのある一冊です。

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絶賛168
好評236
普通104
不評11
酷評6

TOTAL 525 reviews

12いのちなりけり

いのちなりけり

2008年刊行

538pt

TOTAL SCORE

佐賀、小城藩。鍋島と龍造寺の因縁が、雨宮蔵人と咲弥という夫婦を数奇な運命へと導きます。蔵人は、次期藩主に「天地に仕える」と語る好漢。咲弥は、蔵人に夫婦となる前に「自身の心だと思われる和歌」を求める女性。一つの和歌をめぐり、二人は命をかけて再会を誓いますが、幕府と朝廷が絡む大きな渦に巻き込まれていきます。政争の具となりながらも清々しく生きる武士の姿に、胸を打たれるでしょう。物語は、水戸光圀が重臣を手討ちにする場面から幕を開け、佐賀鍋島藩と小城藩の権力争い、将軍綱吉と水戸藩光圀の確執、綱吉と朝廷の対立など、様々な暗闘が描かれます。そんな中、蔵人は咲弥への一途な想いを貫き、17年もの間、彼女を想い続けます。離れ離れになった二人が、互いを想い、理解し合う過程は感動的です。和歌を知らない男が十七年かけて見つけた、想い人へ送る和歌とは何か。雅な夫婦の物語を、ぜひお楽しみください。

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絶賛177
好評240
普通136
不評30
酷評13

TOTAL 596 reviews

13螢草

螢草

2012年刊行

537pt

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風早家に奉公する16歳の菜々は、身分の分け隔てなく接してくれる主の市之進、優しい奥様の佐知、そして二人の子供たちと出会います。武家の娘でありながら出自を隠し、ひたすらに風早家のために尽くす菜々。しかし、佐知は結核で亡くなり、市之進もまた藩内の不正を正そうとする中で謀略に嵌められます。それは、菜々の父を死に追いやった仇敵によるものでした。風早家の幼い子供たちを守るため、菜々は武家の娘としての覚悟を胸に、一世一代の大勝負に挑みます。彼女は、風早家の人々に幸せでいてほしいという一途な思いだけで、困難に立ち向かうのです。たとえそれが、武家の出である自分が身分を隠して働くことになろうとも、質屋に通うことになろうとも、彼女は一切躊躇しません。彼女のひたむきな姿と、運命に立ち向かう姿に、胸を打たれる時代小説です。

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絶賛171
好評212
普通95
不評9
酷評4

TOTAL 491 reviews

14実朝の首

実朝の首

2007年刊行

529pt

TOTAL SCORE

建保7年、鶴岡八幡宮で源実朝が公暁に暗殺されるも、公暁もまた討たれるという混乱の中、実朝の首が行方不明となる。首を持ち去ったのは、公暁の従者である少年・弥源太。幕府の権威失墜を恐れる尼将軍・北条政子は、深謀を巡らせる。京からは後鳥羽上皇の弔問使が下向し、事態はさらに複雑化。実朝の首を巡り、幕府、朝廷、そして弥源太たちの三つ巴の駆け引きが繰り広げられる。実朝の首は一体どこへ消えたのか、そして、その首は誰の手に渡るのか。権力争いや私怨が渦巻く中、政子の強い意志が鎌倉を守ろうとする。和田一族の残党、野心渦巻く朝廷、それぞれの思惑が交錯し、物語は予期せぬ方向へと進んでいく。実朝の死を通して、人々の本音が浮き彫りになり、それぞれの思惑が交錯する様を描いた傑作歴史長編。

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絶賛157
好評246
普通154
不評17
酷評7

TOTAL 581 reviews

15辛夷の花

辛夷の花

2016年刊行

523pt

TOTAL SCORE

九州豊前の小藩、小竹藩を舞台に、藩政を巡る熾烈な闘いが繰り広げられます。勘定奉行の娘である志桜里は、離縁後実家に戻りますが、藩士の不審死が相次ぐ中、隣に越してきたのは「抜かずの半五郎」と呼ばれる男でした。藩主と家老三家の間で主導権争いが激化する中、志桜里と半五郎は辛夷の花を通じて心を通わせます。大切な人を守るため、封印していた刀を抜く半五郎の姿、そして悪と戦う澤井家の面々の活躍が描かれた、清々しく心躍る時代小説です。読後には「ええ話や」と思わずつぶやいてしまうような、家族愛と信念が織りなす物語を堪能ください。

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絶賛195
好評165
普通64
不評4
酷評14

TOTAL 442 reviews

16陽炎の門

陽炎の門

2013年刊行

513pt

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下士から異例の出世を遂げた桐谷主水は、執政として初登城した日に過去の事件に直面し、人生が一変します。それは、かつての派閥争いで親友を裏切ったという疑惑でした。苦悩する主水の前に、自らが介錯した親友の息子が現れ、仇討ちに挑みます。事件の真相を追う中で、主水は己の正義と武士としての生き方を問い直すことになります。過去の落書事件が複雑に絡み合い、意外な真相が明らかになる展開は、ミステリーとしても人間ドラマとしても見応えがあります。己を「不忠不義の悪臣」と称しながらも、正しい道を貫こうとする主水の姿は、読者の心を強く揺さぶるでしょう。葉室麟が描く、武士の挫折と再生の物語です。

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絶賛170
好評199
普通99
不評12
酷評7

TOTAL 487 reviews

17花や散るらん

花や散るらん

2009年刊行

508pt

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京の郊外で静かに暮らす雨宮蔵人と咲弥が、将軍綱吉の生母、桂昌院の叙任を巡る幕府と朝廷の暗闘に巻き込まれる物語です。吉良上野介との関わりから、二人は片腕の僧、清厳と共に江戸へ向かい、赤穂・浅野家の吉良邸討ち入りを目の当たりにします。この作品は、忠臣蔵を異なる視点から描き出し、大奥の権力争いや公家と幕府の駆け引きを背景に、史実とは異なる解釈を提示します。浅野内匠頭の刃傷事件の裏に隠された大奥の陰謀、吉良上野介の意外な一面、そして、それぞれの人物の心情が丁寧に描かれ、読後感は爽やかです。蔵人と咲弥の夫婦愛、武士の信念、命の尊さなど、様々なテーマが織り込まれ、読者の心を深く揺さぶります。特に、吉良上野介の最期や、蔵人と香也の会話は感動的で、忘れがたい印象を残します。単なる忠臣蔵の物語ではなく、人間の生き様や信頼について深く考えさせられる一冊です。

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絶賛175
好評198
普通121
不評18
酷評11

TOTAL 523 reviews

18散り椿

散り椿

2012年刊行

479pt

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不正を訴え藩を追われた瓜生新兵衛が、18年後、妻との死別を経て帰藩するところから物語が始まります。藩主交代を機に、側用人と家老の対立、そして藩内に隠された秘密が明らかになる中、新兵衛は様々な葛藤に直面します。散る椿は、残る椿があるからこそ美しく散れるという信念のもと、登場人物たちはそれぞれの想いを胸に誠実に生きようとします。この作品は、たとえ世を去っても人々の想いは深く生き続けるというメッセージを込めた感動の時代長編です。

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絶賛132
好評226
普通86
不評7
酷評2

TOTAL 453 reviews

19霖雨

霖雨

2012年刊行

473pt

TOTAL SCORE

豊後日田の私塾・咸宜園を主宰する広瀬淡窓と、家業を継いだ弟・久兵衛。時代は、大塩平八郎の乱が起きるなど、大きなうねりを見せていた。お上からの執拗な嫌がらせが続く中、淡窓は年齢や身分を問わない画期的な教育方針を打ち出し、久兵衛は商人としてひたむきに生きる。権力の横暴に耐え、清冽な生き方を貫こうとする広瀬兄弟の姿を通して、理不尽なことが降りかかろうとも、諦めず凛として生きることの大切さを訴える。読者からは「決して先がどうなるかとワクワクして読み進めるような作品ではないけれど、残り数ページとなってさて結末はどうなるか、一気に読み切ってしまった」「止まない雨はないというようなセリフが散らばめられている」と、静謐な読後感を評価する声が寄せられている。

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好評176
普通102
不評19
酷評4

TOTAL 463 reviews

20草笛物語

草笛物語

2017年刊行

466pt

TOTAL SCORE

"蜩ノ記"から16年後の羽根藩を舞台にした物語です。泣き虫と揶揄される少年、颯太が、友との出会いを通じて自らの天命を知る姿を描いています。藩の家督争いが激化する中、颯太は陰謀渦巻く城へ出仕し、数々の困難に立ち向かいます。読者からは「蜩ノ記」の登場人物たちの思いが受け継がれている点や、若者たちの友情と成長が清々しいと評価されています。また、作中で重要な役割を果たす草笛の音色が、心を洗われるような読後感をもたらすと評されています。シリーズを通して、戸田秋谷の生き様が人々の心に深く刻まれ、次世代へと繋がれていく様が描かれています。颯太の成長物語として、また「蜩ノ記」の続編としても楽しめる作品です。

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絶賛174
好評143
普通74
不評19
酷評3

TOTAL 413 reviews

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