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DATA-DRIVEN NOVEL RANKING

森博嗣

独自に収集した評価データで選ぶ、"本当に愛されている小説"のランキング

PROFILE

愛知県出身の工学者・小説家・随筆家。名古屋大学工学部建築学科を卒業後、同大学院を修了し、三重大学を経て名古屋大学大学院の助教授を務めた。専攻はコンクリートなどの建築材料の数値解析で、1990年に工学博士の学位を取得。2005年に大学を退官するまで、教壇に立ちながら精力的に作品を発表した。1996年に第1回メフィスト賞を受賞した「すべてがFになる」でデビュー。コンピュータや工学・科学の専門的知識を自然に織り込んだ作風が「理系ミステリ」と評され、一躍人気作家となった。推理小説にとどまらず、SF・幻想小説・エッセイ・絵本など多岐にわたるジャンルで作品を発表。代表作として「スカイ・クロラ」シリーズを自ら挙げている。鉄道模型や自動車など多趣味でも知られ、自宅敷地内に庭園鉄道を開設するほどの本格的な活動を続けた。現在は作家を引退したと明言している。

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ランキング

1すべてがFになる

すべてがFになる

1996年刊行

15,227pt

TOTAL SCORE

孤島のハイテク研究所で、天才工学博士である真賀田四季が、完全に隔離された生活を送る中、ウエディングドレスをまとい両手両足を切断された死体となって発見されます。偶然島を訪れていたN大助教授の犀川創平と女子学生の西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑むことになります。コンピュータに残された「すべてがFになる」というメッセージ、そして、15年の歳月が隠された密室のトリックが、犀川と萌絵を究極の謎解きへと導きます。天才の思考回路に唸らされるという読者の声があるように、トリックや謎解きだけでなく、真賀田四季という天才の存在そのものが、この作品の大きな魅力となっています。浮世離れした雰囲気や、Windows主流化以前のコンピュータ技術など、時代を感じさせる要素も、作品の面白さを引き立てています。緻密な構成と、インターネットやローカルプログラムなどの仕掛けが盛り込まれており、もはやSFに近いミステリー作品です。

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絶賛5,575
好評5,046
普通5,042
不評627
酷評171

TOTAL 16,461 reviews

2四季

四季

2003年刊行

5,742pt

TOTAL SCORE

圧倒的人気の天才・真賀田四季の秘められた真実に迫る4部作。13歳にしてプリンストン大学で修士号、MITで博士号を取得した天才少女、真賀田四季。彼女は遊園地で誘拐され、孤島の研究所で起こる殺人事件へと繋がっていきます。本作は、四季が何を望み、何を考えていたのか、その真相に迫る物語です。天才プログラマーである彼女が、いかにして「人類のうちで最も神に近い」存在となったのかが描かれています。今まで読んだ本の中でも、思考に影響を与える度合いが高く、京極夏彦氏の本を初めて読んだ時の衝撃に近いという読者の声もあります。彼女の語り口は、サイコパスやマモーを連想させる一方で、犀川創平と萌絵の関係にも決着が描かれるなど、シリーズファンにとっても見逃せない一冊です。森博嗣の1つの到達点であり新たな作品世界の入口ともなった名作。

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絶賛1,893
好評2,351
普通4,736
不評301
酷評47

TOTAL 9,328 reviews

3スカイ・クロラ

スカイ・クロラ

2001年刊行

3,833pt

TOTAL SCORE

永遠の命を持つ子供たち「キルドレ」が戦争を請け負う社会で、戦闘機乗りのカンナミは日々空を飛び、夜は歓楽街へ繰り出す生活を送っています。本作は、生死や自我とは何かを問いかける物語です。読者は、カンナミを通して、生きる意味や死への向き合い方を考えさせられます。与えられた環境で戦うことしかできないキルドレたちの透明感のある世界観が、読者を深く引き込むでしょう。戦闘機というフィルターを通し、敵を殺す感覚が薄れる中で、カンナミが見る世界は案外シンプルなのかもしれません。ぜひ、この独特な世界観を体験してみてください。

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絶賛1,432
好評1,407
普通2,489
不評276
酷評81

TOTAL 5,685 reviews

4笑わない数学者

笑わない数学者

1996年刊行

3,647pt

TOTAL SCORE

伝説的数学者、天王寺翔蔵博士が住む三ツ星館で起きたオリオン像消失事件と殺人事件。プラネタリウムでの華やかなクリスマスパーティーの最中、庭のオリオン像が忽然と消え、やがてそれは密室殺人の幕開けとなる。犀川助教授と西之園萌絵は、この不可解な謎に挑むことになります。本作は、像の消失という奇抜なトリックを軸に、登場人物たちの人間関係や心理描写が複雑に絡み合うミステリーです。読者は、犀川と萌絵と共に、論理の迷宮を彷徨い、事件の真相に迫っていくことになります。多くの読者は「ミステリーというよりキャラ達の関係性と、定義の話にやられました」と、森博嗣ワールドを堪能しています。また、「像の謎がメインで殺人がおまけみたい」という感想も、本作の特異な魅力を物語っています。果たして、犀川と萌絵は、すべての謎を解き明かし、真実にたどり着けるのでしょうか。そして、タイトルに込められた意味とは一体何なのでしょうか。

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絶賛1,096
好評1,644
普通2,464
不評127
酷評31

TOTAL 5,362 reviews

5冷たい密室と博士たち

冷たい密室と博士たち

1996年刊行

3,331pt

TOTAL SCORE

N大学工学部の低温度実験室で、男女2名の院生が密室状態の室内で死亡しているのが発見されます。犀川助教授と西之園萌絵は、この不可解な事件に巻き込まれることに。密室殺人の謎に、研究者たちの純粋な論理が挑みます。読者からは「自分には全く解けなかった密室殺人。えっ?と驚くような方法で謎が解ける」「天才の計画する犯罪の凄さ」とトリックの巧妙さを評価する声や、「犀川先生の『満点をとった時に知る虚しさから学問が始まる』という言葉が大好き」と犀川の言葉に感銘を受ける声も寄せられています。緻密に計算されたミステリーを、ぜひお楽しみください。

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絶賛946
好評1,753
普通3,144
不評220
酷評47

TOTAL 6,110 reviews

6封印再度

封印再度

1997年刊行

3,194pt

TOTAL SCORE

岐阜県恵那市の旧家、香山家には代々伝わる家宝「天地の瓢」と「無我の匣」が存在します。「無我の匣」には鍵がかかっており、「天地の瓢」の中に鍵があるものの、瓢の口より鍵が大きいため取り出せないという奇妙な仕掛け。50年前、当主が鍵を瓢に入れ息子に残し自殺したという過去も。西之園萌絵は興味本位で香山家を訪れますが、そこには更なる不可解な事件が待ち受けています。密室の謎、小箱と壺の秘密は科学ミステリーとして展開され、読者を魅了します。仏教的な「無我」の概念が物語に深みを与え、科学的な謎解きとの融合が森博嗣らしさを際立たせています。犀川助教授と萌絵の関係はラブコメのような展開を見せ、ライトノベルのような軽快さも楽しめます。タイトルにある「封印再度」と「WHO INSIDE」の意味が、物語の核心に迫るにつれて明らかになり、読後にはパズルを解いたような満足感が得られるでしょう。萌絵の嘘に翻弄される犀川や、2人の関係性の変化も見どころです。壺と箱のトリックは、科学的な知識に基づきながらも、ファンタジーのような美しさを感じさせます。

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絶賛992
好評1,339
普通2,024
不評99
酷評15

TOTAL 4,469 reviews

7有限と微小のパン

有限と微小のパン

1998年刊行

3,070pt

TOTAL SCORE

日本最大のソフトメーカーが経営するテーマパークで、西之園萌絵と友人たちが「シードラゴン事件」と呼ばれる死体消失事件に遭遇します。彼女らを待ち受けるのは、新たな事件と謎。天才プログラマー真賀田四季が背後にいるのか、全編に緊張感が漂います。読者はVRや仮想現実といったテーマが、20年以上前に書かれたことに驚かされるでしょう。シリーズを通して『生』とは何かを問いかけ、最終巻では特にそのテーマが深く掘り下げられます。真賀田四季の言葉は鋭く、読者は襟を正されるような感覚を覚えるかもしれません。彼女の犀川先生への執着や、萌絵との関係性も物語の鍵となります。シリーズの集大成として、過去の伏線が回収され、読者は深い感動と考察を得るでしょう。ラストは特に清々しく、シリーズを通しての構成に感嘆するばかりです。天才の掌の上で繰り広げられる物語は、読者に多くの問いを投げかけます。

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絶賛1,049
好評1,053
普通1,505
不評59
酷評11

TOTAL 3,677 reviews

8今はもうない

今はもうない

1998年刊行

2,726pt

TOTAL SCORE

避暑地の別荘で起きた、美人姉妹の密室殺人事件。映写室と鑑賞室という二つの密室で、それぞれ死体となって発見された姉妹。遺体発見時、スクリーンには映画が上映され続けていたという異様な状況下、嵐で電話も不通となる。物語は、S&Mシリーズでは異質な語り口で進み、読者は語り手の視点を通して事件を追体験することになる。しかし、その語り口こそが巧妙なミスリードであり、読者は事件の真相とは別の、語り手の深層心理に迫られることになる。一見ミステリーでありながら、読後には恋愛小説としての印象が強く残る作品。タイトルの意味が、読み終えた後に深く心に響く。ある読者は「完全に騙されて読んでた」と語り、また別の読者は「恋愛小説として楽しめた」と評している。ミステリーとしての謎解きだけでなく、人間の心の機微に触れたい方におすすめ。

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絶賛902
好評1,054
普通1,806
不評86
酷評23

TOTAL 3,871 reviews

9喜嶋先生の静かな世界

喜嶋先生の静かな世界

2010年刊行

2,632pt

TOTAL SCORE

森博嗣さんの自伝的小説で、学問の探求と研究の孤独、そして研究に没頭する日々を描いた作品です。主人公の橋場くんが喜嶋先生との出会いを通じて研究に目覚め、学問の本質に触れていく過程は、読む人に静かな感動を与えます。研究者の王道を進む喜嶋先生の生き方は、静かで孤独でありながらも崇高で、読後には切ない余韻が残ります。作中では、人がどうして勉強するのかという問いに対する一つの解が示唆されており、研究者にとっての究極の美学が語られます。研究に没頭することの楽しさや難しさ、そして研究者の苦悩と葛藤がリアルに描かれており、特に理系の世界に身を置く人々にとっては共感できる部分が多いでしょう。しかし、研究とは何か、学ぶとは何かという普遍的なテーマを扱っているため、文系の人々にも深く響く内容となっています。喜嶋先生の言葉は、スマートで端的でありながらも、研究の本質を突いており、多くの読者にとって記憶に残るものとなるでしょう。研究者の世界を垣間見ることができるだけでなく、人生における選択や心の在り方についても考えさせられる一冊です。

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絶賛1,008
好評670
普通310
不評36
酷評9

TOTAL 2,033 reviews

10幻惑の死と使途

幻惑の死と使途

1997年刊行

2,531pt

TOTAL SCORE

天才奇術師、有里匠幻が衆人環視の中、殺害されるという衝撃的な事件が発生します。彼は、自らの名を叫べばどんな密室からも脱出できると豪語していましたが、まさかの事態に。さらに、遺体までもが消失するという前代未聞の事態が発生し、犀川と西之園師弟がこの驚愕の真相に迫ります。読者のレビューでは、奇術師が仕掛けた大胆なミスディレクションや、登場人物同士の会話の切れ味が絶賛されています。1997年に刊行されたにもかかわらず、現代のSNSを取り巻く状況を予見しているかのような会話や、インターネット社会への鋭い考察も話題です。マジックとミステリーが見事に融合し、読者を魅了する作品です。

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絶賛704
好評1,208
普通1,951
不評69
酷評8

TOTAL 3,940 reviews

11ナ・バ・テア

ナ・バ・テア

2004年刊行

2,463pt

TOTAL SCORE

永遠に死なない子供、キルドレである戦闘機乗りのクサナギは、憧れの撃墜王、ティーチャのチームに配属されます。ティーチャから多くを学び、認められることに喜びを感じるクサナギ。しかし、空での自由と純粋さは、地上の重さや汚さと対比され、際立っていきます。比賀澤の死を前に声を荒げるなど、クサナギの感情が細やかに描かれ、ティーチャとの関係を決定づける出来事がリアルに感じられるでしょう。地上にいる時は空の底で生きているというフレーズが印象的で、クサナギの純粋なフライトを楽しむ姿が、空を明るくしているかのようです。恋愛かつ純文学のような雰囲気で、レオナルド・ダ・ヴィンチの手記からの引用もセンス良く、空への渇望が綺麗に伝わってくる作品です。

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絶賛844
好評890
普通1,446
不評75
酷評20

TOTAL 3,275 reviews

12詩的私的ジャック

詩的私的ジャック

1997年刊行

2,430pt

TOTAL SCORE

那古野市内の大学で女子大生が密室で連続殺害される事件が発生します。被害者の肌には不可解な傷痕が残され、捜査線上に浮上したのは、N大学工学部助教授、犀川創平が担任する学生でした。彼の作る曲の歌詞と事件との奇妙な類似性が疑念を呼びます。なぜ犯人は密室にこだわり、傷痕を残すのか?理系女子大生、西之園萌絵が、論理的思考を駆使して謎に迫ります。作中では、萌絵が事件に巻き込まれるお約束の展開や、酔った萌絵がプロポーズする場面も。一連の事件の動機について、作者は明確には語りません。読者からは「動機なんて…とはっきりさせないところがまた森さんらしい」という声もあがっています。連続密室殺人の謎はもちろんのこと、N大学と街の描写や、犀川と西之園の関係性にも注目してほしい作品です。

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絶賛695
好評1,260
普通2,512
不評170
酷評25

TOTAL 4,662 reviews

13夏のレプリカ

夏のレプリカ

1998年刊行

2,159pt

TOTAL SCORE

T大学大学院生の簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられます。杜萌自身と家族は無事でしたが、実家にいたはずの兄だけが行方不明に。事件は『幻惑の死と使徒』と同時期に起こり、眩い光や朦朧とする意識とともに、過去の記憶が呼び起こされます。物語は偶数章のみで語られ、豪邸に現れた誘拐者の目的、そして詩人である兄の失踪の真相が、冷徹な論理によって解き明かされていきます。読者は、萌絵の親友である杜萌に降りかかる奇妙な事件を、西畑刑事の推理とともに追体験することになります。一連の事件を通して、萌絵の成長が描かれている点も見逃せません。睦子さんの言葉にあるように、「そっとしておかなくちゃいけないこと、答えを出してはいけないこと」が、事件の核心に迫るにつれて浮かび上がってきます。シリーズを通して、安定したクオリティとキャラクターの魅力、そして意外性のある展開が楽しめるでしょう。特に、萌絵がまるで人形から心を手に入れるかのように成長していく姿は、感慨深いものがあります。前作と合わせて読むことで、事件の全体像がより鮮明になるでしょう。

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絶賛649
好評1,019
普通1,957
不評124
酷評17

TOTAL 3,766 reviews

14女王の百年密室

女王の百年密室

2000年刊行

2,056pt

TOTAL SCORE

西暦2113年、サエバ・ミチルとウォーカロンのロイディは、女王デボウ・スホが統治する、百年もの間閉ざされた街に迷い込みます。そこで起きたのは、完全なる密室での殺人事件でした。楽園のような街で、人々は殺人の存在すら認めない中、ミチルとロイディは真相を追います。この作品は、人間の尊厳や自由、神とは何かを問いかけ、読者に思考の停止を許さない異化効果に満ちた「森ミステリィ」の到達点とも言えるでしょう。特にラストシーンは美しく、本を閉じた後、表紙の英副題が格別の印象を与えます。SF的な世界観と哲学的な要素が融合した、森博嗣氏ならではの作品です。

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絶賛726
好評728
普通1,301
不評86
酷評19

TOTAL 2,860 reviews

15数奇にして模型

数奇にして模型

1998年刊行

2,046pt

TOTAL SCORE

模型交換会で起きた首なし死体事件と、同時期に発生した女子大学院生殺害事件。二つの密室殺人に、犀川と萌絵が挑みます。模型マニアが集う場で、なぜ首なし死体が密室で発見されたのか。読者レビューでは「動機が異常」という声も上がるほど、犯人の異常性が際立つ作品です。シリーズを通して、萌絵の深層心理にも触れられ、彼女の両親の事故についても語られます。一見無関係に見える日常の中に潜む不思議を、犀川と萌絵が解き明かす、S&Mシリーズの中でも異色の作品と言えるでしょう。読者からは「犯人が意外すぎる」という声や、「動機が理解不可能」という意見も出ており、その特異な世界観が評価されています。また、金子君の活躍や、国枝先生の存在感も光る一冊です。

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絶賛611
好評924
普通1,822
不評68
酷評16

TOTAL 3,441 reviews

16ダウン・ツ・ヘヴン

ダウン・ツ・ヘヴン

2005年刊行

2,008pt

TOTAL SCORE

スカイ・クロラシリーズの第3弾です。基地でトップの成績を誇る女性エース、クサナギは、その才能ゆえに企業の広報活動に利用され、鬱屈とした日々を送っています。戦闘機に乗ることに無上の喜びを感じる彼女は、実戦の指令を待ち望んでいました。しかし、与えられたのは政治的な舞台での茶番劇。かつて自分がしてもらったように、後輩に伝えることを通して成長を感じつつも、尊敬するティーチャとの再会は、彼女を更なる苦悩へと突き落とします。大人の世界に翻弄されながらも、空への情熱を胸に、クサナギは再び舞い上がろうと誓うのです。読者は、彼女の視点を通して、空を飛ぶことの意味、そして生と死を見つめ直すことになるでしょう。

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絶賛686
好評705
普通1,126
不評47
酷評11

TOTAL 2,575 reviews

17黒猫の三角

黒猫の三角

1999年刊行

1,938pt

TOTAL SCORE

那古野市で発生した、数字にこだわる連続殺人事件。探偵の保呂草は、一年に一度、決まったルールの元で起こる殺人のターゲットとなった小田原静江から、身辺警護の依頼を受ける。彼女には「6月6日、44歳になる日に殺す」という脅迫状が届いていたのだ。保呂草は、静江が住む「阿漕荘」の住人たちと、桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静江は殺害されてしまう。奇妙な住人たちが集まるアパートを舞台に、予測不能な展開が繰り広げられる。読者からは「犯人は意外」「ストーリー以外の思考のところが面白い」という声も上がっており、森博嗣ワールドを堪能できる一作だ。

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絶賛591
好評916
普通1,611
不評114
酷評23

TOTAL 3,255 reviews

18フラッタ・リンツ・ライフ

フラッタ・リンツ・ライフ

2006年刊行

1,650pt

TOTAL SCORE

上司であるクサナギ大尉やトキノと共に戦闘機を操り、空を翔けるクリタ・ジンロウ。地上での停滞感にうんざりしていた彼は、クサナギの幼馴染である科学者や、彼女を追う新聞記者との出会いを通じて、永遠の命を持つ子供たち「キルドレ」を巡る物語に巻き込まれていく。シリーズ4作目となる本作では、前作でクサナギに殺されたとされるジンロウが一人称で語り、物語は進んでいく。研究者のサガラの登場によって、クサナギの異変やキルドレの核心に迫っていく展開は、読者をハラハラさせるだろう。敵味方が入り乱れる空中戦や、コードネームで呼び合うパイロットたちの姿は、作品に独特の魅力を与えている。サガラはキルドレでなくなる方法を発見したというが、それはキルドレたちにとって幸福なのだろうか。クリタは、クサナギが戦闘機を駆る姿を美しいと感じているが、彼女は空でしか生きている実感を得られない。そんなクサナギの生き方は、どこか悲しい。物語が進むにつれて、キルドレとは何か、愛情とは何かといった問いが浮かび上がり、読者は深く考えさせられるだろう。「飛ぶために戦う」というクリタの簡潔な意志は、透明感があるが、同時に哀愁も漂わせている。美しい文章で綴られた本作は、スカイ・クロラの世界観をより深く理解するための重要な一冊だ。

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絶賛529
好評655
普通929
不評47
酷評8

TOTAL 2,168 reviews

19赤緑黒白

赤緑黒白

2002年刊行

1,451pt

TOTAL SCORE

深夜の駐車場で、全身を赤く塗装された男、赤井寛の死体が発見される。彼の恋人と名乗る女性、田口美登里は、作家の帆山美澪が犯人だと主張し、保呂草潤平に証拠を見つけてほしいと依頼する。しかし、解明が進まないまま、今度は緑色に塗られた第二の死体が現れる。美しくも悽愴な連続殺人事件の謎を、瀬在丸紅子が解き明かす。Vシリーズ完結編であり、新たなステージへの幕開けを告げる作品。シリーズを通してワトソン役を務めた保呂草潤平が、最終巻では「フルコース」と浮かれる姿も垣間見えるが、読後には寂しさが残る。S&Mシリーズからの伏線が回収され、物語は「四季」へと繋がっていく。殺人を「子供のような素直な動機であり何にも縛られない自由な行為」と考察する視点も印象的。シリーズを読み進めることで、時系列の違和感が解消され、「すっきり」とした読後感を得られるだろう。

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絶賛469
好評547
普通880
不評24
酷評5

TOTAL 1,925 reviews

20クレィドゥ・ザ・スカイ

クレィドゥ・ザ・スカイ

2007年刊行

1,433pt

TOTAL SCORE

墜落によって負傷した「僕」は病院を抜け出し、「彼女」の元へ向かう。しかし、平穏な暮らしを夢見る彼女と、空に戻れないと悟る僕は地上を逃避行する。記憶を失い、自分が誰なのかも定かではない「僕」は、夢と現実の狭間を彷徨い、空を飛ぶことだけを渇望する。読者は「僕」の視点を通して、何が現実で何が幻なのか、真実とは何かを問いかけられるだろう。物語が進むにつれて、「僕」がクリタなのか、クサナギなのか、あるいはカンナミなのかという謎が深まり、読者はそれぞれの解釈を密かに誇りたくなるかもしれない。空中戦の描写は美しく、翼を失った永遠の子供・キルドレの切ない物語が、幻想的な雰囲気を醸し出す。まるで夢の中にいるような感覚に陥り、澄み切った小説世界で、空を飛ぶことだけに執着するキルドレの純粋さに触れることができるだろう。記憶があやふやな「僕」の視点を通して、読者もまた、自分自身が誰なのかという根源的な問いに向き合うことになる。ラストシーンまで読んでも、その答えは明確には示されない。しかし、それこそが、この物語の魅力なのかもしれない。読後、あなたはきっと、もう一度『スカイ・クロラ』を読み返したくなるはずだ。

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絶賛463
好評564
普通770
不評37
酷評10

TOTAL 1,844 reviews

21迷宮百年の睡魔

迷宮百年の睡魔

2003年刊行

1,428pt

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伝説の島、イル・サン・ジャックを舞台に、ミチルとロイディが新たな事件に巻き込まれます。百年もの間、外部との接触を絶っていた宮殿からの取材許可を得て島を訪れた二人を待っていたのは、座標システムすら機能しない迷宮のような街と、かつてミチルが出会った女性に酷似した女王でした。物語は、僧侶長の不可解な死をきっかけに、ミチルが殺人犯として疑われる事態へと発展します。本作では、前作『女王の百年密室』からさらに深化した世界観の中で、人間と人工知能の境界線が曖昧になり、「生きるとはどういうことなのか」という根源的な問いが投げかけられます。読者は、夢の中にいるような美しい風景描写と、哲学的な思索が織りなす独特な雰囲気に引き込まれるでしょう。過去にとらわれながらも、そこから逃れられない人々の葛藤が、全体を覆う後ろ向きなトーンとして描かれています。四季シリーズとの繋がりも示唆されており、シリーズを通して読むことで、より深く世界観を理解できます。

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絶賛498
好評471
普通741
不評23
酷評8

TOTAL 1,741 reviews

22恋恋蓮歩の演習

恋恋蓮歩の演習

2001年刊行

1,383pt

TOTAL SCORE

世界一周の豪華客船ヒミコ号を舞台に、天才画家・関根朔太の自画像を巡る陰謀が繰り広げられます。保呂草と紫子は仕事で、紅子と練無は無賃乗船でこの船に乗り合わせますが、航海中、密室状態の船内で男性客の消失事件が発生します。複数の思惑が交錯する中、保呂草は絵を届けるという決断を下し、物語は意外な展開を見せます。読者からは「最後の余韻がたまらない」「保呂草さんの優しさが垣間見える」といった声が寄せられています。一見ロマンスのように感じられる展開の裏に隠された真実とは。

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絶賛434
好評569
普通987
不評36
酷評9

TOTAL 2,035 reviews

23彼女は一人で歩くのか?

彼女は一人で歩くのか?

2015年刊行

1,379pt

TOTAL SCORE

人工細胞によって作られた生命体、ウォーカロン。人間と区別がつかない彼らが存在する近未来で、研究者のハギリは何者かに命を狙われます。彼を保護するウグイは、ウォーカロンと人間を識別するハギリの研究が原因だと告げるが、ハギリに心当たりはありません。寿命が延び、生殖能力を失った人間とウォーカロン。人間性とは、命とは何かという根源的な問いが浮かび上がります。シリーズを通して、真賀田四季が予見した未来、人間とウォーカロンが共存する世界で何が描かれるのか、目が離せません。人間と人型アンドロイドの構図がSFミステリーとして展開され、読者は倫理的、哲学的な深淵へと誘われます。死が遠ざかった世界で、人間は何を想い、どこへ向かうのか。森博嗣ワールドへ没入できる物語です。

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絶賛502
好評442
普通295
不評41
酷評13

TOTAL 1,293 reviews

24「やりがいのある仕事」という幻想

「やりがいのある仕事」という幻想

2013年刊行

1,278pt

TOTAL SCORE

森博嗣氏が、仕事への過度な期待や幻想を冷静に解き明かす一冊です。仕事に人生の重きを置きすぎる現代人に、もっと自由で楽しい生き方を提案します。成功とは何か、良い人生とは何かを問いかけ、すり切れた心に響くアドバイスを送ります。本書では、仕事はあくまで自分が本当にやりたいことのために必要な手段であると説き、仕事に「やりがい」を求める風潮に疑問を投げかけます。周囲からの抵抗感こそが「やりがい」であり、困難を乗り越えることが「楽しみ」の本質であると述べ、安易な自己啓発に走るよりも、まず本書を読むことを勧めています。また、マスコミが伝える情報のほとんどが宣伝であること、本物のプライドは頭を下げ続けることで得られることなど、本質を突く言葉が散りばめられています。読者は、仕事に対する固定観念から解放され、自分の価値観で人生を切り開くヒントを得られるでしょう。著者は、自分の人生は自分でしか切り開けないと述べ、職業に貴賤はない、働きたくなければ辞めれば良いというメッセージは、読者に肩の力を抜いて生きることを促します。自分の幸せは自分で決める、他人の評価に惑わされない、そんな生き方を本書は応援します。

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絶賛469
好評500
普通360
不評94
酷評33

TOTAL 1,456 reviews

25スカイ・イクリプス

スカイ・イクリプス

2008年刊行

1,266pt

TOTAL SCORE

戦闘法人という架空世界を舞台に、戦闘機乗りたちのドラマを描いたスカイ・クロラシリーズの短編集です。整備工のササクラや情報部のカイなど、本編では脇役だった人物に焦点を当て、彼らの視点から世界観が語られます。シリーズの総決算とも言える本作では、今まで語られなかったエピソードや、その後の物語が描かれ、読者に想像の余地を残しつつ、シリーズ全体を締めくくります。読者からは「シリーズを補完する短編集」「スカイ・クロラシリーズを締めくくる短編集」と評され、特に「ハート・ドレイン」「ワニング・ムーン」「ドール・グローリィ」「スカイ・アッシュ」といった作品は、その美しい情景描写や衝撃的な展開で高く評価されています。記憶と老化、人格を重ねるのではなく並べるというイメージ、ふわふわとした曖昧さが絶妙で、シリーズの浮遊感を味わえるでしょう。

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絶賛438
好評446
普通525
不評36
酷評10

TOTAL 1,455 reviews

26そして二人だけになった

そして二人だけになった

1999年刊行

1,130pt

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海に囲まれた巨大なコンクリート密室、全長4,000メートルの海峡大橋を支える巨大なコンクリート塊“アンカレイジ”。その内部の《バルブ》と呼ばれる空間に、科学者、医者など6名が集められます。しかし、通信システムが破壊され、「完全密室」と化した《バルブ》内で連続殺人が発生、最後に残ったのは盲目の天才科学者と彼のアシスタントでした。読者を魅了するのは、設定の秀逸さ、そして、予想を遥かに超える結末です。現代の最高技術で造られた密室で、一人ずつ殺されていく緊張感、最後に世界が反転する驚愕を味わえます。読者からは「最後の最後でひっくり返された」と驚嘆の声が上がっています。謎、恐怖、驚愕が凝縮された傑作ミステリィを、ぜひお楽しみください。

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絶賛364
好評575
普通1,118
不評105
酷評34

TOTAL 2,196 reviews

27ヴォイド・シェイパ

ヴォイド・シェイパ

2011年刊行

1,115pt

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ゼンは、師であるカシュウから剣と生き方を学び、その死後、己の道を求めて旅に出ます。世間知らずでありながら、山での生活で培われた強さと賢さを持つゼンは、出会う人々との交流や剣を交える中で多くを学び、成長していきます。彼の内省的な思考と行動は、読者にも生き方について深く考えさせるでしょう。静けさの中に、剣士としての成長と人間としての探求が描かれた物語です。まるで、森博嗣先生のエッセイを読んでいるかのような感覚になるかもしれません。出会いと別れを通じて、ゼンがどのような道を見出すのか、その成長を見守りたい作品です。

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絶賛405
好評346
普通234
不評29
酷評6

TOTAL 1,020 reviews

28オメガ城の惨劇

オメガ城の惨劇

2022年刊行

1,096pt

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孤島にそびえ立つオメガ城に招待されたのは、科学雑誌記者のミヤチ・ノエミと、同じく招待客であるサイカワ・ソウヘイを含む共通点のない7人です。主催者不在の中、和やかな時間が流れるも、深夜に叫び声が響き、惨劇の幕が上がります。読者は、過去作品との類似点に懐かしさを感じつつも、見事に作者の術中に嵌められます。シリーズを読み込んできたファンにとっては、たまらないご褒美のような作品であり、過去の叙情的なシーンを思い起こさせる舞台も登場します。物語が進むにつれて、サイカワ・ソウヘイというキャラクターに対する違和感が募りますが、エピローグで全てが繋がり、読者は鮮やかに騙されるでしょう。叙述トリックに嵌められた読者は、気持ちの良い悔しさを味わうことになります。シリーズを読み込んでいるファンほど楽しめる、サービス満点の一冊です。

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絶賛455
好評225
普通111
不評13
酷評13

TOTAL 817 reviews

29魔剣天翔

魔剣天翔

2000年刊行

1,087pt

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航空ショーの華麗なアクロバット飛行中、後部座席のパイロットが背後から射殺されるという前代未聞の事件が発生します。密室状態の航空機内で、一体誰が、どのようにして犯行を成し遂げたのでしょうか。容疑は、同乗していた女性記者に向けられますが、状況はあまりにも不可解です。没落した名家の令嬢であり、天才的な推理力を持つ瀬在丸紅子が、この不可能とも思える空中密室の謎に挑みます。事件の裏には、美術品「スカイ・ボルト」を巡る陰謀、そして各務亜樹良という謎の人物の影がちらつきます。保呂草潤平も独自の調査を進める中で、事件は複雑さを増していきます。ダイイングメッセージ、脅迫状の謎、そしてアクロバット飛行のトリックが絡み合い、紅子の推理が真相を解き明かします。

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絶賛298
好評557
普通1,127
不評52
酷評7

TOTAL 2,041 reviews

30χの悲劇

χの悲劇

2016年刊行

1,038pt

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香港を舞台に、プログラマー島田文子が遭遇する不可解な殺人事件。トラム内で起きた密室殺人をきっかけに、彼女は過去の真賀田研究所での出来事と、ある人物からの質問に翻弄されます。事件の背後には陰謀が渦巻き、島田の静かな生活は一変。天才を追い、追われるスリリングな展開が繰り広げられます。Gシリーズの転換点とも言える本作では、バーチャル空間での光速の追跡劇や、意外な人物の正体が明かされ、読者を驚愕させるでしょう。過去作からの伏線回収や、登場人物たちの繋がりが明らかになり、シリーズファンにはたまらない作品です。島田文子の人生観や死生観にも触れられ、ハッキングがスリリングに描かれるなど、ミステリーとしての面白さも満載。彼女が辿る運命、そして事件の真相とは。

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絶賛408
好評246
普通114
不評12
酷評6

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