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DATA-DRIVEN NOVEL RANKING

東野 圭吾

独自に収集した評価データで選ぶ、"本当に愛されている小説"のランキング

PROFILE

大阪府大阪市生野区出身の小説家。大阪府立大学工学部を卒業後、日本電装株式会社に技術者として勤務しながら執筆活動を続け、1985年に『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。その後専業作家に転身し、長年ヒット作に恵まれない苦しい時期を経て、1998年刊行の『秘密』で大きな注目を集めた。2006年には『容疑者Xの献身』で直木賞と本格ミステリ大賞を受賞し、国内累計発行部数は1億部を超えた。作風は学園ミステリや本格推理から社会派推理まで幅広く、キャリアを重ねるごとに意外性よりも社会性を重視した作品へと変化している。湯川学を主人公とするガリレオシリーズや、加賀恭一郎シリーズが代表的なシリーズ作品として知られる。松本清張から大きな影響を受けたと語っており、作品は国内にとどまらず海外でも高い人気を誇った。2026年7月、大腸がんのため68歳で死去。

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ランキング

1容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

2005年刊行

23,929pt

TOTAL SCORE

天才数学者でありながら、不遇な高校教師として孤独に生きてきた石神。ある日、隣人の母娘が前夫を手にかけてしまったことを知った彼は、密かに想いを寄せる靖子と娘を守るため、その卓越した頭脳を駆使した完全犯罪を企てる。タイトルに込められた「献身」という言葉が示すように、これは愛や恋を超えた、命がけの純愛が生み出した犯罪の物語だ。読者からは「何度読んでも胸が痛くて涙が出てしまう」「言葉に表せない感情と深い余韻」といった声が寄せられており、ミステリーの枠を超えた純文学的な深みを持つ作品として多くの読者の心を掴んでいる。物語の核心には、かつての親友である天才物理学者・湯川との息詰まる頭脳戦が展開され、真実が明かされるにつれて胸が締め付けられるような切なさが押し寄せる。謎が解けるほどに心が苦しくなるという逆説的な読書体験が、この作品最大の魅力といえるだろう。直木賞はじめ国内主要ミステリーランキングを総なめにした、著者の代名詞的傑作。

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絶賛15,530
好評8,343
普通5,152
不評399
酷評121

TOTAL 29,545 reviews

2白夜行

白夜行

1999年刊行

20,218pt

TOTAL SCORE

大阪の廃墟ビルで、一人の質屋が何者かに命を奪われる。容疑者は次々と浮かびながらも、事件は迷宮入り。被害者の息子・桐原亮司と、容疑者の娘・西本雪穂。暗い目をした少年と、並外れて美しい少女は、その後まったく別の道を歩みはじめる。しかし19年の歳月が流れる中、二人の周囲では不可解な出来事が繰り返される。証拠は何もない。ただ、不穏な影だけが漂い続ける。驚くべきは、物語を通じて二人の内面が一切語られないという構成だ。二人の姿は、周囲の人物の視点という断片を通じてのみ浮かび上がる。「胸が冷たく締め付けられた」「互いを照らし合う、痛いほどの絆」と読者が表現するように、語られない行間にこそ、この作品の核心が宿っている。800ページを超える大作でありながら、読者を最後まで手放さない圧倒的な構成力。ミステリーの枠を超え、魂の荒野を行く二人を叙事詩的スケールで描いた、記念碑的な一作。

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絶賛11,511
好評6,902
普通4,959
不評490
酷評181

TOTAL 24,043 reviews

3ナミヤ雑貨店の奇蹟

ナミヤ雑貨店の奇蹟

2012年刊行

15,734pt

TOTAL SCORE

廃業した雑貨店に逃げ込んだ、悪事に手を染めた若者3人組。そこで彼らが目にしたのは、シャッターの郵便口から舞い込んだ一通の手紙だった。差出人は、なんと30年以上前の過去に生きる人間からのお悩み相談だった。戸惑いながらも、見知らぬ相談者の力になろうと、3人は真剣に返事をしたためる。その夜、手紙は次々と届き、時代を超えた不思議なやりとりが始まっていく。連作短編のように見える各エピソードは、読み進めるごとにパズルのピースがはまるように繋がり合い、やがて一つの大きな奇蹟の輪を描き出す。ある児童養護施設との深い縁、そして白紙の手紙に込められた意味。「全てが伏線」という読者の言葉通り、張り巡らされた伏線が鮮やかに回収されるラストは、心ふるわせる感動をもたらす。ミステリーとは一線を画した、温かく優しいファンタジー。読み終えた後は、まるで晴れやかな空を見上げたような清々しさが残る一冊だ。

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絶賛6,813
好評6,270
普通3,152
不評506
酷評167

TOTAL 16,908 reviews

4手紙

手紙

2003年刊行

15,219pt

TOTAL SCORE

弟のために強盗を働き、命を奪う罪を犯してしまった兄。服役中の兄から、弟のもとへ月に一度、手紙が届く。しかし、その手紙は愛情の証であると同時に、弟の人生に重くのしかかる枷でもあった。進学、恋愛、就職、結婚と、幸せをつかもうとするたびに「強盗殺人犯の弟」という烙印が立ちはだかる。ある職場の社長は静かにこう言い放つ。「差別はね、当然なんだよ」と。この言葉は単なる冷酷さではなく、社会の構造そのものを突きつける言葉として、読者の胸に深く刺さる。本作はミステリー色は薄く、社会派ヒューマンドラマとして、犯罪加害者家族の苦しみを真正面から描き切った作品だ。罪を犯したのは兄一人なのに、なぜ家族まで社会的に罰せられ続けるのか。答えの出ない問いを背負いながら、直貴はある決意へとたどり着く。ラスト数ページ、涙なしには読めないと多くの読者が語る感動的な終章が待っている。

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絶賛6,355
好評6,735
普通5,701
不評605
酷評124

TOTAL 19,520 reviews

5秘密

秘密

1998年刊行

15,002pt

TOTAL SCORE

運命は、愛する人を二度奪っていく。スキーバスの転落事故で妻を失い、奇跡的に意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から始まる、切なく奇妙な家族の秘密の生活。外見は小学生でありながら妻として振る舞う彼女は、やがて娘として新たな人生を歩み始める。妻であり娘でもある存在に揺れ動く夫の葛藤、嫉妬、そして深い愛情が、息苦しいほどリアルに描かれていく。タイトルである「秘密」とは何を指すのか、その真の意味は最終章で明かされる。読者からは「胸の上に何か重たいものをのせられたような息苦しさが押し寄せた」という声が寄せられるほど、その衝撃は計り知れない。ミステリーでありながら、失うことへの恐怖、執着、そして誰かを想うがゆえの選択という、人間の本質に深く踏み込んだ物語。日本推理作家協会賞を受賞し、映画化・ドラマ化もされた累計200万部超のベストセラーにして、著者の出世作でもある。

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絶賛6,472
好評5,677
普通4,925
不評583
酷評151

TOTAL 17,808 reviews

6流星の絆

流星の絆

2008年刊行

13,985pt

TOTAL SCORE

幼い三兄妹が流星を眺めに深夜こっそり家を抜け出した夜、両親が何者かに命を奪われた。犯人は捕まらないまま、互いだけを信じ、世間を敵視しながら生き抜いてきた三人は、大人になった今、詐欺師として暮らしている。そんなある日、亡き両親の洋食店と同じハヤシライスの味を提供するレストランの存在に気づく。「これはお父さんのハヤシライスだ。」その一皿が、14年間凍りついていた復讐計画を動かし始める。冷静沈着な長兄、二十面相のような弟、容姿端麗な妹が組んで仕掛けた計画は完璧なはずだった。しかし最大の誤算は、妹の恋心だった。「兄貴、妹は本気だよ。俺たちの仇の息子に惚れてるよ。」息もつかせぬ展開、張り巡らされた伏線、驚きの真相、そして涙が止まらないラストが待ち受ける、愛と絆のミステリー。

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絶賛5,242
好評5,063
普通3,153
不評325
酷評89

TOTAL 13,872 reviews

7白鳥とコウモリ

白鳥とコウモリ

2021年刊行

13,782pt

TOTAL SCORE

東京竹芝で、善良な弁護士の遺体が発見される。捜査線上に浮かんだ男は、三十年以上前に愛知で起きた金融業者殺害事件とも繋がる人物だった。やがてその男は「すべて、私がやりました」と、二つの事件の犯行を自供する。事件は解決したように見えた。しかし、被害者の娘と加害者の息子は、それぞれの父の言動に拭いきれない違和感を覚える。「あなたのお父さんは嘘をついています」。立場は真逆でありながら、同じ疑問を抱えた二人はやがて手を組み、封印された真実へと踏み込んでいく。「光と影、昼と夜、まるで白鳥とコウモリが一緒に空を飛ぼうって話だ」。二〇一七年の東京と一九八四年の愛知、時代と場所を超えてつながる謎が解き明かされるとき、罪と罰の本質を問う重厚な人間ドラマが幕を開ける。作家生活三十五周年を刻む、東野圭吾版「罪と罰」と称される長編ミステリーだ。

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絶賛4,580
好評5,348
普通1,663
不評173
酷評36

TOTAL 11,800 reviews

8マスカレード・ホテル

マスカレード・ホテル

2011年刊行

12,124pt

TOTAL SCORE

都内で発生した不可解な連続事件。犯人もターゲットも不明のまま、残された暗号が指し示した次の舞台は、超一流ホテル・コルテシア東京。警察は異例の潜入捜査を決行し、若きエリート刑事・新田浩介がホテルマンに扮して現場へと送り込まれる。彼の指導役を務めるのは、徹底したプロ意識と卓越した観察眼を持つフロントクラーク・山岸尚美。「誰も彼もマスカレードだ」という言葉が示すように、ホテルには仮面をまとった訳あり客が次々と姿を現す。互いの流儀にぶつかり合いながらも、やがて相手の仕事を認め合い信頼を深めていく二人。小さな謎が積み重なるたびに犯人かと身構えれば空振りに終わり、しかしその全てが見事な伏線として機能している。500ページを超える大作でありながら、一気読み必至の圧倒的なリーダビリティ。警察推理小説としても、ホテルという人間交差点を描く群像劇としても二重に楽しめる、まさかまさかの真相が待つ傑作ミステリー。

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絶賛3,573
好評5,757
普通3,052
不評396
酷評75

TOTAL 12,853 reviews

9クスノキの番人

クスノキの番人

2020年刊行

10,981pt

TOTAL SCORE

不当な解雇への腹いせから窃盗に手を染め、逮捕されてしまった青年・玲斗。起訴を待つだけの状況に、突如として弁護士が現れ、ある依頼人の命令に従えば釈放すると告げる。半信半疑で応じた玲斗を待っていたのは、伯母だという女性・千舟だった。彼女が玲斗に命じたのは、月郷神社に立つ巨木の番人を務めること。そのクスノキには、祈れば願いが叶うという不思議な言い伝えがあった。番人の仕事を通じ、さまざまな事情を抱えた人々と関わるうちに、玲斗はクスノキに秘められた力の正体へと近づいていく。人の念を記憶するという神秘的な巨木と、物を忘れていく人間の命の対比が、作品に静かな深みを与えている。殺人事件のないミステリーとも評される本作は、ファンタジーでありながら徹底したリアリズムに支えられ、読者をするりと物語の世界へと引き込む。ラスト直前に待ち受ける、言葉を超えた感動の結末まで、一気に読み進めてしまう一作。

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絶賛3,156
好評4,348
普通2,655
不評363
酷評90

TOTAL 10,612 reviews

10新参者

新参者

2009年刊行

10,860pt

TOTAL SCORE

日本橋の片隅で、一人の女性が何者かに命を奪われた。捜査にあたるのは、この地に赴任したばかりの加賀恭一郎。江戸情緒漂う人形町の街を歩き回り、煎餅屋、洋菓子屋、民芸品屋など、地元に根付いた人々へ丁寧に聞き込みを重ねていく。各章で浮かび上がるのは、事件とは一見無関係に見える、市井の人々が抱えた小さな秘密。しかしその秘密はいずれも、大切な誰かを守るための不器用な愛情に満ちている。短編集のような構成でありながら、実はすべてが一つの事件へと繋がるドミノ倒しのような構造が、この作品最大の魅力だ。加賀が信じるのは、「事件で傷ついた人がいるなら、救い出すのも自分の仕事」という信念。謎解き人情劇という言葉がしっくりくる、ミステリーの枠を超えた読後感が待っている。最終ページで語られる加賀の一言は、落語の一席を聞き終えたような、静かな余韻を残してくれる。

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絶賛2,911
好評3,686
普通1,597
不評174
酷評34

TOTAL 8,402 reviews

11幻夜

幻夜

2004年刊行

10,573pt

TOTAL SCORE

阪神淡路大震災の混乱の中、衝動的に人を手にかけてしまった男と、その瞬間を目撃していた謎めいた女。二人は東京へと向かい、それぞれの思惑を胸に歩み始める。女は野心のためならば手段を選ばず、男は彼女への深い愛ゆえに次々と闇へと引き込まれていく。読者からは「魔性の女に人生を狂わされた男たちへの憐憫」と評され、その冷酷な美しさに誰もが翻弄される。美冬の内面は最後まで描かれず、伏線に伏線が絡み合う構成が緊張感を生む。名作との連続性を匂わせながら、驚愕のラストへと一気に読者を引き込む大長編ミステリーである。

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絶賛3,033
好評3,931
普通3,254
不評361
酷評101

TOTAL 10,680 reviews

12さまよう刃

さまよう刃

2004年刊行

10,570pt

TOTAL SCORE

一人娘を理不尽な暴力によって失った父親が、謎の密告電話をきっかけに復讐へと突き動かされていく。犯人の一人を手にかけ逃走する父を、警察とマスコミが追う構図の中、読者は問いを突きつけられ続ける。少年法に守られた加害者と、救いを求めてさまよう被害者遺族。正義とは何か、誰が裁く権利を持つのか。読んでいて、どうしても父親を応援したくなる。被害者、刑事、加害者、マスコミ、それぞれの思惑が交錯しながら物語は予想外の結末へと向かい、心の深淵に重い石を置かれたような、抜け出せない沈黙に読者を引き込む。重く哀しいテーマに真正面から挑んだ、傑作長編。

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絶賛2,961
好評4,473
普通3,329
不評447
酷評113

TOTAL 11,323 reviews

13沈黙のパレード

沈黙のパレード

2018年刊行

10,248pt

TOTAL SCORE

町の人気娘が突然姿を消し、数年後に遺体として発見される。容疑者として浮かぶのは、過去にも同様の事件で逮捕されながら無罪を勝ち取った男。今回もまた証拠不十分で釈放され、さらにその男が遺族の前に堂々と現れたことで、町全体が憎悪と義憤に包まれる。そして秋祭りのパレード当日、その男が何者かに命を奪われた。容疑者は彼女を愛した善良な市民たち。まさに「容疑者Xはひとりじゃない」という構図の中、天才物理学者・湯川が沈黙に包まれた真相へと迫る。真実がわかるとまたやられたと思わされる、二転三転どころか三転四転する怒涛の展開が読者を最後まで手放さない。愛ゆえの沈黙と献身が織り成す、哀しくも深い人間ドラマ。

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絶賛2,575
好評3,208
普通1,255
不評125
酷評33

TOTAL 7,196 reviews

14赤い指

赤い指

2006年刊行

9,856pt

TOTAL SCORE

住宅街で幼い少女が犠牲になる事件が発生し、捜査線上に浮かんだのはごく平凡に見える一家族だった。犯人は序盤で明かされながらも、物語は「真実をどう明るみに出すか」という緊張の心理戦へと突き進む。加賀恭一郎は低姿勢でじわじわと家族を追い詰め、読者をも息苦しくさせる。「平凡な家族など、この世に一つもない」という言葉が示す通り、親子愛と歪んだ家族の形が鋭く問われる。そして物語の終盤、畳みかけるように明かされる衝撃の事実と、加賀自身が抱える父との深い絆が重なり、涙腺崩壊必至の結末へと導く。

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絶賛2,591
好評4,460
普通4,032
不評587
酷評115

TOTAL 11,785 reviews

15真夏の方程式

真夏の方程式

2011年刊行

9,799pt

TOTAL SCORE

美しい海辺の町、玻璃ヶ浦。夏休みを伯母一家の旅館で過ごす少年・恭平は、そこで物理学者の湯川と偶然出会う。ペットボトルロケットの自由研究に取り組む夏のひとときは、もう一人の宿泊客が翌朝岩場で命を落とした姿で発見されるまでのことだった。その客はかつてこの土地に縁のある男を逮捕した元刑事だという。事故か、それとも事件か。湯川が静かに真相へと近づくにつれ、16年前の過去と現在が複雑に絡み合い、深い人間模様が浮かび上がる。子供嫌いで知られる湯川が少年に寄り添う姿と、真相を知りながら下した選択に、読後しばらく余韻が消えない。「読む手を止められなくなる」と読者を唸らせる終盤の展開と、湯川の人間的な優しさが光るシリーズ屈指の長編作品。

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絶賛2,226
好評4,015
普通2,212
不評244
酷評32

TOTAL 8,729 reviews

16聖女の救済

聖女の救済

2008年刊行

9,712pt

TOTAL SCORE

資産家の夫が自宅でヒ素により命を絶たれた。毒物の混入経路は不明で、離婚を一方的に告げられていた美貌の妻には、鉄壁のアリバイが存在する。捜査を担う草薙刑事はその妻に恋心を抱き、冷静な判断が揺らいでいく。同僚の内海刑事は独断でガリレオこと湯川学に協力を求めるが、湯川が導き出した答えは「虚数解」、つまり理論上は成立しても、現実には起こり得ないトリックだった。「殺さないために一年間もの執念と集中力を注いだ」犯行の構造は、読む者を圧倒する。タイトルに込められた「救済」の真意は、物語の最後に静かに、しかし確実に明かされる。

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絶賛2,224
好評4,336
普通3,074
不評328
酷評72

TOTAL 10,034 reviews

17希望の糸

希望の糸

2019年刊行

9,580pt

TOTAL SCORE

加賀恭一郎シリーズの第11作にあたる本作は、シリーズの主役・加賀の従弟である松宮刑事が主軸を担う物語です。閑静な住宅街で喫茶店を営む女性が命を奪われた事件を追う中、捜査は意外な方向へと広がっていきます。「見えない糸で人は繋がっている」という言葉が示すように、一見無関係に見える人々の人生が少しずつ絡み合い、やがてひとつの大きな家族の物語へと収束していきます。事件の捜査と並行して、松宮自身の出生の秘密も明かされていく構成は、「全て同色で描かれているのに個々が際立っている絵画みたい」と評されるほどの巧みさです。血縁とは何か、家族の絆とは何かを問いかけながら、誤解が生んだ悲劇と、それでも人が希望を持って生きていける理由を静かに描き出します。

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絶賛2,247
好評2,995
普通1,228
不評124
酷評39

TOTAL 6,633 reviews

18トキオ(改題: 時生)

トキオ(改題: 時生)

2002年刊行

9,258pt

TOTAL SCORE

難病に倒れた息子の最期が近づくなか、父親がかつての記憶を語り始める。舞台は1979年の浅草。若き日の主人公の前に「トキオ」と名乗る謎の青年が突如現れ、失踪した恋人を共に追う旅が始まる。「ラスト一行は泣けます」と読者が口を揃えるこの物語は、ハードボイルドとファンタジーが融合した切なすぎる奇跡の物語。クズっぷりが際立つ父と、それを辛抱強く支える青年の名コンビに胸が熱くなる。時を超えた親子の絆が、過去と現在と未来を静かに結びつけ、ラストで訪れる余韻はかけがえのない一冊となっている。

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絶賛2,481
好評2,939
普通3,100
不評377
酷評86

TOTAL 8,983 reviews

19探偵ガリレオ

探偵ガリレオ

1998年刊行

9,052pt

TOTAL SCORE

警視庁捜査一課の刑事・草薙俊平が持ち込む、常識では到底説明のつかない奇怪な事件の数々。炎に包まれた若者の頭、心臓の周囲だけが腐った遺体、池に浮かぶ不気味なデスマスク、そして幽体離脱した少年。そんな難事件に立ち向かうのが、帝都大学物理学科の助教授・湯川学だ。初期作ならではの「研究者そのもの」という無機質な佇まいを持つ湯川が、純粋に科学の論理だけで謎を解き明かしていく。全5篇の連作短編で構成され、重厚な人間ドラマよりも理系的な鮮やかさが際立つ。超文系でも楽しめる平易さと、奇想天外ながらも実現可能なトリックの数々が、読者を軽快に引き込む記念碑的デビュー作。

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絶賛2,091
好評4,493
普通6,649
不評791
酷評144

TOTAL 14,168 reviews

20悪意

悪意

1996年刊行

9,001pt

TOTAL SCORE

人気作家が仕事場で命を奪われた。第一発見者は妻と旧友。捜査を進める加賀刑事は、早い段階で犯人を特定する。だが、ここからが本作の真骨頂だ。犯人は動機を語らない。加賀は「人がなぜ人を手にかけるのか」という問いに執念深く迫っていく。読者はまんまと何度も騙され、これはもう「やられた」の一言に尽きる。犯人が語る被害者像は、真実か虚構か。「記録されたものを真実と思いたい人間の欲望」が巧みに利用され、物語は何度も反転する。最終章でタイトルの意味が深く腑に落ちたとき、その悪意が他者ではなく人間の内側から生まれるものだと気づかされる。東野文学の最高峰と称される、超一流のホワイダニット作品。

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絶賛2,168
好評3,448
普通3,635
不評415
酷評86

TOTAL 9,752 reviews

21祈りの幕が下りる時

祈りの幕が下りる時

2013年刊行

8,951pt

TOTAL SCORE

明治座の舞台演出家を訪ねた女性が、数日後に遺体で発見される。さらに近くで身元不明の焼死体が発見され、部屋に残された遺品には、日本橋を囲む12の橋の名前が記されていた。その遺品を目にした加賀恭一郎は、激しく動揺する。それは、かつて家族のもとを去り孤独に命を落とした、彼の母親と繋がっていたのだ。捜査が進むにつれて浮かび上がる、ある父娘の切なく重い絆。長年影に隠れ娘の成功を見守り続けた父と、その愛を胸に舞台を生き抜いてきた娘。松本清張の名作「砂の器」を彷彿とさせるとも評される、逃れられない宿命と深い家族愛が複雑に絡み合う。読了後、タイトルの意味がじわじわと心に沁みわたる、吉川英治文学賞受賞の人気シリーズ集大成。

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絶賛1,919
好評2,715
普通1,216
不評109
酷評20

TOTAL 5,979 reviews

22プラチナデータ

プラチナデータ

2010年刊行

8,832pt

TOTAL SCORE

国民全員のDNA情報を管理し、犯人を瞬時に特定する捜査システム。その登場によって検挙率は飛躍的に上昇するが、システム開発に関わった天才科学者・神楽龍平は、ある事件をきっかけに追う者から追われる者へと転落する。システムが導き出した犯人の名は、なんと神楽龍平本人だった。二重人格という自らの秘密、そして謎の言葉プラチナデータに隠された巨大な陰謀。科学的には正しくも、人間の内面は説明できない、それこそが科学の絶対性への皮肉であり国家への警告とも言える。怒涛の逃亡劇の果てに明かされる真相は、読者を最後まで迷宮へと誘い込む。国家権力と個人の尊厳が鋭くぶつかり合う、約500ページのエンターテインメント長編作品。

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絶賛2,306
好評3,903
普通4,029
不評747
酷評157

TOTAL 11,142 reviews

23麒麟の翼

麒麟の翼

2011年刊行

8,709pt

TOTAL SCORE

胸にナイフを刺されたまま、男は日本橋の麒麟像へと歩き続けた。なぜ、交番を素通りしてまでその橋を目指したのか。加賀恭一郎シリーズ第九作は、一つの事件が親子の秘められた絆へと深く繋がっていく、切なくも力強い物語です。容疑者と目された人物が突然の事故で意識を失い、捜査は早期終結へと向かう中、加賀は固定観念を捨て、地道に真実を拾い集めていく。やがて浮かび上がるのは、過去の過ちと隠蔽された真実、そして父が命懸けで息子に伝えようとしたメッセージ。ミステリーとしての緊張感と、人としての道徳心を問う深みが共存する、加賀シリーズ最高傑作との呼び声も高い一作です。

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絶賛1,808
好評3,047
普通1,693
不評184
酷評32

TOTAL 6,764 reviews

24マスカレード・ゲーム

マスカレード・ゲーム

2022年刊行

8,426pt

TOTAL SCORE

解決の糸口すらつかめない3つの命が奪われた事件。被害者たちはいずれも過去に人を死なせた加害者であり、共通の手口が捜査を結びつける。やがて、犠牲になった者を憎む遺族たちが、あの舞台、ホテル・コルテシア東京に集結することが判明する。警部へと昇進した新田浩介は、三度目の潜入捜査に踏み込む。ローテーション殺人の疑い、手段を選ばない女性警部との衝突、そしてアメリカから呼び戻された山岸尚美との再会。「今回の犯人たちは、ごく普通の人間です」という言葉が重くのしかかる中、罪と罰、許しと憎しみの問いが物語の底に流れる。一気通貫の展開と予測不能な真相、そしてラスト数ページで訪れるまさかの決断まで、最後の一行まで目が離せない累計480万部突破シリーズの総決算。

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絶賛1,725
好評2,079
普通762
不評47
酷評23

TOTAL 4,636 reviews

25マスカレード・ナイト

マスカレード・ナイト

2017年刊行

8,389pt

TOTAL SCORE

練馬のマンションで若い女性が何者かに命を奪われた。やがて警視庁に届いた一通の密告状には、犯人がホテル・コルテシア東京のカウントダウン・パーティに現れるという衝撃の一文が記されていた。刑事・新田浩介は再びホテルマンに扮して潜入し、コンシェルジュに昇進した山岸尚美と再びコンビを組むことになる。全員が仮面を被る華やかな舞踏会の夜、宿泊客たちは次々と怪しげな素顔をのぞかせ、捜査は混迷を極める。無理難題をさらりとこなす山岸の卓越したプロ意識と、複雑に絡み合う人間関係の謎。驚きの連続のなか、真相は最終盤に一気に加速する。

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絶賛1,722
好評2,613
普通1,564
不評138
酷評35

TOTAL 6,072 reviews

26夢幻花

夢幻花

2013年刊行

7,952pt

TOTAL SCORE

花を愛でながら穏やかな余生を送っていた老人が、何者かに命を奪われた。孫娘の梨乃が気づいたのは、祖父の庭から消えた黄色い花の鉢植え。その写真をブログに投稿したことで、身分を隠した謎の人物が近づいてくる。一方、西荻窪署の刑事・早瀬も独自の思いを胸に事件を追う。バラバラに見えていた謎が、読み進めるうちにやがてひとつに収束していく構成は圧巻で、読者からは、別々の謎だと思っていたものが繋がる瞬間、あまりの驚きに声が出なくなる、との声も。世の中には、負の遺産というものがある、誰かが引き受けるしかない、という問いかけは、黄色いアサガオと現代社会の深刻な問題とを静かに結びつけ、ミステリの枠を超えた人間ドラマとして読後に温かな余韻を残す。

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絶賛1,511
好評2,853
普通2,025
不評213
酷評46

TOTAL 6,648 reviews

27ガリレオの苦悩

ガリレオの苦悩

2008年刊行

7,856pt

TOTAL SCORE

悪魔の手と名乗る人物から、警視庁に不気味な怪文書が届く。そこには連続犯行予告と、天才物理学者・湯川学への挑発が記されていた。科学を凶器に変える者と、科学で真実を暴く者との対決が描かれる短編5編を収録したシリーズ第4弾。注目は今作から登場する女性刑事・内海薫。女性ならではの観察眼で湯川を巧みに動かすキャラクターが新鮮なアクセントを加える。そして第2章・操縦るでは、湯川の恩師が事件に関わるという衝撃の展開が待ち受ける。科学的なトリックの面白さはもちろん、身近な人物の罪を暴く苦悩と葛藤が、湯川という人物の人間的な深みを浮かび上がらせる。単なる謎解きを超えた人間ドラマとして読み応え十分な一冊。

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不評328
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TOTAL 8,389 reviews

28人魚の眠る家

人魚の眠る家

2015年刊行

7,796pt

TOTAL SCORE

離婚間近の夫婦に突然の悲報が届く。愛娘がプールで溺れ、病院で告げられたのは「おそらく脳死」という残酷な現実。一旦は受け入れた二人だったが、娘との別れの寸前に翻意し、医師も驚く方法で娘との生活を続けることを決意する。「この世には狂ってでも守らなきゃいけないものがある」、母・薫子の狂気とも言える愛は周囲を翻弄し、脳死と臓器移植という正解のない問いを多角的な視点で描き出す。生と死の境界が曖昧になった時、人は何を選ぶのか。プロローグとエピローグが見事に繋がる構成と、命が繋がるラストが読者の心を深く揺さぶる感涙の一作。

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絶賛1,596
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不評255
酷評71

TOTAL 6,385 reviews

29予知夢

予知夢

2000年刊行

7,741pt

TOTAL SCORE

深夜、16歳の少女の部屋に侵入した男が語ったのは、17年前に少女と結ばれる夢を見たという驚くべき告白だった。その証拠として男が示したのは、小学4年生のときに書いた一枚の作文。果たしてこれは偶然か、妄想か、それとも本物の予知夢なのか。天才物理学者・湯川が、超常現象と見まがう怪奇な事件を科学と論理で鮮やかに解体していく、全五話の連作短編集。オカルト好きな人も思わず唸る「なるほど、そう来たか」という展開が続き、前作よりも不思議度と科学的推理の爽快感が増している。そして最終話のラストは、心理的にゾッとさせられる余韻を残す。

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絶賛1,391
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TOTAL 11,424 reviews

30クスノキの女神

クスノキの女神

2024年刊行

7,571pt

TOTAL SCORE

不思議な力を持つクスノキを祀る月郷神社を舞台に、番人として成長した玲斗のもとへ、それぞれに秘密と苦しみを抱えた二人の若者が集まってくる。詩集を売る訳ありの女子高生と、眠ると前日の記憶が消えてしまう脳腫瘍後遺症の少年。玲斗が二人を引き合わせたことで、一冊の絵本が生まれていく。一方、玲斗を導いてきた伯母の千舟は、認知症の進行という現実に直面する。記憶を失うことへの恐怖と、それでも前を向こうとする人々の姿が交錯する中、物語は深い問いを投げかける。大切なのは今です。今、健全な心を持っていられるのなら、それで幸せなのです。ミステリーではなく、ヒューマンドラマとファンタジーが溶け合ったシリーズ第二弾。

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TOTAL 3,485 reviews

31透明な螺旋

透明な螺旋

2021年刊行

7,510pt

TOTAL SCORE

ガリレオシリーズ第10弾にして、シリーズ最大の秘密が明かされる一作。南房総沖に男性の遺体が浮かび、同居人の女性が忽然と姿を消す。捜査を進める草薙と内海薫は、思いがけず天才物理学者・湯川学の名に辿り着く。タイトルが示す螺旋はDNAを意味し、親と子の切っても切れない絆が物語の核心を貫く。今回は物理トリックよりも人間ドラマが中心で、愛する人を守るために罪を犯す者の動機が静かに、しかし深く描かれる。そして事件の解決と同時に、これまで謎に包まれていた湯川自身のルーツが明らかになる。"人は誰もひとりでは生きられない"と語る湯川の言葉が胸に刺さる、シリーズファン必読の感動作。

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酷評35

TOTAL 5,494 reviews

32仮面山荘殺人事件

仮面山荘殺人事件

1995年刊行

7,436pt

TOTAL SCORE

湖畔の山荘に集まった8人の男女。事故で命を落とした婚約者を偲ぶための静かな集まりのはずが、逃亡中の銀行強盗が押し入り、一同は外部との連絡を断たれた密室に閉じ込められてしまう。極限状態の中でさらに仲間の一人が犠牲となるが、状況から見て強盗たちが手を下したとは考えられない。犯人は8人の中にいる。疑心暗鬼が渦巻く閉鎖空間で、登場人物たちは互いを疑い始める。「ジェットコースターに乗るような展開」と評される物語は、最終章で一気にすべてをひっくり返す。タイトルに込められた意味を理解したとき、読者は思わず声を上げるだろう。誰もが仮面をかぶっているこの物語、騙されない自信がある人ほど危うい。

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TOTAL 7,353 reviews

33マスカレード・イブ

マスカレード・イブ

2014年刊行

7,332pt

TOTAL SCORE

人気シリーズの前日譚にあたる短編4作を収録した一冊。ホテルのフロントクラークとして客の仮面を守り抜くことを使命とする山岸尚美と、犯人の仮面を暴くことを職務とする刑事の新田浩介、対照的な立場にある二人がまだ互いを知らない時代を描く。ホワイトデーに起きた事件に挑む新米刑事の奮闘、謎めいた女流作家の秘密を守るホテルマンの機転など、各話が独立しながらも鮮やかに読み応えを見せる。そして表題作では、離れた舞台で偶然にも同じ事件へと関わっていく二人の軌跡が交差し、その先の出会いへと静かに収斂していく。一流の仕事を見た、と言わしめる山岸の観察眼と、強引ながらも切れ味鋭い新田の推理が、それぞれの原点として光る一作。

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TOTAL 7,549 reviews

34どちらかが彼女を殺した

どちらかが彼女を殺した

1999年刊行

7,140pt

TOTAL SCORE

最愛の妹を自殺に見せかけて奪われた、警察官の兄。彼が独自の調査で絞り込んだ容疑者は、たった二人。親友か、元恋人か。兄は証拠を隠滅しながら、自らの手で復讐を果たそうとする。そこへ静かに、しかし確実に真相へ近づいていくのが、練馬署の加賀恭一郎刑事だ。二人の警察官が腹の内を探り合う心理戦は、読む手を止めさせない。そして本作最大の特徴は、最後まで犯人が明言されないことにある。読者自身が細部の伏線を拾い上げ、真犯人を導き出すことを求められる、究極の犯人当て小説。まさに、ミステリー界へのケンカ状とも言える、挑戦的な一作だ。

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TOTAL 9,384 reviews

35変身

変身

1991年刊行

6,998pt

TOTAL SCORE

平凡な青年が、不慮の事故に巻き込まれ、世界初の脳移植手術を受けることとなる。手術により一命を取り留めた彼だったが、術後から少しずつ性格が変わり始め、好きだった絵への興味を失い、一人称も変わり、恋人への感情すら薄れていく。自分が自分でなくなっていく恐怖に追い詰められた彼は、移植された脳のドナーの正体を突き止めようとする。脳の一部が別の人格に侵食されていく恐怖を、緻密に描いたサスペンス。他人の脳に乗っ取られながらも自我を保とうと葛藤する姿と、最後まで献身的に寄り添い続ける恋人の存在が、物語に深い切なさと奥行きを加えている。脳移植というテーマを通して、人格やアイデンティティの本質を問いかける意欲作。

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36ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

2020年刊行

6,983pt

TOTAL SCORE

故郷で父が何者かに命を奪われた。仕事と結婚の準備を抱えたまま実家に戻った真世の前に、長年音信不通だった叔父・武史が颯爽と現れる。元マジシャンの武史は警察を頼らず、自らの手で犯人を突き止めると宣言する。容疑者は真世の同級生たち。コロナ禍で町おこしの夢を断たれた寂れた観光地を舞台に、巧みな話術と鋭い観察眼で相手を誘導し、仕掛けと種明かしを繰り返す黒い魔術師が謎に迫る。思いやりから生じる正しさと、周囲を恐れた短絡的な思考が生む悲劇の分岐点には、良心そのものが引き金になるという衝撃が待ち受けている。

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TOTAL 6,257 reviews

37宿命

宿命

1993年刊行

6,879pt

TOTAL SCORE

幼い頃から何をしても敵わなかった宿敵。その男が、かつての初恋の女性と結婚していた。刑事と容疑者という立場で十年ぶりに対峙する二人の男。ある企業の社長が命を奪われた事件を追ううちに、過去の不審な転落事故、そして病院で行われていた禁断の実験が次第に浮かび上がってくる。単なる犯人当てに終わらせない、人間ドラマとしての深みが読者を引き込む。三人を結ぶ見えない糸の正体、そして終章で明かされる驚愕の真実。タイトルに込められた意味がラストに一気に収束するとき、宿命とはこういうことかと、静かな感動と切なさが押し寄せてくる。

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TOTAL 7,406 reviews

38あなたが誰かを殺した

あなたが誰かを殺した

2023年刊行

6,860pt

TOTAL SCORE

閑静な高級別荘地で催されたバーベキューパーティー。その夜、参加者のうち5名が次々と命を奪われる。犯人はほどなく名乗り出るが、「誰でもよかった、死刑になりたかった」と語るだけで、犯行の詳細は一切明かさない。納得できない遺族たちは真相を求めて検証会を開き、そこに長期休暇中の刑事、加賀恭一郎が姿を現す。「あの人に嘘は通用しない」。その言葉通り、加賀の鋭い観察眼が参加者たちの裏の顔を一枚一枚剥がしていく。さらに関係者全員のもとに届いていた一通の手紙、そこには「あなたが誰かを殺した」という不気味な一文が記されていた。加賀が導き出す真相に、何度も驚かされる本格ミステリーの傑作。

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39使命と魂のリミット

使命と魂のリミット

2006年刊行

6,723pt

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心臓外科医を目指す研修医・氷室夕紀は、ある秘めた目的を胸に抱えていた。父を手術で失い、その死が故意によるものではないかという疑念を拭えぬまま、執刀医であった西園教授のもとで日々研鑽を積んでいたのだ。そんな折、病院に届いた一通の脅迫状が、静かな緊張を一気に爆発させる。「医療ミスを公表しなければ病院を破壊する」。脅迫の背後には、別の深い喪失と怒りが潜んでいた。停電という極限状態で行われる手術、絡み合う複数の人物の使命と葛藤、そして明かされる真実。読者からは「ラストはじーんとスッキリ」「停電の手術シーンにハラハラした」との声が寄せられ、医療と人間の誇りを正面から描いたヒューマンミステリーとして高く評価されている。

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TOTAL 5,800 reviews

40パラレルワールド・ラブストーリー

パラレルワールド・ラブストーリー

1995年刊行

6,655pt

TOTAL SCORE

親友の恋人は、かつて自分が一目惚れした女性だった。嫉妬に苦しむ主人公が、ある朝目を覚ますと、その女性が自分の恋人として隣にいる。二つの記憶が混在し、どちらが現実なのか判断できなくなるこの構成は、読者もまた「夢の世界」のような体験に引き込まれる仕掛けとなっている。脳科学や記憶改編という理系要素をベースに、恋と友情の三角関係が複雑に絡み合う傑作長編ミステリー。冒頭の並走する電車のシーンから、作品全体のコンセプトが示唆的に描かれており、精緻な伏線が張り巡らされた末に訪れる驚愕の真実は、最後まで目が離せない展開を生み出している。

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TOTAL 8,714 reviews

41分身

分身

1993年刊行

6,393pt

TOTAL SCORE

自分とそっくりな女性がテレビに映っていた、その一報が、二人の女子大生の運命を動かしていく。札幌で育った鞠子と、東京で育った双葉。生まれも育ちも異なる二人を結ぶ、宿命の絆とは何か。出生の秘密を追うほどに、現代医学の危険な領域へと足を踏み入れていく二人の視点が交互に描かれ、張り詰めた緊張感のまま一気に読み進めてしまう。クローンというSF寄りのテーマで攻めた作品でありながら、科学の進歩がもたらす可能性とその裏側にある倫理的な問題に警鐘を鳴らす、重厚な物語。超えてはならない一線を越えた医療の闇と、それに翻弄される人々の苦悩と葛藤が胸に迫る。最終章で二人がついに出会う場面の美しさは格別。

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絶賛1,051
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TOTAL 7,004 reviews

42架空犯

架空犯

2024年刊行

6,267pt

TOTAL SCORE

都内の高級住宅地で火災が発生し、焼け跡から都議会議員と元女優の夫婦が犠牲になっているのが発見される。一見、無理心中に見せかけられた現場だったが、捜査は殺人事件へと一転する。警視庁捜査一課の五代刑事は、所轄のベテラン刑事・山尾とコンビを組み、事件の真相を追う。やがて捜査は被害者たちの高校時代へと遡り、埋もれていた人間関係と秘密が浮かび上がる。捜査しても捜査しても空転する感覚、いわば「幽霊を追いかけるような」謎の核心にあるのが、タイトルが示す「架空犯」という仕掛けだ。誰もが誰かを守るために行動し、愛情が深いほど憎しみも深くなる、複雑な人間ドラマが描かれる。被害者にも犯人にも、そして刑事にも、それぞれの青春があったという視点が、物語全体に深い余韻を残す。

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TOTAL 3,291 reviews

43むかし僕が死んだ家

むかし僕が死んだ家

1994年刊行

6,024pt

TOTAL SCORE

幼い頃の記憶がまったくないという元恋人・沙也加。彼女の記憶を取り戻すため、語り手の「私」は彼女とともに山奥にひっそりと佇む白い家を訪れる。同じ時刻で止まった時計、不自然な痕跡、そして少年の奇妙な日記。登場人物はほぼ二人、舞台もほぼ一軒の家という極めてミニマルな設定でありながら、伏線が幾重にも張り巡らされ、謎が解けるたびに次の問いへと読者を引き込んでいく。小さなヒントから開けてしまったパンドラの箱は、美しくも残酷な真実を秘めていた。衝撃の結末は、誰もが心に抱える孤独と家族の闇へと鋭く切り込む。初期作品ながら、のちのシリーズ作品との意外なつながりも仕込まれており、読了後には鳥肌が走る仕掛けが待っている。

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絶賛999
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普通3,147
不評430
酷評71

TOTAL 6,672 reviews

44天空の蜂

天空の蜂

1995年刊行

5,927pt

TOTAL SCORE

爆薬を満載した超大型ヘリコプターが、稼働中の原子力発電所の真上でホバリングを続ける。犯人グループの要求はただ一つ、日本中の原発を即刻使用不能にせよというものだった。さらに誰も想定しなかった誤算が事態を複雑にする。無人のはずのヘリの中に、一人の少年が閉じ込められていたのだ。政府が下す非情の決断、そして燃料が尽きるタイムリミット。圧倒的な臨場感とスピード感をもって原発の暗部に切り込んだ社会派サスペンスの傑作。原発への無関心こそが最も無責任だと、読了後に深く考えさせられる一冊。

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絶賛1,075
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不評323
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TOTAL 5,123 reviews

45眠りの森

眠りの森

1992年刊行

5,902pt

TOTAL SCORE

名門バレエ団の事務所で、男が何者かに手にかけられた。現場に居合わせたバレリーナは正当防衛を主張するが、証言には矛盾が漂う。捜査を担うのは、若き刑事・加賀恭一郎。バレエという閉鎖的な世界に戸惑いながらも、丁寧に糸をほぐしていく中で、天才バレリーナ・浅岡未緒と出会う。才能への嫉妬、許されぬ恋、そして誰かを守ろうとする静かな犠牲。「悲劇の裏に恋あり」と評されるこの物語は、ミステリーでありながら、美しくも哀しい人間ドラマとして心に刻まれる。華やかな舞台の裏に沈殿する闇と、加賀の秘めた恋心が交差する、シリーズ屈指の切ない余韻を持つ作品。

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不評456
酷評68

TOTAL 6,904 reviews

46私が彼を殺した

私が彼を殺した

2002年刊行

5,829pt

TOTAL SCORE

結婚式という晴れやかな舞台で、新郎が毒によって命を落とした。容疑者は三人。婚約者の兄、恋人を奪われた男、そして元交際相手の女。驚くべきことに、三人全員が胸の内で「私が彼を殺した」とつぶやく。動機を持つ全員が犯人になりえる、前代未聞の構造が本作の核心だ。物語は三者それぞれの視点で綴られ、毒入りカプセルの行方を巡る緻密な謎が読者に突きつけられる。加賀刑事が真相へと迫る終盤、「犯人はあなたです」という一言で幕を閉じるが、その犯人の名は最後まで明かされない。これは読者への挑戦状であり、推理の醍醐味そのものを問う作品である。

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絶賛901
好評2,147
普通3,049
不評457
酷評82

TOTAL 6,636 reviews

47パラドックス13

パラドックス13

2009年刊行

5,760pt

TOTAL SCORE

13時13分13秒、突如として東京から人類が消滅する。瓦礫と化した無人の都市に取り残されたのは、境遇も年齢も異なる13人の男女だけ。電気もガスも水も絶たれ、容赦ない大雨と地震が襲い続ける極限状態の中、彼らは生き延びようとする。合理性を重視する兄と感情を優先する弟、二項対立する兄弟を軸に、次々と繰り広げられる選択と決断の連続。世界が変われば善悪も変わる、という問いが全編を貫き、読後は充実感と疲労感が入り混じる。壮大なSFサバイバルでありながら、人が人を想う気持ちの深さと、生きることの意味を問い続ける究極の人間ドラマ。数学的矛盾が秘める驚愕のラストまで、一秒も目が離せない。

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絶賛1,096
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普通1,928
不評457
酷評123

TOTAL 5,556 reviews

48虚ろな十字架

虚ろな十字架

2014年刊行

5,750pt

TOTAL SCORE

愛娘を何者かに奪われた夫婦は、犯人に死刑判決が下された後、離婚という選択をした。その数年後、今度は元妻が何者かに命を奪われる。彼女が死刑廃止反対を訴える活動家だったという意外な事実が、元夫を複雑な真相へと引き込んでいく。ミステリーと見せかけながら、実はゴリゴリの社会派小説。「虚ろな十字架が徐々に、重い重い十字架へと変わっていく。」読者のこの言葉が、作品の本質を鋭く射抜いている。死刑制度の是非、贖罪とは何か、命を奪った者はどう罪と向き合うべきか。読者の考えは揺れ動き、最後まで答えは出ない。圧倒的な密度で描かれる人間ドラマに、読み始めたら途中で逃げられない。

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絶賛737
好評1,863
普通1,457
不評167
酷評34

TOTAL 4,258 reviews

49片想い

片想い

2001年刊行

5,572pt

TOTAL SCORE

タイトルから恋愛小説を想像した人は、冒頭から見事に裏切られる。同窓会の帰り道、十年ぶりに再会した旧友は男の姿をしていた。そして衝撃の告白、「人を手にかけたんだ」。アメフト部の仲間たちは彼女をかくまいながら、事件の真相を追い始める。物語の核心にあるのは性同一性障害というテーマ。「性同一性障害は病気ではない。治療すべきは排除しようとする社会」という言葉が胸に刺さる。男と女はメビウスの帯の裏と表、この世に完全な男も完全な女も存在しない、という哲学が物語を貫く。ミステリーとしての緊張感を保ちながら、友情・愛情・性差を超えた永遠の片想いを描いた、切なく深い傑作長篇。

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絶賛898
好評1,721
普通2,720
不評372
酷評82

TOTAL 5,793 reviews

50夜明けの街で

夜明けの街で

2007年刊行

5,516pt

TOTAL SCORE

「不倫する奴なんてバカだと思っていた。でも、どうしようもない時もある。」この言葉から始まる物語は、甘い地獄へと読者を引きずり込む。幸せな家庭を持つ男が、ミステリアスな派遣社員と禁断の関係に堕ちていく。しかし彼女には、誰にも打ち明けられない秘密があった。15年前、彼女の実家で起きた殺人事件。容疑者とされながら沈黙を貫いてきた彼女は、果たして罪を犯したのか。まもなく時効を迎える中、男の心は揺れ続ける。不倫の甘さとミステリーの緊張感が交差し、女性のしたたかさが際立つ本作は、終盤に向けて予想を裏切る真相が明かされる。単純な恋愛小説で終わらせない、著者の真骨頂が光る一冊。

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絶賛1,176
好評2,721
普通4,117
不評1,137
酷評251

TOTAL 9,402 reviews

51虚像の道化師 ガリレオ7(改題: 虚像の道化師)

虚像の道化師 ガリレオ7(改題: 虚像の道化師)

2012年刊行

5,416pt

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天才物理学者・湯川と草薙刑事が難事件に挑む、ガリレオシリーズ短編集の第四弾。新興宗教の道場で起きた転落事件、職場に蔓延する謎の幻聴、雪に閉ざされたホテルで発覚する夫婦の事件、そして劇団で起きた不可解な事件と、七つの物語が収録されている。オカルトや超常現象に見せかけた謎を、科学の力でひとつひとつ解き明かしていく湯川の推理は、読んでいて痛快の一言に尽きる。一方で、初期シリーズに比べ物理現象の解明よりも「なぜこの事件が起きなければならなかったのか」という動機の解明に重きが置かれており、読後には深い余韻が残る。サクサク読める短編形式ながら、一話ごとの満足度は非常に高く、ボリューム満点の内容となっている。

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絶賛601
好評1,757
普通2,008
不評179
酷評24

TOTAL 4,569 reviews

52ある閉ざされた雪の山荘で

ある閉ざされた雪の山荘で

1996年刊行

5,377pt

TOTAL SCORE

早春の乗鞍高原、豪雪に閉ざされたペンションに集められたのは、オーディションに合格した男女7名。彼らに与えられた課題は、孤立した山荘での殺人劇を演じることだった。しかし、一人また一人と仲間が姿を消していくにつれ、劇団員たちの間に不穏な疑惑が広がっていく。これは本当に舞台稽古なのか、それとも現実に誰かが犠牲になっているのか。芝居と現実の境界が溶け合う中、読者は「どっち?どっち?」というスリリングな駆け引きに翻弄され続ける。そしてたった一文字の漢字が、物語全体の見方をひっくり返す瞬間が訪れる。謎解きミステリーの枠を超えた感動のラストまで、一気読み必至の作品。

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絶賛839
好評2,028
普通3,226
不評587
酷評98

TOTAL 6,778 reviews

53ラプラスの魔女

ラプラスの魔女

2018年刊行

5,351pt

TOTAL SCORE

離れた2つの温泉地で相次いで起きた硫化水素による中毒事故。地球化学の研究者・青江は、両方の現場に謎めいた少女・円華が現れることに気づく。彼女はある青年の行方を追いながら、天気を言い当てたりボーリングのピン配置を予測したりと、常識では測れない力を次々と発揮する。超能力ではなく、脳が膨大な物理データを処理することで未来を予測するという、ギリギリ現実味を持つ設定が本作の核心だ。複数の視点人物が小出しにする情報が、中盤から一気に収束していく構成は、さすがの読みやすさと引き込み力を発揮する。そして明かされる事件の動機は、読者に深いやるせなさをもたらす。小説の常識をくつがえした、空想科学ミステリの傑作。

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絶賛780
好評1,539
普通1,385
不評217
酷評57

TOTAL 3,978 reviews

54禁断の魔術 ガリレオ8(改題: 禁断の魔術)

禁断の魔術 ガリレオ8(改題: 禁断の魔術)

2015年刊行

5,239pt

TOTAL SCORE

天涯孤独となった青年と、その師の間に生まれる究極の対峙。育ての親だった姉を失い、大学を中退して町工場で働く古芝伸吾。かつて湯川に師事した彼は、ある凄惨な企てを密かに進めていた。政治家のスキャンダルを追ったライターが命を落とし、伸吾の姉もまた同じ闇に飲み込まれていたことが明らかになる。「科学を制する者は世界を制す」という言葉を胸に、伸吾が手にしたのは禁断の力だった。情に厚く、教え子のためならば己の罪をも厭わない湯川の姿に、読者は新たな一面を見出す。師弟の絆、科学の二面性、そして人間の業が複雑に絡み合いながら、物語は怒涛のクライマックスへと加速する。

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絶賛652
好評1,388
普通1,225
不評121
酷評26

TOTAL 3,412 reviews

55卒業―雪月花殺人ゲーム(改題: 卒業)

卒業―雪月花殺人ゲーム(改題: 卒業)

1986年刊行

5,216pt

TOTAL SCORE

卒業を目前に控えた大学生グループを突然の悲劇が襲う。仲間の一人が密室の自室でひっそりと命を絶った状態で発見され、自殺か他殺か判然としないまま捜査が進む。心やさしき青年・加賀恭一郎は、残された日記を手がかりに独自の調査を始める。そして第二の事件が茶道の厳格な儀式の最中に起こる。衆人環視のなか、ある人物だけが毒によって犠牲になるという不可解な状況。雪月花の作法そのものが巧妙な罠として機能するこのトリックは、読者に相当な集中力を要求するが、解明されたときの構造の精巧さは圧巻だ。事件の背後には、友情、恋愛、嫉妬が複雑に絡み合った青春の闇が広がる。後の名探偵の原点がここにある。

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絶賛810
好評2,304
普通4,477
不評897
酷評148

TOTAL 8,636 reviews

56マスカレード・ライフ

マスカレード・ライフ

2025年刊行

4,979pt

TOTAL SCORE

舞台はホテル・コルテシア東京。今回は名門ホテルで開催される文学賞の選考会という、異色の舞台装置が用意されている。最終候補者の中に、ある遺体遺棄事件の重要参考人が潜んでいるという情報をつかんだ警察が、ホテル側に極秘捜査への協力を求める。一方で、元弁護士である新田の父が宿泊客として現れ、三十年前に彼が手がけた事件の影が、静かにホテルを覆い始める。二つの物語が交錯しながら、登場人物たちが纏う仮面の正体が少しずつ剥がれていく。シリーズを通底するテーマ、人は誰もが仮面をかぶって生きている、という問いが、本作では父と息子の関係や、愛する者を守ろうとした人々の切ない選択を通じて、より深く問い直される。終盤に向けて明かされる真相は、大きどんでん返しというよりも、胸に染みる人間ドラマとして心に残る。

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絶賛608
好評918
普通441
不評45
酷評8

TOTAL 2,020 reviews

57ゲームの名は誘拐

ゲームの名は誘拐

2002年刊行

4,930pt

TOTAL SCORE

敏腕広告プランナーの佐久間は、仕事上の恨みを持つ大手自動車メーカーの重役・葛城への復讐を企てる。葛城邸で偶然出会った家出中の令嬢と手を組み、狂言誘拐という名のゲームで三億円の奪取を目論む。読者レビューに「佐久間と葛城、どちらがゲームの達人だったのか。いや、娘だ。」という言葉があるように、物語は一筋縄ではいかない。警察視点を一切排除し、犯人側だけの視点で描かれる異色の構成が緊迫感を生み出す。随所に散りばめられた伏線が最終章で鮮やかに回収され、思わず唸らせるどんでん返しが待ち受ける。登場人物の誰もが一癖も二癖もある本作は、「良い人が出てこない物語」として読者に強烈な印象を残す。

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絶賛621
好評1,447
普通2,165
不評274
酷評44

TOTAL 4,551 reviews

58レイクサイド

レイクサイド

2002年刊行

4,690pt

TOTAL SCORE

妻は言った。「あたしが殺したのよ」。湖畔の別荘に横たわる、夫の愛人の遺体。中学受験の勉強合宿に集まった四組の親子が、子供を守るため犯行の隠蔽に動き出す。だが、なぜ他の家族たちは我先にと協力するのか。その異様なまでの結束の裏に潜む、歪んだ動機と人間の醜さ。読み進めるほど増す違和感の正体が、最終章で鮮やかに反転する。真犯人は誰か。すべての親が子供を信じていても、必ずその中の誰かは裏切られている。映画化もされた傑作ミステリー。

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絶賛628
好評1,736
普通3,646
不評633
酷評111

TOTAL 6,754 reviews

59嘘をもうひとつだけ

嘘をもうひとつだけ

2000年刊行

4,681pt

TOTAL SCORE

5つの短編を収録した加賀恭一郎シリーズの作品集。バレエ団員が自宅マンションから転落した事件を皮切りに、嫉妬、憎悪、愛情が複雑に絡み合った事件が次々と展開される。登場人物たちは皆、正直に生きたいと願いながらも、ある過ちを隠すためにさらなる嘘を重ねていく。読者レビューにある通り、「サクッと読めるけれど、どれもズシンと重い後味」が特徴的で、加賀は犯人を追い詰めるというより、犯人が自らの嘘と思考によって追い詰められていく舞台を静かに用意する。刑事でありながら救世主のような存在感を放つ加賀恭一郎の姿が、短編ながら長編にも似た充実感で描かれている。

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絶賛611
好評1,600
普通3,544
不評603
酷評69

TOTAL 6,427 reviews

60放課後

放課後

1985年刊行

4,648pt

TOTAL SCORE

女子高の更衣室で、生徒指導の教師が青酸中毒で命を落とす。問題児、頭脳明晰な剣道部の主将、教師に積極的に近づくアーチェリー部の主将など、怪しい人物が次々と姿を現す。さらに運動会の仮装行列という華やかな舞台で、第二の犠牲者が出る。江戸川乱歩賞を受賞した著者のデビュー作にして、緻密な伏線と鮮やかな回収が光る青春ミステリーの傑作。密室トリック、アリバイ工作、そして二段構えの真相と、読み手の推理を次々と裏切る構成が光る。動機が明かされた瞬間、犯人がまったく異なる姿で見えてくる。そして「放課後」というタイトルの意味が胸にストンと落ちた時、ラストの一撃が静かに、しかし確実に響いてくる。

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絶賛610
好評1,624
普通3,095
不評510
酷評100

TOTAL 5,939 reviews

61ブラック・ショーマンと覚醒する女たち

ブラック・ショーマンと覚醒する女たち

2024年刊行

4,570pt

TOTAL SCORE

恵比寿の隠れ家バー、トラップハンドを舞台に紡がれる、6編の連作短編集。元ラスベガスのマジシャンであるマスターは、卓越した洞察力と観察眼で、訪れる女性たちの秘密や嘘を鮮やかに見抜いていく。姪の真世が持ち込む顧客たちの問題に絡みながら、マスターの魔術のような謎解きが次々と展開される。どの物語も軽快なテンポで進みながら、その裏には深くて重い真相が隠されており、最後の種明かしでは手のひらでころころ転がされた感覚を覚えるはず。特に絶賛を集めた連作「リノベの女」と「続・リノベの女」では、哀しいすれ違いが温かい結末へと向かう人間ドラマが胸を打つ。失ったものではなく手に入れたものを信じ、覚醒していく女性たちの姿が清々しい一冊。

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絶賛473
好評1,113
普通722
不評85
酷評16

TOTAL 2,409 reviews

62ダイイング・アイ

ダイイング・アイ

2007年刊行

4,504pt

TOTAL SCORE

交通事故で一人の女性を犠牲にしてしまったバーテンダーが、何者かに襲われ記憶の一部を失う。調査を進めるうちに、関係者たちが少しずつ嘘をつき、誰かを陥れようとしていることが明らかになっていく。そんな中、妖しい魅力を持つ謎の女が主人公の前に現れ、物語はホラーとサスペンスが入り混じった独特の緊張感を帯びていく。読者からは「罪と恐怖が、じわじわと侵食していく」との声も上がり、ラストには背筋が凍るどんでん返しが待ち受ける。タイトルに込められた深い意味は、最後のページを閉じたとき、ようやく全貌が明らかになる。

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絶賛986
好評1,987
普通3,307
不評1,023
酷評267

TOTAL 7,570 reviews

63歪笑小説

歪笑小説

2012年刊行

4,498pt

TOTAL SCORE

出版業界の裏側を舞台に、個性豊かな作家や編集者たちが繰り広げる全12話の連作短編集。スライディング土下座も辞さない伝説の編集長、ドラマ化の話に浮かれる売れない若手作家、文壇ゴルフで大物に翻弄される新鋭作家など、癖の強い人物たちが入れ替わり立ち替わり登場する。笑いながらも、どこか心に引っかかる、歪んだ笑いこそが本書の真骨頂。ブラックユーモアの中にも、作家や編集者たちの苦悩や人間味がにじみ出ており、業界の内幕を赤裸々にさらしたような描写はリアリティにあふれている。巻末には登場作家たちのその後がわかる粋な仕掛けも用意されており、最後の一ページまで楽しめる作りになっている。

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絶賛534
好評1,119
普通958
不評153
酷評32

TOTAL 2,796 reviews

64魔女と過ごした七日間

魔女と過ごした七日間

2023年刊行

4,466pt

TOTAL SCORE

AIによる監視社会が加速する近未来の日本を舞台に、父を亡くした中学生・陸真が事件の真相へと迫る物語。指名手配犯を目で追う見当たり捜査員という職業をAIに奪われた父の死は、果たして偶然なのか。陸真は親友とともに調査を進める中、不思議な力を持つ女性・円華と運命的に出会う。「あたしなりに推理する。その気があるなら、ついてきて」その言葉に導かれ、少年の冒険が幕を開ける。DNA、ゲノム・モンタージュ、国家による情報管理など、現実と地続きの科学描写が物語にリアルな緊張感を与え、警察組織の闇をも巻き込みながら事件は想定外のスケールへと膨らんでいく。

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絶賛440
好評1,161
普通798
不評100
酷評19

TOTAL 2,518 reviews

65疾風ロンド

疾風ロンド

2013年刊行

4,430pt

TOTAL SCORE

研究所から盗み出された、拡散すれば大勢の命を奪いかねない生物兵器。犯人は3億円を要求してきたが、交渉する間もなく事故で命を落とす。残された手がかりは、スキー場らしき場所で撮られた一枚のテディベアの写真のみ。極秘回収を命じられた研究員の栗林は、中学生の息子とともに雪山へと向かう。深刻なバイオハザードクライシスと思わせておいて、悪役たちのキャラがコメディ映画のそれ、というギャップが最大の魅力。事態はわりとヤバいのに、登場人物がいちいち人間くさい。そのズレが生む独特の疾走感で、残りページが僅かになっても収束しそうにない展開に、思わず一気読みしてしまう痛快エンターテインメント。

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絶賛734
好評1,418
普通2,011
不評497
酷評115

TOTAL 4,775 reviews

66魔力の胎動

魔力の胎動

2018年刊行

4,308pt

TOTAL SCORE

物理現象を予測するという不思議な力を持つ少女・円華と、鍼灸師のナユタが、人生の岐路に立つ人々のもとへと現れる、全5編の連作短編集。スキージャンプ選手の不振、ナックルボールを捕球できなくなったキャッチャーのイップス、水難事故で息子を植物状態にしてしまった父の苦悩など、それぞれの傷に円華は静かに手を差し伸べる。しかしその献身の裏には、彼女だけが知る切実な祈りと目的が隠されていた。やがてナユタ自身の衝撃的な過去も明かされ、物語は予想外の深みへと進んでいく。「まだ形を成さぬ運命が、皮膚の裏でひそやかに脈打つ」その震えを掬い上げた一冊。

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絶賛525
好評1,144
普通1,366
不評227
酷評47

TOTAL 3,309 reviews

67危険なビーナス

危険なビーナス

2016年刊行

4,087pt

TOTAL SCORE

独身獣医の主人公のもとに、ある日突然「お義兄様っ」と名乗る女性から電話がかかってくる。弟と結婚したばかりだという彼女、楓は、夫が失踪したと告げる。莫大な遺産をめぐる資産家一族の謎を追いながら、主人公は次第に楓に惹かれていく。容姿端麗でしたたか、読者をも翻弄する危険な魅力を持つ楓の正体とは何者なのか。脳科学や素数の規則性など理系の知識が随所に散りばめられ、サクサクと読み進められる。主人公以外の登場人物が全員どこか怪しげで、誰を信じていいのか分からない独特の緊張感が続く一方、ロマンスの要素も絡み合う。最終章では、恋も謎もスリリングなどんでん返しが待ち受ける。

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絶賛456
好評1,293
普通1,452
不評295
酷評59

TOTAL 3,555 reviews

68カッコウの卵は誰のもの

カッコウの卵は誰のもの

2010年刊行

3,982pt

TOTAL SCORE

元トップスキーヤーの父と、その才能を受け継いだかのように見える娘。しかし妻の死をきっかけに、父は戦慄の事実を知ることになる。愛情を注いで育てたはずの娘が、自分の血を引かない子だったのだ。そこに「スポーツ遺伝子」の研究者が接触を図り、さらには娘の競技出場を阻もうとする脅迫状まで届く。カッコウが他の鳥の巣へと卵を産み落とす托卵のように、この物語では愛と欺瞞と秘密が複雑に絡み合う。血縁とは何か、才能とは何か、そして本当の親子とは何かを問いかけながら、最後の一ページまで真相が明かされない構成で読者を引き込む。序盤、中盤、終盤で作品の捉え方が大きく変わる、と評した読者の言葉が示すとおり、タイトルに込められた二重の意味が最後に鮮やかに回収される。

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絶賛428
好評1,495
普通2,405
不評513
酷評78

TOTAL 4,919 reviews

69魔球

魔球

1988年刊行

3,944pt

TOTAL SCORE

甲子園の舞台で、弱小公立高校を準優勝へと導いた天才投手が投じた、最後の一球。すべてはその一球に込められていた。大会直後、バッテリーを組んでいた捕手が愛犬とともに命を奪われ、野球部員たちは疑心暗鬼に陥る。同じころ、一見まったく無関係に見える企業の爆破未遂事件と社長誘拐事件が発生する。複数の事件の点と点が線で結ばれたとき、切なすぎる真相が浮かび上がる。容疑者の目星はつけど、それ以外は全く予想できない展開と読者から絶賛されており、伏線は見事に回収され、最終章は涙なしには読めない。高校生活の暗転と家族への純粋な愛情が交錯する、青春ヒューマンミステリーの傑作。

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絶賛451
好評866
普通1,277
不評177
酷評35

TOTAL 2,806 reviews

70白銀ジャック

白銀ジャック

2010年刊行

3,754pt

TOTAL SCORE

年の瀬のスキー場に届いた一通の脅迫状。「ゲレンデの下に爆弾を仕掛けた。三日以内に三千万円を用意しろ」。経営陣はパニックによる売上減を恐れ、警察への通報を拒否し、身代金を支払う道を選ぶ。しかし犯人はそれに味をしめ、脅迫を繰り返す。索道部マネージャーの倉田と若きパトロール隊員の根津は、雪上で犯人を追い詰めようとするが、白銀の世界は想像を超えたトリックで彼らを翻弄する。犯人の動機は金目当てか、それとも一年前に血に染まった禁断のゲレンデに秘められた復讐か。読者を没入させる臨場感たっぷりの描写と、最後まで予断を許さない展開が織り成す、圧倒的な疾走感の痛快サスペンス。

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絶賛508
好評1,633
普通2,709
不評747
酷評151

TOTAL 5,748 reviews

71殺人の門

殺人の門

2003年刊行

3,678pt

TOTAL SCORE

小学校時代からの腐れ縁が、一人の男の人生を静かに蝕んでいく。裕福な歯科医の息子として生まれた田島和幸は、幼馴染の倉持修と出会った瞬間から、見えない罠の中へ踏み込んでいた。祖母の死、両親の離婚、転校先でのいじめ、そして詐欺まがいの仕事。人生の岐路に必ず倉持の影が差し込む。何度裏切られても離れられない歪んだ関係。読者からは、「またか!学習せい!」と思いながらも止められないと声が上がるほど、不穏な引力が全編を貫く。殺意を抱きながらも踏み切れない主人公の葛藤が600ページにわたり克明に描かれ、ラストでは上巻からの布石が一気に回収される。人はどこで殺人の門をくぐるのか。その問いが読む者自身に問いかけてくる、衝撃の問題作。

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絶賛575
好評1,263
普通1,994
不評488
酷評176

TOTAL 4,496 reviews

72素敵な日本人

素敵な日本人

2017年刊行

3,644pt

TOTAL SCORE

日本の四季折々の行事を題材にした作品から、SF的な近未来設定まで、全9編を収めた短編集。正月、バレンタイン、雛祭り、クリスマスと、誰もが親しむ行事を舞台に、人間の小さな悪意や欲望、そして温かな情愛が交差する。読者からは「どの話もちょっとしたズレが最後にうまく効いてくる」と評され、風刺の利いた笑いあり、予想を覆すどんでん返しあり、親子の絆が胸に染みる感動作ありと、一冊の中で多彩な読み心地が楽しめる。各篇は短いながらも構成の密度が高く、「気づけば次の話に手が伸びてしまう」という声も多い。日常に潜むほんの少しのズレが、思いがけない結末へと読者を誘う、バラエティ豊かな物語集。

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絶賛329
好評828
普通859
不評123
酷評20

TOTAL 2,159 reviews

73恋のゴンドラ

恋のゴンドラ

2019年刊行

3,520pt

TOTAL SCORE

真冬のスキー場を舞台に、浮気中の男が絶体絶命の密室、ゴンドラで婚約者と鉢合わせするところから物語は幕を開ける。ゴーグルとマスクで顔を隠しながら、果たして山頂までバレずに済むのか。読者からは「笑っちゃうほど偶然が重なってハラハラドキドキ」という声が上がるほど、予測不能な展開が続く。複数の男女それぞれの視点で語られる連作短編集で、登場人物たちの恋と嘘が複雑に絡み合い、まるで相関図を描きたくなるような構造が特徴だ。ラブコメの軽快さの裏に、人間の弱さや身勝手さが鋭く映し出され、笑いとヒヤヒヤが共存するゲレンデ恋愛ドラマが展開する。登場人物の苗字が曜日になるという遊び心あふれる仕掛けにも注目だ。

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絶賛455
好評788
普通860
不評198
酷評70

TOTAL 2,371 reviews

74同級生

同級生

1993年刊行

3,497pt

TOTAL SCORE

同級生の少女が交通事故で命を落とした。彼女は主人公の子を身ごもっていた。罪悪感と愛の証明を胸に、主人公は事故の真相を追い始める。やがて現場付近にいた女教師の存在が浮かび上がるが、彼女もまた何者かに手をかけられてしまう。容疑者として追われながらも、主人公は謎に立ち向かう。教師への剥き出しの反発心、思春期特有の苦さと切なさ、そして丁寧に張り巡らされた伏線が怒涛の回収へと雪崩れ込む、著者のターニングポイントとなった青春ミステリーの傑作。すべての真相を知ったとき、女性の切なさと人間の脆さが胸に刺さる。

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絶賛319
好評854
普通1,987
不評255
酷評50

TOTAL 3,465 reviews

75交通警察の夜(改題: 天使の耳)

交通警察の夜(改題: 天使の耳)

1991年刊行

3,383pt

TOTAL SCORE

交通事故を題材にした6編の連作短編集。深夜の交差点での衝突、煽り運転による悲劇、ほんのわずかな駐車違反が招く取り返しのつかない結末まで、誰もが日常で遭遇しうる場面が舞台となっている。視覚に障害を持つ少女が、警察官も驚くほどの方法で兄の正当性を証明しようとする表題作をはじめ、法では裁ききれない悪に対する因果応報が各話を彩る。読者からは「決してホラーではないのに、ヒヤリと背筋が寒くなる」「交通ルールを守らない者への作者の切れ味が鋭く、必ず因果応報の結末が待っている」との声が多く寄せられている。少しのマナー違反や油断が、自分自身も含む誰かの人生を一変させるかもしれないという緊張感が全編を貫く、初期の傑作サスペンス。

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絶賛332
好評801
普通1,655
不評243
酷評50

TOTAL 3,081 reviews

76雪煙チェイス

雪煙チェイス

2016年刊行

3,309pt

TOTAL SCORE

殺人容疑をかけられた大学生・脇坂竜実。彼のアリバイを証明できるのは、スキー場で偶然出会った名前も知らない美人スノーボーダーただ一人。わずかな手がかりを頼りに「女神」を探して日本屈指の広大なゲレンデへ向かう竜実を、所轄の刑事・小杉が追う。追う者と追われる者が繰り広げる、雪山を舞台にしたノンストップのチェイス劇だ。読者からは「何がどう転ぶのか、久しぶりにワクワクした」との声も上がる。ミステリとしての真相よりも、雪煙舞うゲレンデでのドタバタ逃走劇が全編の核となる、エンターテインメント色の強い一作。人情味あふれる旅館の女将や、友人を最後まで信じ抜く波川など、脇役たちの人間臭さも見どころだ。

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絶賛285
好評703
普通800
不評106
酷評29

TOTAL 1,923 reviews

77毒笑小説

毒笑小説

1996年刊行

3,237pt

TOTAL SCORE

身の毛もよだつおかしさ、思わず吹き出すおそろしさ、12の毒入りショートストーリーが詰め込まれたブラックユーモア短編集。マニュアル化が進む警察署に自首しようとした男が、たらい回しに遭い続ける不条理劇、孫にゆっくり会いたい富豪の老人たちが思いついた前代未聞の大胆な計画、家族の留守中にこっそり孫の部屋へ忍び込んだ祖父と空き巣の予期せぬ遭遇など、日常のひと捻りが笑いと恐怖を同時に引き起こす。「世にも奇妙な物語」っぽいと評する声もあるように、各話のラスト1行が読者の想像力をかき立てる構成になっており、片頬だけを上げてフッと笑うのがお似合いな一冊。巻末には京極夏彦との対談も収録されている。

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絶賛315
好評768
普通1,351
不評204
酷評59

TOTAL 2,697 reviews

78黒笑小説

黒笑小説

2005年刊行

3,110pt

TOTAL SCORE

出版業界の裏側を痛烈に皮肉る前半4編と、荒唐無稽ながらも妙にリアルな後半の短編群で構成された、全13編のブラックユーモア短編集。賞を渇望しながら平静を装う作家と、内心では諦めている編集者の本音の乖離が、笑えるのに笑えない毒を放つ。丸いものすべてが別の何かに見えてしまう症候群や、恋愛遺伝子を操るスプレーなど、バカバカしさ全開の題材も、描き手が変われば鋭い社会風刺に変わる。虚実の皮一枚を軽やかに剥いだ、まさに冷嘲熱笑の読み心地。読者が腹黒さをただ噛みしめればいい短編集。

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絶賛340
好評861
普通1,596
不評327
酷評85

TOTAL 3,209 reviews

79怪笑小説

怪笑小説

1995年刊行

3,041pt

TOTAL SCORE

9編からなるブラックユーモア短編集。満員電車に漂う不思議なガスで乗客の本音が筒抜けになる「鬱積電車」、芸能人の追っかけに全財産をつぎ込む老女を描く「おっかけバアさん」、UFOの正体はたぬきだという奇抜な持論を展開する「超たぬき理論」など、どれも日常の片隅から生まれた奇想天外な物語ばかり。読者からは「怪笑というより快笑」「ちょっとニヤッとし、後からコワッとなる感じ」と評され、笑いの奥にひんやりとした余韻が残る。各編に著者自身のあとがきが付いており、着想の経緯も楽しめる構成が特徴。ミステリーとは一線を画す、鋭い人間観察と風刺に満ちた異色の作品集。

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絶賛327
好評717
普通1,490
不評245
酷評84

TOTAL 2,863 reviews

80十字屋敷のピエロ

十字屋敷のピエロ

1992年刊行

3,040pt

TOTAL SCORE

「普通じゃないのよ、この家は」その言葉通り、十字の形をした奇妙な屋敷で、女主人が忽然と姿を消すように命を絶つ。四十九日の法要に一族が集った夜、次の主と秘書が何者かに手にかけられる。外部からの侵入は不可能、疑いの目は身内へと向かうが、誰もが庇い合い、真実は霧の中へ。そんな事件の全てを目撃していたのは、一体のピエロの人形だった。動けない、話せない、しかし見ている。人形の目を通して読者にだけ語りかけるという前代未聞の仕掛けで、精緻かつフェアな謎解きに挑んだ初期の傑作。二転三転する展開の果て、エピローグまで気を抜くことを許さない筆致に、読者は最後まで引き込まれることになる。

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絶賛304
好評734
普通1,493
不評286
酷評51

TOTAL 2,868 reviews

81ブルータスの心臓

ブルータスの心臓

1993年刊行

2,927pt

TOTAL SCORE

野心家のエンジニア・末永拓也は、会社創業者の令嬢との結婚を目論んでいた。しかし遊び相手の女性から妊娠を告白され、窮地に立たされる。そこへ令嬢の兄から、共謀による完全犯罪を持ちかけられる。大阪から東京へと続く、綿密に計算された犯行計画。だが指定場所に運ばれてきたのは、標的ではなく仲間の遺体だった。序盤から180度ひっくり返る衝撃の展開に、読者は先が読めない緊張感の中へ引き込まれていく。善人がほとんど登場しない中、登場人物の人間性が徐々に明らかになる構成が巧みで、冒頭の産業ロボット事故という伏線が、終盤に予想外の形で絡み合う。「やはり今回も当てることはできなかった」という読者の声が、この作品の本質を物語っている。

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絶賛221
好評818
普通1,382
不評253
酷評51

TOTAL 2,725 reviews

82犯人のいない殺人の夜

犯人のいない殺人の夜

1990年刊行

2,669pt

TOTAL SCORE

著名な建築家の邸宅で、ある女性が犠牲になった。しかし現場には遺体も犯人も存在しない。表題作をはじめ、全7編を収録したデビュー直後の短編集。屋上から転落した親友の死の真相を追う青春ミステリー、初恋の少年が知ることになる残酷な現実を描く「踊り子」など、各編に仕掛けられたひとつひとつの物語が、読む者の胸に重くのしかかる。「ちょっとした悪戯心や無知が結果的に人を死に追いやる」、それこそが"見えざる殺意"の恐ろしさだ。人間の欲望と業を鋭く描き、やるせない余韻を残す珠玉の短編集。

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絶賛193
好評544
普通1,224
不評189
酷評25

TOTAL 2,175 reviews

83依頼人の娘(改題: 探偵倶楽部)

依頼人の娘(改題: 探偵倶楽部)

1990年刊行

2,613pt

TOTAL SCORE

政財界のトップだけが会員となれる、謎めいた調査機関が主役の連作短編集。長身で彫りの深い男性と、黒髪で切れ長な目を持つ美しい女性、その二人組探偵は感情を一切表に出さず、まるで世にも奇妙な物語の住人のように依頼をこなしていく。警察が解決したと思われた事件の裏に、さらなる真相が潜む構成は、読むたびに裏切られる快感を生む。浮気調査が命を奪う事件へと発展し、目の前の状況がすべて偽りだったと気づく瞬間の衝撃は鮮烈。探偵たちの素性は最後まで明かされないが、それがかえってミステリアスな緊張感を高めている。短編でありながら、幾重にも重なる人間模様が濃密に描かれた、隠れた傑作との呼び声も高い一冊。

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絶賛255
好評571
普通1,513
不評291
酷評60

TOTAL 2,690 reviews

84鳥人計画

鳥人計画

1989年刊行

2,609pt

TOTAL SCORE

スキージャンプ界の頂点に立つ天才ジャンパーが毒殺された。捜査が難航するなか、警察へ犯人を告げる密告状が届く。逮捕されたコーチは留置場のなかで、自分を密告した人物を推理し始める。フーダニットか、ホワイダニットか、はたまた倒叙形式か、一作でさまざまなミステリーの系統が味わえると読者を唸らせる構成が見事。スポーツに科学を持ち込むことの是非を問いながら、親の異常な執念と悲しい人間ドラマが絡み合い、最後のページまで真相は二転三転する。科学でスポーツをする、その一線を越えたとき何が失われるのかを鋭く問いかけてくる、スポーツ・ミステリーの傑作。

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絶賛222
好評661
普通1,572
不評307
酷評63

TOTAL 2,825 reviews

85浪花少年探偵団

浪花少年探偵団

1988年刊行

2,566pt

TOTAL SCORE

大阪の下町を舞台に、コテコテの関西弁が飛び交うユーモア・ミステリーのシリーズ第一弾。主人公は大路小学校に勤める25歳の女性教師、竹内しのぶ。美人でありながら口が悪く、手も早い破天荒なキャラクターで、担任する6年生の悪ガキたちも彼女の前ではたじたじ。そんなしのぶセンセの周囲で、次々と命が奪われる事件が発生する。刑事顔負けの直感と行動力で謎に迫るしのぶと、彼女に恋心を抱く若手刑事と見合い相手の三角関係も物語を賑やかに彩る。掛け合いはまるで漫才のようで、扱う事件はしっかりとした本格ミステリー。コナン君の少年探偵団活躍回の大阪版という表現がぴったりの、痛快な連作短編集。

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絶賛224
好評421
普通790
不評132
酷評26

TOTAL 1,593 reviews

86虹を操る少年

虹を操る少年

1994年刊行

2,518pt

TOTAL SCORE

光にメロディがあるの?あるさ、みんなそのことに気づいていないだけさ。絶対音感ならぬ絶対光感を持つ天才高校生が、光を演奏する行為、光楽を通じて若者たちにメッセージを発信していく。その光に魅了され集まる若者たちと、力の大きさに脅威を感じ利用しようとする大人たちの攻防が、サスペンスフルに描かれる。進化論を絡めた壮大なテーマと、光という斬新な発想が融合した異色のファンタジー寄りミステリー作品。読者に委ねられる余白の多い結末は、モヤモヤ感を残しながらも未来への希望を感じさせると評される。

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絶賛253
好評489
普通896
不評186
酷評51

TOTAL 1,875 reviews

87超・殺人事件

超・殺人事件

2001年刊行

2,469pt

TOTAL SCORE

推理作家や編集者たちが直面する、税金対策、使い回しのトリック、褒めどころのない作品への書評など、出版業界の赤裸々な内情をブラックユーモアたっぷりに描いた8編の短編集。「ぬるま湯状態のミステリ界をメッタ斬りにした痛快な作品集」と称され、各話の切れ味抜群のオチが読者を笑わせる。なかでも、どんな小説にも瞬時に書評を生成する奇妙な機械が推理小説界を席巻する表題作は、文学とAIの未来を予言したかのような不気味なリアリティを持つ。笑えるのに、笑えない。そのギリギリの緊張感が全編を貫いている。

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絶賛340
好評589
普通1,195
不評303
酷評118

TOTAL 2,545 reviews

88サンタのおばさん

サンタのおばさん

2001年刊行

2,339pt

TOTAL SCORE

ミステリー作家として知られる著者が手掛けた、異色の社会派絵本。フィンランドで開かれたサンタ協会の会議に、初めて女性サンタの候補者が現れたことで、各国代表のサンタたちが人種差別や男女格差をめぐり激しく議論を交わす。白い髭に赤い衣装のおじいさんこそがサンタである、という誰もが抱いてきた先入観が次々と問い直されていく。笑いと感動が交差するストーリーは、大人の心にも深く刺さる。ベストセラー小説から生まれたこの作品は、やわらかくも鋭いメッセージを、温かみある絵とともに届けてくれる一冊。

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絶賛197
好評233
普通312
不評48
酷評14

TOTAL 804 reviews

89白馬山荘殺人事件

白馬山荘殺人事件

1990年刊行

2,202pt

TOTAL SCORE

謎のメッセージを残して命を絶った兄。「マリア様が、家に帰るのはいつか」という言葉の意味を追い、妹のナオコは親友マコトとともに信州白馬の英国風ペンションへと足を踏み入れる。各部屋に掲げられたマザーグースの詩、毎年同じ時期に集う謎めいた常連客、そして繰り返される不審な犠牲者。密室トリックと童謡に秘められた暗号が、やがて山荘に眠る深い闇へと繋がっていく。デビュー間もない時期の意欲作であり、「エネルギーがみなぎる」と評されるほど古典的な本格ミステリーの要素をふんだんに詰め込んだ一作。複数の探偵役が謎に迫る構成と、幾重にも重なるどんでん返しが最後まで読む手を止めさせない。

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絶賛188
好評470
普通1,017
不評226
酷評47

TOTAL 1,948 reviews

90学生街の殺人

学生街の殺人

1987年刊行

2,180pt

TOTAL SCORE

活気を失いつつある学生街のビリヤード場を舞台に、大学卒業後もモラトリアムに身を置く主人公・光平が、バイト仲間の不審な死をきっかけに謎を追い始める。やがて恋人もエレベーターの密室で犠牲になり、事件は予想外の方向へと展開していく。「火曜日の謎」「ちりばめられた伏線」「真相の奥の真相」と、読者レビューが絶賛する綿密な構成が光る一作。最終章で点と点が一本の線となり怒涛の収束を迎える様子は圧巻のひとこと。デビュー間もない時期に書かれた青春ミステリながら、AIや自動翻訳といった先見的なテーマも盛り込まれており、切なさと知的興奮が同居する傑作。

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絶賛160
好評467
普通969
不評175
酷評53

TOTAL 1,824 reviews

91おれは非情勤

おれは非情勤

2003年刊行

2,171pt

TOTAL SCORE

ミステリー作家を目指す「おれ」は、執筆時間を確保するため小学校の非常勤講師として働いている。赴任先の学校では盗難、脅迫、毒殺未遂、そして教師が犠牲になる事件まで、次々と怪事件が巻き起こる。無愛想でドライ、仕事に意欲もなさそうなのに、気づけば事件の核心へと迫っていく主人公の姿が絶妙に面白い。タイトルが「非常勤」ではなく「非情勤」である理由は、読めば思わずニンマリできる。子供たちへ向けた説教じみていない言葉の数々が、大人の心にも深く刺さる異色のミステリー短編集。子供向けに生まれた作品ながら、大人が読んでも十分楽しめる一冊。

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絶賛170
好評405
普通1,048
不評200
酷評37

TOTAL 1,860 reviews

92あの頃ぼくらはアホでした

あの頃ぼくらはアホでした

1995年刊行

2,073pt

TOTAL SCORE

緻密なミステリーを生み出す作家の、意外すぎる素顔が明かされるエッセイ。無法地帯と化した中学の荒れたクラスで学級委員を務めるはめになった恐怖の日々、怪獣に夢中だった無邪気な少年時代、そして奇想天外な大学生活まで、笑いとばしたいあの頃の青春が赤裸々に綴られる。「たしかにあんたアホだわ」と言いたくなるエピソードの数々は、関西弁の掛け合いでまるで漫才のよう。読書嫌いだった少年が、やがて時代を代表する作家へと成長する原点も垣間見える、抱腹絶倒の自伝的青春記。

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絶賛246
好評375
普通1,002
不評226
酷評81

TOTAL 1,930 reviews

93美しき凶器

美しき凶器

1997年刊行

2,015pt

TOTAL SCORE

世界的な舞台で輝いた、男女4人の元アスリートたち。しかし彼らは栄光の裏に、決して表に出せない秘密を抱えていた。その秘密を知る唯一の人物を手にかけた夜から、恐怖の逃走劇が幕を開ける。追ってくるのは、身長190センチを超える超人的な肉体を持つ謎の女。まるで毒蜘蛛のように、一人また一人と標的へ迫りくるその姿は、女性版ターミネーターとも評されるほどの圧倒的な存在感を放つ。犯人も動機も明かされた状態で進む異色のサスペンスでありながら、手に汗握る追跡劇は読む手を止めさせない。しかしこの作品の真の恐ろしさは、終盤に明かされる闇の深さにある。そして怪物と呼ばれた彼女が最後に発する一言が、切なく胸に刺さる。

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絶賛206
好評540
普通1,172
不評316
酷評89

TOTAL 2,323 reviews

94回廊亭の殺人(改題: 回廊亭殺人事件)

回廊亭の殺人(改題: 回廊亭殺人事件)

1991年刊行

1,977pt

TOTAL SCORE

いわくつきの旅館、回廊亭。半年前に心中事件と火災が起きたこの場所に、莫大な遺産を巡る一族が集結する。そこに紛れ込んだ一人の老婆には、相続とは無縁の、ある執念に満ちた目的があった。愛する人を奪った真犯人を自らの手で葬ること。情念と執念が渦巻くクローズドサークルで、新たな犠牲者が出たとき、物語は一気に加速する。読者であり傍観者でいるはずが、復讐者の憤怒の炎に焼かれそうになる濃密な語り口が特徴。叙述トリックと変装というギラギラした仕掛けが絡み合い、最終章で衝撃の事実が明かされる。初期東野作品ならではの「読者を騙してやろう」という熱量が存分に感じられる一作。

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絶賛121
好評421
普通1,053
不評194
酷評46

TOTAL 1,835 reviews

95怪しい人びと

怪しい人びと

1994年刊行

1,814pt

TOTAL SCORE

登場人物全員が怪しい、ビターな後味の短編集。友人に部屋を貸した翌朝、見知らぬ女がベッドで眠っていた話や、密室状態の休憩室で係長が命を落とす謎、新婚旅行先で妻への疑惑が膨らむ男の話など、全7編が収録されています。善良に見える人々が、ふとした瞬間に抱える暗い一面をのぞかせる構成が特徴的で、どの話にも巧みなひねりが仕込まれています。読者からは、一歩間違えればホラーやイヤミスになりかねない絶妙な加減が評価されており、短編ならではのキレを感じる佳作との声も多数。サクサクと読み進められる一方で、読後にじわりと残る余韻が印象的な作品集です。

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絶賛108
好評352
普通1,124
不評216
酷評40

TOTAL 1,840 reviews

96名探偵の掟

名探偵の掟

1996年刊行

1,741pt

TOTAL SCORE

完全密室、時刻表トリック、童謡にちなんだ連続事件。本格推理小説が誇る王道パターンを、名探偵・天下一大五郎と大河原警部が解決していく12の短編が収録されています。しかしこの作品の真骨頂は、謎解きそのものではありません。登場人物たちが時に小説の世界を飛び出し、ミステリーのお約束を痛烈に皮肉るメタ視点のユーモアこそが最大の読みどころです。密室トリックへの本音、ダイイングメッセージへの疑問、刑事の立ち位置の矛盾など、ミステリーファンなら思わず膝を打つ指摘が続きます。表向きはコメディタッチながら、最後まで真っ黒な作品と評されるほど、随所に鋭い批評精神が宿っています。そしてラストには、お約束を散々茶化してきた物語が、読者を見事に裏切る展開が待ち受けています。

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絶賛535
好評951
普通2,247
不評937
酷評419

TOTAL 5,089 reviews

97浪花少年探偵団2(改題: しのぶセンセにサヨナラ)

浪花少年探偵団2(改題: しのぶセンセにサヨナラ)

1993年刊行

1,650pt

TOTAL SCORE

子供の不幸は見逃せんタチや、という信念を持つ小学校教師、竹内しのぶ。内地留学中という異色の設定ながら、かつての教え子たちが中学生になっても慕い続ける姿が温かい。誘拐事件、偽札騒動、密室での不審な死亡事故と、行くところ必ず事件が起きる強運ぶりは健在で、パンチの効いた破壊力のある推理と説教が小気味よい。全編関西弁で繰り広げられるコテコテのやり取りはコントかと思うほど笑えるほか、子供が両親の仲を修復しようと企てた切ない誘拐事件など、ホロリとさせられる場面も。恋の駆け引きにも決着を見せないまま幕を引くシリーズ完結作であり、作者自身がこの世界に留まっていられなくなったと語る、惜しまれながらのサヨナラ。

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絶賛94
好評167
普通261
不評37
酷評10

TOTAL 569 reviews

98名探偵の呪縛

名探偵の呪縛

1996年刊行

1,604pt

TOTAL SCORE

図書館を訪れた推理作家の私が、気づけば見知らぬ街で名探偵として迎えられている。その街には密室や完全なアリバイといった本格推理の概念が存在せず、歴史すら持たない奇妙な空間だった。そこへ次々と不可思議な事件が持ち込まれ、私は否応なく謎解きに挑むことになる。本格推理への愛情と決別、そして郷愁が入り混じるメタミステリの異色作。ある読者は「僕も既に呪いにかかってるようだ」と語り、別の読者は作者自身の作風転換への意思表示と受け取った。本格推理というジャンルへの深い考察と自問自答が、異世界という舞台を通じて描かれる、読後に独特の余韻を残す一作。

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絶賛170
好評411
普通1,100
不評329
酷評84

TOTAL 2,094 reviews

99小さな故意の物語

小さな故意の物語

2026年刊行

1,547pt

TOTAL SCORE

愛情と孤独が交差する三つの物語が、コンパクトな一冊に詰め込まれた短編集。後に加賀恭一郎シリーズで知られる若き刑事が活躍する「冷たい灼熱」、コッテコテの大阪弁で駆け回る小学校教師しのぶが事件の真相に迫る「しのぶセンセの推理」、そしてデビュー直後に執筆された表題作では、親友を失った青年が自らの手で真実を追い求める。どの作品も悲しみの上に立つ罪を描き、読み終えた後には切なさが静かに残る。短編でありながら、それぞれにもうひと展開用意された構成は、まさに東野圭吾の原点を感じさせる。

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絶賛68
好評147
普通173
不評16
酷評6

TOTAL 410 reviews

100たぶん最後の御挨拶

たぶん最後の御挨拶

2007年刊行

1,270pt

TOTAL SCORE

文学賞落選15回、ブレイクまで10年、直木賞受賞まで実に20年。超人気作家の知られざる雌伏の時代を、本人が赤裸々に振り返るエッセイ集。年譜から自作解説、映画化の裏話、日常のあれこれまで、話題は多岐にわたる。「自分のエッセイ集を眺めて、こんなものを読んで楽しいのか、と思った」と語り、これを最後のエッセイと明言しているだけに、作家としての内面が珍しいほど率直に綴られた一冊。読者レビューには「この人の大衆性は優しさからくる」という言葉もあり、苦境をユーモアで笑い飛ばす人柄が随所に光る。押し続ければ壁はいつか動くと信じ続けた20年の軌跡。

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絶賛75
好評117
普通219
不評31
酷評19

TOTAL 461 reviews

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