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DATA-DRIVEN NOVEL RANKING

筒井康隆

独自に収集した評価データで選ぶ、"本当に愛されている小説"のランキング

PROFILE

大阪府大阪市出身の小説家・劇作家・俳優。天王寺動物園長を務めた父のもとで育ち、同志社大学で美学・芸術学を専攻。1960年にSF同人誌を創刊し、1965年に初作品集を刊行して専業作家となった。星新一・小松左京と並ぶ「SF御三家」の一人として知られ、パロディやスラップスティックな笑いを得意とするナンセンスSFで頭角を現した。1970年代以降はメタフィクションの手法を取り入れた前衛的・実験的な作品へと作風を広げ、エンターテインメントと純文学の境界を越える作品を多数発表している。代表作には「時をかける少女」「虚人たち」「残像に口紅を」「文学部唯野教授」などがある。1990年代には出版業界の自己規制問題に抗して断筆を宣言し、約3年3か月後に解除。晩年は老いをテーマにした作品やジュブナイル小説も手がけ、日本芸術院会員として現在も執筆活動を続けている。

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ランキング

1旅のラゴス

旅のラゴス

1986年刊行

5,362pt

TOTAL SCORE

高度な文明が失われた世界で、超能力を得た人々が生きる時代を舞台に、ラゴスという男の生涯にわたる旅を描いた物語です。彼は北から南へ、そして南から北へと、集団転移や壁抜けといった不思議な体験を繰り返します。二度も奴隷の身に落ちながらも、ラゴスは旅を続け、その目的を探し求めます。宇宙船でやってきた移住者の先祖が残した書物から、科学、政治経済、文学、哲学など様々な知識を得て、苦境を乗り越えていく様は、まるでアラビアンナイト風のSF冒険小説のようです。読者はラゴスと共に、異空間と異時間が交差する世界を旅し、文明の盛衰と人間の一生について考えさせられます。作中では、時代にそぐわない科学技術や知識が破滅を招く可能性も示唆されており、考えさせられるでしょう。ラゴスは旅の中で出会う人々との交流を通じて知識を伝え、時には王となることもありますが、常に旅人としての姿勢を貫きます。彼の人生は、まるで旅そのものであり、読者はその生き様を通して、人生の意味や目的について深く考えさせられるでしょう。読者の中には、「人生が旅そのものであるラゴスの一生を共に過ごせたようで楽しかった」と感じる人もいるように、ラゴスの旅は読者自身の人生をも豊かにするかもしれません。最終話では、旅の初期に出会ったデーデとの再会を夢見て旅を続けるラゴスの姿が描かれ、読者はきっと彼がデーデに会えたと信じることでしょう。

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絶賛1,966
好評1,941
普通1,448
不評293
酷評109

TOTAL 5,757 reviews

2家族八景

家族八景

1972年刊行

2,193pt

TOTAL SCORE

テレパシー能力を持つ18歳の少女・七瀬が、家政婦として様々な家庭を渡り歩き、そこで出会う家族の心の闇を暴き出す短編集です。彼女は人の心を読み取る能力ゆえに、普通の人には見えない家庭の本音を知ってしまいます。移り住む八軒の家で、七瀬はそれぞれの家族が抱える虚飾や秘密、そして人間の心の醜さに触れていくのです。エンタメとして楽しめる一方で、人間の生々しい感情があらわになる様は、読後、なんとも言えない後味の悪さを残します。家族の崩壊やドロドロとした人間関係が描かれており、コミカルな筆致ながらも、人間の深層心理を容赦なく抉り出す作品です。普遍的なテーマを扱い、半世紀前の作品でありながらも古さを感じさせない、まさに筒井康隆ワールド全開の一冊と言えるでしょう。

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絶賛779
好評860
普通1,033
不評151
酷評37

TOTAL 2,860 reviews

3残像に口紅を

残像に口紅を

1989年刊行

1,786pt

TOTAL SCORE

筒井康隆の実験精神が炸裂した異色作。言葉が消滅していく世界で小説家がどのように執筆を続けるのかを描いた作品です。章が進むごとに「あ」から順に文字が使えなくなり、「愛」や「あなた」といった言葉が消え、物語は変容していきます。読者は、言葉が失われることで生まれる表現の制約と、それを乗り越えようとする作者の試みを追体験することになります。初期は消えた文字探しを楽しめるものの、次第に文章は難解さを増し、ストーリーも唐突に展開するなど、読書体験は一筋縄ではいきません。しかし、言葉が不自由になる中で、作者が得意とするエロティシズムをどう表現するのか、メタ的な視点から物語を語る手法など、実験的な試みは随所に光ります。読者からは「発想がすごい」と絶賛される一方で、「読むのが苦痛」という声もあがるなど、評価は分かれるものの、言葉と表現の可能性を追求した、他に類を見ない作品と言えるでしょう。

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絶賛954
好評883
普通1,187
不評519
酷評243

TOTAL 3,786 reviews

4パプリカ

パプリカ

1993年刊行

1,732pt

TOTAL SCORE

精神医学研究所に勤務する千葉敦子は、夢とシンクロして無意識界に侵入する夢探偵パプリカというもう一つの顔を持っています。彼女は、人格の破壊も可能な最新型精神治療テクノロジー「DCミニ」をめぐる争奪戦に巻き込まれます。現実と夢が交錯する中、物語は驚愕の未体験ゾーンへと突入していきます。筒井康隆氏ならではの夢と現実が入り混じるカオスな世界観が、読者を深く引き込みます。夢の中での無茶苦茶な繋がりや非現実な展開が、見事な筆致で描かれており、読者は夢と現実の区別がつかなくなるような感覚に陥るかもしれません。しかし、その描写は単なる混乱ではなく、人間の精神の奥深さ、未知数さ、そして蠱惑的な魅力に気づかせてくれるでしょう。読者はパプリカと共に夢の中を冒険し、スラップスティックな展開や官能的なシーンを体験しながら、物語の核心に迫っていきます。夢と現実の境界線が曖昧になる中で、人間の想像力や脳の可能性、そして潜在的な恐怖に触れることができるでしょう。読後には、まるで夢から覚めたかのような放心状態と、精神的な疲労感が残るかもしれません。しかし、それこそが筒井康隆氏の作品の真骨頂であり、読者に強烈な印象を与えることでしょう。さあ、あなたもパプリカの世界に飛び込み、夢と現実の狭間で繰り広げられるスリリングな物語を体験してください。

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絶賛656
好評586
普通784
不評98
酷評34

TOTAL 2,158 reviews

5時をかける少女

時をかける少女

1967年刊行

1,667pt

TOTAL SCORE

放課後の理科実験室で、芳山和子はガラスの割れる音と甘い香りを体験し、時間を移動する能力を得ます。彼女はラベンダーの香りを手がかりに、奇妙な事件の真相を解き明かそうとします。タイム・リープとテレポーテーションの力を手にした主人公は、暴走トラックの事故を回避するも、なぜその能力を得たのか分からず、友人たちに相談します。甘く切ない想いと、思春期の揺れる心が描かれ、懐かしい時代を感じさせる言葉遣いとともに、未来人との淡い恋愛も絡むSFストーリーが展開されます。読後には言語化し難い「うっとり感」が押し寄せ、胸をときめかせる永遠の物語として、多くの読者の琴線に触れます。映画とは異なる部分も多いものの、原作ならではの魅力があり、タイムリープものの原点として、今も色褪せない輝きを放っています。

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絶賛605
好評890
普通1,648
不評289
酷評72

TOTAL 3,504 reviews

6七瀬ふたたび

七瀬ふたたび

1975年刊行

1,583pt

TOTAL SCORE

テレパス能力を持つ火田七瀬は、人に能力を知られることを恐れ旅に出ます。そこで出会ったのは、同じテレパス能力を持つ少年ノリオや、様々な超能力者たちでした。しかし、彼らには過酷な運命が待ち受けていました。超能力者を抹殺しようとする暗黒組織との血みどろの死闘が始まるのです。多元宇宙の概念が物語を哲学的な世界へ導きますが、理屈立てて考えるよりも、まずは楽しむのがおすすめです。50年前に書かれたとは思えない、驚愕のストーリー展開が読者を魅了します。X-MENを彷彿とさせる超能力バトル、予知能力、テレキネシス、タイムトラベルなど、様々な能力が登場し、物語は予測不能な展開を見せます。しかし、幸せな日々は長くは続きません。七瀬たちは、抹殺組織に追われ、過酷な運命に翻弄されます。スリルと緊迫感に満ちた物語は、読後、深い余韻を残します。能力者としての使命感に燃える七瀬の成長や、同胞との出会いを通して家族を求める姿は、読者の心を揺さぶります。しかし、容赦なく仲間たちが命を落としていく展開は、読者に深い悲しみと喪失感を与えます。果たして、七瀬は生き残ることができるのでしょうか。

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絶賛528
好評630
普通725
不評67
酷評18

TOTAL 1,968 reviews

7ロートレック荘事件

ロートレック荘事件

1990年刊行

1,134pt

TOTAL SCORE

郊外の洋館で美女が次々と殺される「ロートレック荘事件」は、史上初のトリックで読者を迷宮に誘い込むメタ・ミステリーです。読者は、二度読むことで作品の全貌を理解できるでしょう。物語は、夏の終わりに美しい洋館で起こる惨劇から始まり、映像化は不可能と謳われるほどの言語トリックが用いられています。読者は、この作品を通して、前人未到のミステリー体験を味わうことになるでしょう。作中では、登場人物のセリフが誰のものなのか判別しづらく、混乱を招くかもしれませんが、それこそが作者の狙いです。犯人が判明した後の丁寧な解説は、読者を納得させます。ただし、典子の報われなかった愛を思うと、一層悲しみが募ります。この作品は、ミステリー好きならば必読であり、筒井康隆作品らしい毒気と緻密に作り込まれたトリックが魅力です。読者は、この作品を読むことで、叙述トリックの巧妙さに驚き、物語の奥深さに感銘を受けるでしょう。

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絶賛378
好評755
普通992
不評231
酷評73

TOTAL 2,429 reviews

8エディプスの恋人

エディプスの恋人

1977年刊行

933pt

TOTAL SCORE

火田七瀬シリーズ完結編である本作は、高校の事務職員として働く七瀬が、不思議な力に守られた少年、香川智広と出会うことから物語が展開します。智広の周りで起こる不可解な出来事を追ううち、七瀬は全知全能の宇宙意思の存在にたどり着き、やがて彼と恋に落ちます。しかし、その愛は“意志”によって操られたものであり、七瀬は自らのアイデンティティの喪失に苦しみます。物語は、宇宙的な規模で繰り広げられる意志の力と、翻弄される人々の姿を描き出し、読者に「人間にとってこの世は仮のすまいであり、人間の肉体も、いや、生命すらも仮のものに過ぎないのだ」という深い問いを投げかけます。七瀬が辿る、虚無感と諦念に満ちたラストは、読後も長く心に残るでしょう。

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絶賛344
好評354
普通579
不評63
酷評23

TOTAL 1,363 reviews

9文学部唯野教授

文学部唯野教授

1990年刊行

903pt

TOTAL SCORE

筒井康隆の『文学部唯野教授』は、抱腹絶倒の大学学問小説です。大学を舞台に、権力闘争や文学部での授業が興味深く展開されます。文芸批評の歴史や構造主義、解釈学など、難解な文学理論がユーモラスに解説され、知的好奇心を刺激します。ドタバタ劇のような騒動の裏で、文学理論の講義が展開され、大学という組織の実態や教授たちの戯画化された姿が痛快に描かれます。文学作品の消費のされ方や作者と作品の関係についても考えさせられる、読み応えのある作品です。大学のシステムや権力関係の黒い部分をコミカルに描き出し、文学部唯野教授病におかされること間違いなし、大学で文学を学ぶ学生は読んでおいて損はないでしょう。

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絶賛328
好評315
普通395
不評44
酷評12

TOTAL 1,094 reviews

10笑うな

笑うな

1975年刊行

552pt

TOTAL SCORE

筒井康隆のショートショート集「笑うな」は、タイムマシンで直前の出来事を眺めるという奇抜な発想から生まれた作品を含む、ユニークなアイデアとブラックユーモアに満ちた一冊です。約50年前に発行された作品であり、現代の価値観とは異なる部分も存在しますが、一見すると初心者向けの作品集でありながら、ただ笑えるだけの作品は少なく、読み進めるうちに後味が悪かったり、短いながらも意味を掴みかねたりする奥深さがあります。舐めてかかると痛い目を見る、コアな筒井ファンこそ読み返す価値のある、侮れない作品集と言えるでしょう。

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絶賛218
好評263
普通534
不評91
酷評28

TOTAL 1,134 reviews

11敵

1998年刊行

523pt

TOTAL SCORE

75歳の元大学教授、渡辺儀助の晩年を描いた物語です。妻に先立たれ、一人暮らしを送る彼は、日々の食事にこだわり、晩酌を楽しみ、過去の思い出に浸りながら、静かに余生を過ごしています。しかし、そんな彼の脳裏に、次第に「敵」が宿り始め、現実と妄想の区別がつかなくなっていきます。老いによる衰え、孤独、そして死への恐怖が、ユーモラスかつ哀切に描かれています。読者はまるで儀助のエッセイを読んでいるかのような感覚に陥り、彼の日常と妄想が入り混じる世界に引き込まれるでしょう。次第に見え隠れし始める不穏な何かの、不穏かどうか、見え隠れしているのかどうかも定かでないその「不確かさゆえの不穏」とでもいうべきものが、静かな日々に波紋を広げていきます。これは、老いという現実を笑いとともに軽やかに描いた、クールな老年文学です。

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絶賛218
好評146
普通185
不評37
酷評11

TOTAL 597 reviews

12最後の喫煙者

最後の喫煙者

1987年刊行

463pt

TOTAL SCORE

筒井康隆が描くドタバタとは、手足が痙攣し、血液が逆流し、脳が耳からこぼれるほどの笑いの芸術です。健康ファシズムが暴走し、喫煙者が国家的な弾圧を受ける世界でも、主人公はタバコを吸い続ける「最後の喫煙者」として抵抗します。倫理や常識を大胆に踏み越えた「問題外科」では、不快感と笑いが同時に押し寄せます。また、年老いたターザンが意地悪になって生きがいを回復する「老境のターザン」など、人間味あふれる作品も収録されています。半世紀近く前に書かれた作品でありながら、現代社会に近づいているような空恐ろしさを感じさせる、皮肉と風刺に満ちた短編集です。読めば、筒井ワールドに中毒になること間違いなし、抱腹絶倒の自選傑作集です。

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絶賛156
好評247
普通345
不評48
酷評24

TOTAL 820 reviews

13創作の極意と掟

創作の極意と掟

2014年刊行

413pt

TOTAL SCORE

小説界の巨人、筒井康隆が、作家としての経験と知識を初めて明かした一冊です。小説作法について、文章表現に必須の31項目を徹底的に解説しています。凄味、色気、揺蕩といった言葉をキーワードに、小説という形式の中で、いかに読者の想像力を超える手法と技術を試みるか、その極意が語られます。各章では、小説に必要な要素が掘り下げられ、ユーモアを交えながらも、長年のキャリアに裏打ちされた言葉で、小説の書き方、読む上での視点の当て方を解説。単なる指南書ではなく、小説に対する著者の真剣な意見が述べられた、熱意あふれる一冊です。小説家志望者だけでなく、文学作品をより深く理解したい読者にもおすすめの内容となっています。小説の自由さ、実験性、そして何よりも面白さを追求する著者の姿勢が伝わってくるでしょう。読めば小説の世界が広がり、新たな発見があるかもしれません。

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絶賛151
好評143
普通81
不評14
酷評9

TOTAL 398 reviews

14にぎやかな未来

にぎやかな未来

1968年刊行

398pt

TOTAL SCORE

筒井康隆の初期ショートショート集である本書には、「超能力」「星は生きている」「最終兵器の漂流」など、バラエティ豊かな41編が収録されています。文壇デビュー作である「お助け」や、問題作として知られる「無人警察」も収録されており、筒井康隆の原点に触れることができます。「無人警察」は、たった一行の表現が問題視されたというエピソードも興味深い点です。収録作品は、古さを感じさせつつも、SF的な背景が時代を反映しており、現代でも十分に楽しめます。ユーモアと少しの毒が混ざり合った作風は、星新一とはまた違った魅力があります。表題作である「にぎやかな未来」は、現代のネット社会を予見しているかのような内容で、広告が氾濫する状況を風刺しています。また、「パチンコ必勝原理」や「ウイスキーの神様」など、オチが秀逸な作品も多く、読者を飽きさせません。

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絶賛145
好評156
普通213
不評16
酷評16

TOTAL 546 reviews

15虚航船団

虚航船団

1984年刊行

398pt

TOTAL SCORE

鼬族の惑星クォールを舞台に、文房具の殺戮部隊が襲来し、ジャコウネコのスリカタ姉妹の大予言が現実となるという、超虚構の黙示録的世界が描かれます。宇宙と歴史を呑み込む物語は、一読者を狂わせるほどのエネルギーに満ちており、悪夢を見そうなほどの衝撃を与えます。作中では、文房具たちが狂気を帯びた個性を発揮し、人類の歴史を模した鼬たちが殺し合う姿が、ナンセンスでありながらもどこか他人事ではないように感じさせます。物語が進むにつれて作者自身も狂気に染まり、文章は崩壊へと向かい、読者は言葉の宇宙を漂うような感覚に陥ります。これは、実験的なギャグ小説であり、偏執狂的な語りが展開される、まさに筒井康隆にしか書けない作品と言えるでしょう。

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絶賛175
好評93
普通139
不評25
酷評10

TOTAL 442 reviews

16富豪刑事

富豪刑事

1978年刊行

390pt

TOTAL SCORE

キャデラックを乗り回し、ハバナの葉巻をくゆらせる富豪刑事、神戸大助。彼は、迷宮入り寸前の五億円強奪事件や密室殺人事件、誘拐事件など、難事件を次々と解決していきます。常識を覆し、湯水のごとく金を使って。足を使った地道な捜査をする刑事ドラマとは一線を画し、万能の金の魔力でトリックを解き明かす、SFの鬼才が挑むミステリー作品です。

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絶賛114
好評230
普通519
不評48
酷評10

TOTAL 921 reviews

17モナドの領域

モナドの領域

2015年刊行

326pt

TOTAL SCORE

河川敷で発見された若い女性の腕をきっかけに、物語は予想外の展開を見せます。近隣のベーカリーでは、美大生が腕の形をしたバゲットを制作し、それが評判を呼ぶことに。さらに、美大教授が公園で人々を集め、自らを「無限の存在である創造主」と名乗り始め、全知全能を示すかのような行動に出ます。物語はミステリーの様相を呈しながらも、神、宇宙、そして人間存在の根源へとテーマを拡大していきます。裁判やテレビ討論会を舞台に、GODと呼ばれる存在の意味が追求され、読者は哲学、宗教、宇宙論といった深遠な領域へと誘われます。GODの言葉は難解ながらも、創造主が自らの創造物すべてを愛しているというメッセージを伝えます。物語は単なるミステリーに留まらず、世界のカラクリを知る叡智なる存在に翻弄される人々の姿を描き出し、読者に日常からの目覚めを促す作品です。メタフィクションの要素も取り入れられ、読者は物語の中に引き込まれ、著者筒井康隆の熱意と挑戦を感じることができます。難解ながらも、GODに振り回される世間と取り巻きの様子は時にギャグとして笑いを誘い、言葉遊びと文章の面白さが光ります。読後には、神とは何か、宇宙意思とは何か、といった根源的な問いが残るでしょう。

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絶賛136
好評155
普通174
不評51
酷評25

TOTAL 541 reviews

18大いなる助走

大いなる助走

1979年刊行

315pt

TOTAL SCORE

同人誌作家、市谷京二が「直木賞」候補に突如選ばれるという物語です。地方の同人誌から突如文壇へ足を踏み入れたことで、市谷の周りは嫉妬と策略渦巻く世界へと変貌します。受賞を巡る駆け引きや陰謀が繰り広げられ、文壇の狂騒と欺瞞がカリカチュアライズされて描かれています。読者からは「文壇内幕モノは色んな作家さんが書いてるけど、やはりコレを超えるものは無い。面白すぎる」と評される一方、「小説としての完成度はあまり高くない」という意見も。しかし、登場人物たちの強烈な個性が物語を牽引し、ユーモアと毒を含んだ展開は多くの読者を魅了しています。文壇への痛烈な皮肉と、人間の業を描いた作品です。

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絶賛120
好評94
普通100
不評11
酷評4

TOTAL 329 reviews

19わたしのグランパ

わたしのグランパ

1999年刊行

313pt

TOTAL SCORE

中学生の珠子の前に現れたのは、刑務所帰りの祖父、謙三、通称グランパでした。侠気にあふれるグランパは、町の人々に慕われ、珠子の周りで起こる問題を次々と解決していきます。いじめや校内暴力、地上げ屋の脅しなど、エスカレートする暴力に対し、グランパは涼しい顔で立ち向かいます。読者の心を掴むわかりやすい展開で、バブル時代の小さな町を舞台に、痛快な活劇が繰り広げられます。複雑な構造の小説が多い中、本作は小春日和のお散歩気分で楽しめる作品です。前科者でありながらも、近所の人々に好かれ、孫を守るために戦うグランパの姿は、多くの読者にスカッとする読後感を与えています。ハチャメチャなところもあるけれど、スジが通っていて皆から慕われるグランパのように生きたいと思わせる、そんな魅力的な物語です。しかし、グランパの秘密を知った珠子と、彼女を慕う紀子に大事件が襲いかかる展開も見逃せません。最強で最高のグランパは、多くの読者に「こんな祖父がいたら良い」と思わせる存在です。読みやすく、ユーモアにあふれ、最後はどこかあっけないけれど、読後感の良い作品となっています。

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絶賛109
好評145
普通277
不評32
酷評9

TOTAL 572 reviews

20宇宙衞生博覽會

宇宙衞生博覽會

1979年刊行

301pt

TOTAL SCORE

筒井康隆が描く、宇宙を舞台にした奇妙な博覧会へようこそ。ここでは、クレール蟹の味噌が引き起こす奇病『蟹甲癬』や、シャラク星での豆煮失敗から生まれる恐怖『顔面崩壊』など、想像を絶する難病や珍現象が展示されています。マザング人との異文化コミュニケーションを描いた『関節話法』、才能が肥大化する『こぶ天才』、そして『ポルノ惑星のサルモネラ人間』など、狂気と毒気に満ちた8編の短編が収録されています。読者からは「素晴らしい筆力で描かれるブラックで下品な短編集」と評され、その奇抜な設定とスルスル読めてしまう文章力が評価されています。また、「お下劣ながらも、かなり学術的な踏み込み方」をしている点も魅力の一つです。昭和の匂いが漂う過激な物語は、現代では使用が憚られる表現を含みつつも、歴史資料的価値さえ感じさせます。筒井康隆の異才が光る、まさに宇宙規模のブラックユーモア博覧会です。

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絶賛120
好評69
普通98
不評6
酷評1

TOTAL 294 reviews

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