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DATA-DRIVEN NOVEL RANKING

千早 茜

北海道江別市出身の小説家。父の仕事の関係で小学校時代をアフリカのザンビアで過ごし、帰国後は古典文学に傾倒するなど独自の感性を育む。

40,153件のインターネット上の評価データを分析した、おすすめ小説ランキング

掲載作品数
36作品
総レビュー数
40,153件
高評価率
65%
★4以上の割合
最多レビュー作品
透明な夜の香り
6,666件
最も高評価率の作品
透明な夜の香り
80%(6,666件)
最も賛否が分かれた作品
ガーデン
低評価・高評価ともに12%以上

データから見える特徴

上位には2010年代後半から2020年代にかけての作品が集中しており、近年作ほど高い評価を得る傾向が目立ちます。一方で、レビュー数が中央値を大きく下回る作品も多く、知名度と満足度の分布には幅があります。全体として高評価率は過半数を超えているものの、作品によって評価の開き方はかなり異なります。

  • 調香師シリーズ2作がレビュー数・高評価率ともに上位を占める
  • 「ガーデン」など一部作品は高評価と低評価が同時に目立ち、賛否が割れる傾向
  • 食エッセイシリーズは複数作がランクインしているが、高評価率は小説群より控えめ

ながら聴きでもご視聴いただけます

ランキング

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1透明な夜の香り

透明な夜の香り

2020年刊行

10,424pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

香りや情景描写を味わいながら、静かで繊細な物語を楽しみたい読者向け

読者の声を分析

支持されている点

  • 文章から香りや色彩が伝わる繊細な描写力
  • 魅力的なキャラクターと静かな世界観への没入感
  • ハーブや食事の描写が五感を心地よく刺激する

賛否が分かれる点

  • ミステリー色を期待すると物足りないという声がある
  • 静かで淡々とした文体が合わない読者もいる

内容紹介

古い洋館に暮らす調香師・小川朔は、どんな香りでも作り出せる天才だ。しかし彼の真の特異性は、人の汗や呼気から感情、健康状態、さらには嘘までをも嗅ぎ分けてしまう、人並み外れた嗅覚にある。そんな朔のもとに家事手伝いとして雇われた元書店員の一香は、風変わりな依頼人たちが次々と訪れるサロンの日常に溶け込みながら、朔が天才であるがゆえに深い孤独を抱えていることに気づき始める。読者からは、「頁から香りが立ち上ってくる意味がわかる」という声が相次ぐ本作。朔の声を「紺色の声」と表現するなど、嗅覚だけでなく色彩や音まで全感覚を揺さぶる描写が随所に光る。香りは脳の海馬に直接届いて永遠に記憶されるという言葉が示すとおり、一香が蓋をしてきた過去もまた、ある香りとともに少しずつほぐれていく。執着と愛着の違い、そして孤独の意味を問いかけながら、物語は静謐でありながら鮮烈な読後感へと着地する。

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絶賛2,916
好評2,477
普通1,082
不評148
酷評43

TOTAL 6,666 reviews

2しろがねの葉

しろがねの葉

2022年刊行

6,438pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

命や生き様を描いた骨太な歴史小説を求める読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 五感に訴える緻密な情景描写が高評価
  • 逆境を生き抜く主人公の強さへの共感
  • 石見銀山の過酷な労働環境が真に迫る

賛否が分かれる点

  • 前半に比べ後半の展開が失速との声
  • 内容の重さで読み進めにくいという意見も

内容紹介

戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。親を失い、天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、坑道の闇に恐れと憧れを抱きながら、女だてらに間歩で働き始める。しかし成長とともに、女であることがウメの行く手を阻み始める。「血肉の匂いがしそうな迫力」と読者が表現するほどに、命を削りながら銀を掘る男たちと、その命が尽きるまで支え続ける女たちの生き様が、圧倒的な筆致で描かれる。平均寿命三十歳という過酷な現実の中、愛する者との別れを繰り返しながらも、ウメは運命に抗い続ける。「足掻きましょう、無為に思えても。どこにも逃げられはしないんです」という言葉が、物語全体に通底するウメの強靭な精神を象徴する。銀のように冷たく美しい光を放ちながら、生きることの苦悩と官能を描き切った大河長編。直木賞受賞という評価に十分すぎるほど応える、渾身の一作。

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絶賛1,162
好評1,161
普通540
不評101
酷評28

TOTAL 2,992 reviews

3赤い月の香り

赤い月の香り

2023年刊行

6,068pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

香りや自然の描写を好む読者、前作『透明な夜の香り』のファンに向く作品。

読者の声を分析

支持されている点

  • 香りや植物の描写が五感に訴えると高く評価されている
  • 前作キャラクターの再登場が好意的に受け止められている
  • トラウマと赦しを描く後半の展開が評価されている

賛否が分かれる点

  • 前作と比べ主人公への感情移入がしづらいという声がある
  • 前作既読を前提とした構成に戸惑う意見が見られる

内容紹介

天才調香師・小川朔が暮らす古い洋館。人並外れた嗅覚を持つ彼は、依頼人が心の奥底に秘めた欲望を、ただひとつの香りへと変える仕事をしている。そこへ新たに雇われたのは、カフェでアルバイトをしていた青年、朝倉満。怒りを抱え、過去のトラウマを引きずる彼が朔に放たれた言葉は、「君からはいつも強い怒りの匂いがした」という一言だった。前作から続く朔の孤高な佇まいはそのままに、今作では前作よりもダークで人間臭いドラマが展開される。いじめ、暴力、家族との断絶、そして赦し。香りにまつわる執着を持った依頼人たちとの対話が積み重なるにつれ、満の封じ込めた記憶と、朔が彼をそこへ招いた本当の理由が、じわりと浮かび上がってくる。「赤い月」というタイトルに込められた意味もまた、ラストで静かな衝撃をもたらす。「香りは、一瞬で時を超える」。植物と季節の描写が五感に染み込んでくる、深みと余韻に満ちた長編小説。

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絶賛937
好評1,162
普通663
不評47
酷評15

TOTAL 2,824 reviews

4男ともだち

男ともだち

2014年刊行

4,966pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

男女の友情や恋愛の曖昧な境界線に関心がある20〜30代の読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 男女の友情という関係性のリアルな描写が支持されている
  • 主人公の心理描写の鋭さや文体の雰囲気が評価されている
  • 自分の過去や経験と重ね合わせやすいと好意的な声が多い

賛否が分かれる点

  • 登場人物の不倫・奔放な性関係に共感しづらいという声がある
  • 「男ともだち」という関係の現実味に賛否が分かれる傾向がある

内容紹介

29歳のイラストレーター、神名葵。冷めかけた恋人と同棲しながら、妻子ある医師との逢瀬を重ねる。仕事は軌道に乗りはじめたが、本当に描きたかったものが見えなくなっていた。そんな停滞した日々に届いたのは、7年ぶりに連絡をよこした大学時代の先輩、ハセオからの電話だった。お互いに常に恋人がいながら、決して一線を越えることのなかった二人。愛人でも恋人でもない、ただの男ともだち。それ以外に呼び名が浮かばない、曖昧で確かなつながり。直木賞候補にもなったこの物語は、読者の間で賛否を真っ二つに割った。登場人物たちの生き様を解説者は「ものの見事に屑ばかりだ」と言い切る一方、多くの読者がハセオのある言葉に心を打たれた。愛情とはなにかと問われたハセオが返した答えは、「見ててやることかな」というひと言。異性間の友情は成立するのか、男ともだちという関係はずるいのかリアルなのか、読む者それぞれの経験と価値観が、そのまま問われる物語である。

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絶賛766
好評968
普通745
不評128
酷評53

TOTAL 2,660 reviews

5神様の暇つぶし

神様の暇つぶし

2019年刊行

4,899pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

濃密な恋愛描写と文学的な文体を好む読者に向く作品という声が多い

読者の声を分析

支持されている点

  • 五感に訴える生々しい描写が高く評価されている
  • 食事シーンが印象的で生命力の表現として機能していると評価される
  • 読後に長く残る余韻と切ない感動を覚えるという声が多い

賛否が分かれる点

  • 大きな年齢差の恋愛設定に共感しにくいという意見が目立つ
  • 年上男性の魅力や吸引力が伝わりにくいと感じる読者もいる

内容紹介

親を亡くし、孤独な夏を過ごしていた二十歳の藤子の前に、血濡れた腕を引きずりながら現れたのは、父よりもさらに年上の写真家だった。妙に人懐っこいくせに、時折見せるひやりとした目つき。その男との出会いが、停滞していた藤子の時間を再び動かしていく。三十歳以上も年の離れた二人の間で芽生える感情は、周囲の目など関係なく、どんどん深みへと引き込まれていく。食欲、官能、生の欲望が渾然一体となった生々しい描写は、読者の五感を容赦なく揺さぶる。溺れて苦しくてどうしようもなくなる感覚の描き方が圧倒的と評されるように、恋に落ちるとはこういうことか、と息をのむ場面が続く。表紙に描かれた二つの林檎が示す禁断の果実のごとく、手にしてはならないと知りながらも抗えない関係が、鮮烈に刻まれていく。全体的に静かなのに鮮明で激しい、独特の余韻が長く尾を引く恋愛小説。あのひとを知らなかった日々には、もう戻れない。

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絶賛714
好評959
普通710
不評124
酷評37

TOTAL 2,544 reviews

6さんかく

さんかく

2019年刊行

4,514pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

恋愛小説は重いと感じる人や、食と暮らしの描写を楽しみたい読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 食べ物の描写が五感に訴えると評価が多い
  • ドロドロしない軽やかな関係性が読みやすいとの声
  • 季節や生活感の繊細な描写が支持されている

賛否が分かれる点

  • 男性主人公の優柔不断さに共感しにくいとの意見も
  • 結末への賛否が一定数見られる

内容紹介

恋はもういらないと割り切るデザイナーの夕香、研究一筋で恋人にもなかなか会えない大学院生の華、そしてその二人の間をふらふらと揺れる営業職の正和。舞台は古い木造の京町家、季節の移ろいとともに描かれる、三角関係とも呼べない微妙な三角形の人間模様。正和は夕香と食の趣味が合うという理由だけで同居を始めるが、恋人の華にはどうしても打ち明けられない。ドロドロした修羅場を期待すると少し肩透かしを食らうかもしれない。あくまで揺れ動くのは感情の機微であり、その繊細さこそがこの作品の核心だ。読者からは「触ったら割れてしまうようなあやうい関係性」という声もあがるほど。各章には塩むすびや鰯の梅煮など料理名がタイトルとして付けられ、食の描写がひたすら美味しそうで、思わずお腹が鳴る。そして研究者の華が動物を解剖する生々しい場面と、温かい手料理との対比が独特のリズムを生む。相手を想って作ったごはんは薬になる、そんな言葉がしみじみと胸に刺さる一冊。

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絶賛477
好評1,027
普通612
不評77
酷評15

TOTAL 2,208 reviews

7西洋菓子店プティ・フール

西洋菓子店プティ・フール

2016年刊行

4,053pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

恋愛や仕事のほろ苦さを繊細な筆致で味わいたい大人の読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 洋菓子の描写が緻密で食欲をそそると好評
  • 視点を変えた連作構成が人物の多面性を際立たせると評価されている
  • 職人である祖父の存在感と言葉の重みを称える声が多い

賛否が分かれる点

  • 主人公の内向きな人物像に共感しにくいという意見がある
  • 甘い印象のタイトルと苦味ある内容のギャップを感じる読者もいる

内容紹介

下町の商店街に佇む創業四十年を超える西洋菓子店「プティ・フール」。フランスで修業を積んだパティシエールの亜樹は、頑固な菓子職人の祖父のもとで腕を磨きながら、日々菓子作りに向き合っている。グロゼイユ、ヴァニーユ、カラメル、ロゼ、ショコラ、クレーム。洋菓子の名を冠した六つの短編が紡ぐのは、店を訪れる人々のそれぞれの事情と変化だ。亜樹の婚約者、後輩、常連客、そして女ともだち。全員が誰かへの届かない思いを抱えながら交差する、いわば「全員片思い」の連作短編集である。甘やかで美しいスイーツの描写に誘われながら読み進めると、そこに潜むのは人間の欲望や秘密、ほろ苦い感情の機微だ。「女を昂奮させない菓子は菓子じゃない」と言い放つじいちゃんの言葉が静かに物語の軸を貫き、菓子作りと人間関係の奥深さを重ね合わせていく。甘いだけの物語と思うなかれ。

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絶賛414
好評856
普通682
不評87
酷評20

TOTAL 2,059 reviews

8マリエ

マリエ

2023年刊行

3,716pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

結婚・恋愛・離婚について自分なりの答えを探している読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 香りや料理の描写が感覚的でリアルと評価される
  • 結婚・離婚・恋愛への問いかけに共感する声が多い
  • 三語で構成される章題の洒落た構成が好評

賛否が分かれる点

  • 主人公の行動や選択に共感しにくいという意見もある
  • 主人公の恵まれた境遇が非現実的に感じられるとの指摘がある

内容紹介

40歳を目前に、夫から「恋愛がしたい」という理由で離婚を切り出された桐原まりえ。2年近い話し合いの末に7年半の結婚生活に終止符を打った彼女が、離婚届を出した朝に感じたのは、寂しさではなく清々しさだった。ひとり暮らしの日々は思いのほか快適で、自らを慈しむ生活がまりえを静かに変えていく。そんな中、行きつけのフレグランスショップで「マリエ」という名の香水と出会い、7歳年下の由井くんとの距離が縮まっていく。さらにひょんなきっかけから結婚相談所に登録したまりえは、そこで見聞きする切実な現実と結婚観に次々と向き合うことになる。「自分が人生に求める幸せとは何なのか」という問いを抱えながら揺れ続けるまりえの姿は、「心の奥、深いところに鋭く刺さる」と読者の共感を集めた。恋愛と結婚は別物なのか、幸せは誰が決めるのか。三つの言葉で綴られた9章の扉が洒落た、大人の女性の幸福をめぐる長篇だ。

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絶賛341
好評770
普通554
不評68
酷評24

TOTAL 1,757 reviews

9クローゼット

クローゼット

2018年刊行

3,133pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

服や歴史が好きで、心の傷と再生を描いた静かな物語を好む読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 服飾史の描写が丁寧で知識欲を刺激すると評価が高い
  • 二人のトラウマが交差し癒されていく過程が感動的という声が多い
  • 美術館を舞台にした静謐な文章の美しさが支持されている

賛否が分かれる点

  • 服飾専門用語が多く馴染みのない読者には難しいとの声がある
  • 終盤の展開がやや駆け足でラストがあっさりという意見が複数ある

内容紹介

18世紀のコルセットやアンティークレース、バレンシアガのコートにディオールのドレスまで、約一万点の衣装が眠る服飾美術館。その静謐な空間で、洋服の補修士として働く纏子は、幼い頃のある出来事が原因で、男性恐怖症を抱えたまま大人になった。一方、デパートの婦人服売り場のカフェで働く芳は、男性でありながら女性服を愛するがゆえに、深く傷ついた過去を持つ。ある展示会を機に出会った二人だが、その繋がりはずっと遠い記憶の中にも潜んでいた。「クローゼット」という閉じられた空間は、二人にとって秘密の隠れ家であり、自由になれる場所だった。しかしクローゼットから一歩踏み出すとき、ガラスの靴は粉々になる。洋服の傷みを当時の姿へと丁寧に戻す補修士の仕事が、心の傷みにもそっと寄り添うように、物語は静かに、しかし確かに二人を前へと押し出していく。服の歴史と人の痛みが交差する、繊細で美しいお仕事小説。

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絶賛281
好評446
普通355
不評51
酷評13

TOTAL 1,146 reviews

10わるい食べもの

わるい食べもの

2018年刊行

3,095pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

食エッセイ好きや、著者の小説ファンで素の人柄を知りたい読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 食を通じて著者の人柄や価値観が伝わると好評
  • 食と生きることが結びついた独自の視点が評価されている
  • 読みやすく一気に読めるテンポの良さが支持されている

賛否が分かれる点

  • タイトルから想像する内容と異なるという声がある

内容紹介

小説すばる新人賞と泉鏡花文学賞をデビュー作でダブル受賞した作家による、初のエッセイ集。小学生時代の大半をアフリカで過ごすという異色の経歴を持つ著者が、「食」をテーマに幼少期の記憶から創作の裏側、世の中への疑問まで多彩につづります。アフリカの海岸で体験した衝撃的なウニの記憶、表参道のおしゃれカフェで体にいいメニューを選んだら鳥の餌のようなプレートが出てきた話など、「気高き毒気が冴えわたる」エピソードが並びます。食エッセイといえば美食や旅の記憶を綴るイメージですが、読者からは「食べるという行為と生きることが不可分であることを感じさせる」という声も上がっています。「ユーモラスな毒と愛を持って綴られた食べ物たちは、驚くほど魅惑的だ」という作家・島本理生氏の言葉通り、日常の食事をまったく別の一口に変えてしまうような筆力が光ります。「いい食べもの」情報があふれる世の中への痛烈な問いかけでもある本作は、食の奥深さを通じて生き方そのものを見つめ直す一冊です。

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絶賛291
好評343
普通205
不評33
酷評14

TOTAL 886 reviews

11ひきなみ

ひきなみ

2021年刊行

3,012pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

女性同士の友情や性差・閉鎖的コミュニティの息苦しさに関心がある読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 瀬戸内の島を活かした情景描写の美しさが評価されている
  • 少女期から大人へと描く繊細な心理描写への共感が多い
  • 二人の絆と女性の生きづらさを重ねた構成が支持されている

賛否が分かれる点

  • ハラスメント加害者の描写が類型的で説得力に欠けるという声がある
  • 第二部の展開に比べ加害者の結末が不十分との意見がある

内容紹介

瀬戸内の小さな島で出会った、二人の少女。家庭の事情で祖父母のもとへ預けられた葉と、孤独を抱えながら生きる真以は、やがて深く心を通わせていく。しかし、島に潜伏していた男と共に真以が姿を消したことで、葉は深い喪失感を胸に抱えたまま東京へと戻る。二十年後、大手企業で働く葉は、上司からの執拗なハラスメントに身も心も追い詰められていた。そんな折、ネット上で真以に似た人物を発見した葉は、居ても立ってもいられず会いに行くことを決意する。魂はつながる、という書店員の言葉通り、二人が背負ってきた傷と葛藤は現代にも深く響く。諦めていい、逃げてもいい。いつかきっと、闘える日が来るから。女性として生きることの理不尽さと、それでも前へ進もうとする二人の姿を描いた、切実で力強い物語。

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絶賛220
好評472
普通312
不評37
酷評7

TOTAL 1,048 reviews

12からまる

からまる

2011年刊行

2,966pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

人間関係の距離感や孤独に共感しやすい、静かな文章を好む読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 登場人物が互いに連鎖する連作構成が評価されている
  • 繊細かつ透明感ある心理描写が支持されている
  • 重い内容ながら前向きな読後感があるという声が多い

賛否が分かれる点

  • ねっとりした湿度感が好みを分けるという声がある

内容紹介

生きる目的を見出せない地方公務員の男、不慮の妊娠に悩む女子短大生、クラスで孤立する少年など、それぞれの苦悩を抱えた7人の男女が主役を務める連作短編集です。かたつむり、くらげ、ひとでなど、各話に登場する生き物が、登場人物たちの姿と巧みに重ね合わされていきます。視点が切り替わるたびに人物の輪郭が深まり、一見無関係に見えた人々が思いがけない形で繋がっていく構成は、まさしく蔦が絡まるような鮮やかさです。心理描写は繊細で美しく、登場人物たちの溜め息の音まで聞こえてきそうな筆致が魅力です。一人でねじれて絡まって動けなくなるより、誰かと絡まり合うことの大切さを静かに問いかける、泉鏡花賞作家のデビュー初期を代表する作品です。

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絶賛263
好評350
普通223
不評30
酷評16

TOTAL 882 reviews

13燻る骨の香り

燻る骨の香り

2026年刊行

2,889pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

香りや京都の伝統文化に関心があり、静かで重厚な雰囲気の人間ドラマを好む読者向け

読者の声を分析

支持されている点

  • 香りの感覚描写が読者の五感に直接訴えるという声が多い
  • 前日譚として主人公の過去を補完しシリーズ全体の奥行きが増すと評価されている
  • ミステリー仕立ての人間模様と重厚な雰囲気が読み応えにつながるという評価が多い

賛否が分かれる点

  • 前2作と比べ主人公の印象が異なり物足りなさを感じる声がある
  • シリーズ既読者向けの作風で単独では没入しにくいという意見もある

内容紹介

江戸時代から続く京都の香老舗・瑞雲堂。飛びぬけた才能を持つ妹の荼毘の場に、あるはずのない最高級の沈香・伽羅の薫りが満ちた。その謎を追うように、伽羅の骨を探す男と、生前の約束を果たしに来た調香師が姉の前に現れる。香りは言葉よりも傲慢だ、理性で拒む間も無く、身体の最深部を領土としてしまう。超人的な嗅覚で嘘までをも嗅ぎ分ける若き調香師が暴いていくのは、老舗一族に深く染みついた愛憎と執着の正体。静かなのにずっと不穏、違和感が積み重なっていくダークな緊張感の中、物語は予想外の結末へと向かう。香りのサロンを開く前の調香師・小川朔を描いた前日譚にして、人気シリーズの完結編。

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絶賛230
好評252
普通151
不評13
酷評2

TOTAL 648 reviews

14あとかた

あとかた

2013年刊行

2,733pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

孤独や満たされなさを抱えた大人の恋愛を静かな文体で味わいたい読者向け。

読者の声を分析

支持されている点

  • 各短編の登場人物がさりげなく連動する構成が面白いという声が多い
  • 孤独や空虚さを抱えた人物の内面が丁寧に描かれていると評価されている
  • 静かで滑らかな文体が読みやすく独特の世界観を持つと支持されている

賛否が分かれる点

  • 不倫や自死など重く暗い題材が続き読後感が重いという声がある
  • 前半の登場人物に共感しにくく感情移入しづらいと感じる読者もいる

内容紹介

結婚を控えた女性の密かな逸脱、孤独を抱えた男の転落、傷だらけの女友達との奇妙な同居、そして自らを傷つけながらも愛を求める女性。ひらがな三文字で名付けられた六つの短編が、ひとりの男の死を軸に静かに絡み合う連作小説。「きれいに洗っても、まだ、残っているもの。」登場人物たちは皆、変化を恐れ、傷つくことを恐れ、それでもどこかで誰かを必要としながらもがき続ける。孤独の渦に巻き込まれながらも、痛みの奥底にほのかな温もりが宿る、島清恋愛文学賞受賞作。

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絶賛214
好評408
普通305
不評48
酷評17

TOTAL 992 reviews

15魚神

魚神

2009年刊行

2,672pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

耽美・幻想文学や、閉塞した環境に生きる人物の情念を好む読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 幻想的な遊郭島を包む暗く妖しい世界観への没入感
  • 感覚に訴える色・香り・水の繊細な文章表現
  • 惹かれ合いながら互いを恐れる姉弟の関係性の描き方

賛否が分かれる点

  • 輪郭のぼやけた幻想描写が好みを大きく分ける
  • 主人公の内面や意図が掴みにくいという声もある

内容紹介

遊女屋が軒を連ねる、外界から閉ざされた孤島。そこでは、島の祠に棲む獏が夢を食らうため、島民は誰ひとり夢を見ない。そんな澱んだ世界に生きるのが、捨て子の美貌の姉弟、白亜とスケキヨだ。互いだけを心の拠りどころに育った二人だが、やがて遊女と男娼として離れ離れに売られてしまう。惹かれ合いながらも、拒絶を恐れて近づけない。ぬるりとした闇と妖しい香りが漂う幻想世界の中で、二人の魂は互いの尾を追う魚のように彷徨い続ける。島に古くから伝わる雷魚伝説が、やがて二人の運命と静かに交錯していく。著者のデビュー作にして、小説すばる新人賞と泉鏡花文学賞をダブル受賞した傑作幻想小説。

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絶賛247
好評372
普通293
不評78
酷評18

TOTAL 1,008 reviews

16胃が合うふたり

胃が合うふたり

2021年刊行

2,180pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

食と人間関係の両方を楽しみたい大人の読者、特に女性の友情に共感しやすい人に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 食よりも二人の関係性・距離感が印象深いという声が多い
  • 同じ体験を二視点で読める往復形式が面白いと評価されている
  • 食の描写が美味しそうで登場店舗に行きたくなるという反応が多い

賛否が分かれる点

  • 食へのこだわりが薄い読者には刺さりにくいという意見もある

内容紹介

茶をこよなく愛する記録魔の作家と、季節を問わずかき氷を食べ続けるストリッパーの元書店員。正反対に見えるふたりが「胃が合う」という一点で結びついた、美味追求の往復エッセイです。銀座でパフェを何軒もはしごし、京都で生湯葉かけご飯に向き合い、神保町で上海蟹を堪能する。食への執着と底なしの胃袋を持つふたりが、同じ食卓を囲みながらそれぞれ全く異なる景色を描き出します。食の話にとどまらず、コロナ禍の日々や人生の岐路、つかず離れずの絶妙な距離感も綴られ、「胃袋のソウルメイト」と呼ぶにふさわしい深い友情が浮かび上がります。グルメエッセイの皮をまとった、大人の友情論としても読み応え十分の一冊です。

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絶賛134
好評192
普通157
不評12
酷評4

TOTAL 499 reviews

17正しい女たち

正しい女たち

2018年刊行

2,168pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

女性同士の関係や「正しさ」の揺らぎに関心がある読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 各短編の人物が��緩やかに繋がる構成が好評
  • 女性心理の生々しい描写が高く評価されている
  • 読みやすい文体なのに読後感に深みがあるという声が多い

賛否が分かれる点

  • 登場人物への感情移入が難しいという意見がある
  • 重く後味が暗いと感じる読者も一定数いる

内容紹介

セックス、結婚、プライド、老い。日常の片隅に置き去りにされた、誰もが気になるのに口にしにくいテーマを、六つの物語で鮮やかに切り取った短編集です。私立の中等部で出会った四人の女性たちのその後を軸に、登場人物たちが物語をまたいで密かに交差する連作構造も読みどころのひとつ。「不倫も、おそらく夫婦も、きっとすべては演技だったのだ」という言葉が象徴するように、自分の正しさを信じ突き進む女性たちの姿は、したたかでせつなく、時に恐怖さえ感じさせます。離婚が決まった途端に穏やかになる夫婦、ストーカーじみた執着を退ける女性、年齢への偏見に静かに復讐する者。正しさとは何かを突き詰めると、それはやがて凶器にもなりうる。読後には、ずんと重たい余韻とともに、自分自身の正しさを問い直さずにはいられない一冊です。

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絶賛142
好評382
普通466
不評94
酷評19

TOTAL 1,103 reviews

18犬も食わない

犬も食わない

2018年刊行

2,144pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

恋愛の甘さより日常のすれ違いやリアルさを求める読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 男女それぞれの視点を別作家が書く構成の新鮮さ
  • すれ違いや感情のリアルな言語化への共感
  • 2人の文体が違和感なく溶け合っている点

賛否が分かれる点

  • 噛み合わない2人にイライラ・疲れを感じる声も
  • 馴れ初めが描かれず関係の経緯が掴みにくいとの指摘

内容紹介

最悪な出会いから始まった、派遣秘書の福と廃棄物処理業者の大輔。脱ぎっぱなしの靴下、流しに放置された食器、言葉足らずな男と言い過ぎてしまう女。「だめな男」と「めんどくさい女」が同棲しながら喧嘩を繰り返す様子を、女性側と男性側それぞれの視点で二人の著者が交互に描いていく共作恋愛小説。他人の「いいね」からは程遠いのに、ありふれていて理解されないこの二人の関係は、厄介なくらい唯一無二。読み終えると、「なんでそんな人と付き合ってるの?」なんて二度と言えなくなる、そんな生々しくも共感必至の一冊。

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絶賛205
好評261
普通331
不評96
酷評21

TOTAL 914 reviews

19グリフィスの傷

グリフィスの傷

2024年刊行

2,094pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

身体・心の傷をテーマにした静かな物語を好む読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 傷の痛みが伝わる繊細な描写力
  • 重さと温かさが共存する短編の余韻
  • 多様な傷を描く視点の広さ

賛否が分かれる点

  • 短編のため物足りなさを感じる声も
  • 刺さらない話があるという意見も

内容紹介

「からだは傷みを忘れない、たとえ肌がなめらかさを取り戻そうとも。」いじめ、事故、誹謗中傷、不条理な暴力、そして自らが選ぶ痛み。人がその身に刻む傷の形は、数えきれないほどに多様だ。「みんな、皮膚の下に流れている赤を忘れて暮らしている」という言葉が示すように、私たちは他者の痛みにいかに無自覚でいられるか。10の短編それぞれが静かに、しかし鋭く問いかけてくる。タイトルの「グリフィスの傷」とは、ガラスに宿る無数の目に見えない微細な傷のこと。人の心もまた、見えない傷を積み重ね、ある瞬間に割れてしまう。傷とともに生き、傷痕を自分の証として受け入れていく登場人物たちの姿が、切々とした疼きとふくよかな余韻を残す短編集。

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絶賛131
好評240
普通242
不評36
酷評7

TOTAL 656 reviews

20しつこく わるい食べもの

しつこく わるい食べもの

2021年刊行

1,987pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

食エッセイや著者の小説ファン、食への独自のこだわりに興味がある読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 食への強いこだわりや偏食ぶりが面白いという声が多い
  • コロナ禍の記録として当時を思い出せると評価されている
  • 小説とは異なる素の著者像が垣間見えると好評

賛否が分かれる点

  • 食の好みや感覚への共感度は読者によって差があるという声がある

内容紹介

直木賞作家による、偏屈でめんどくさい食いしん坊の本音を綴った食エッセイ第2弾です。ハンニバル・レクター博士に憧れ、断捨離に逆らって炊飯器を擁護し、要らぬ助言には噛みつき、よく腹を下す。そんな著者の自由な日常は、否応なくコロナ禍に侵食されていきます。パフェほどエロいものはないと断言し、他人が握ったおにぎりは食べられないと告白する。食に対するこだわりと本音が、包み隠さずつづられています。読者からは驚愕と共感の声が相次ぎ、小説のイメージとはまったく異なるその素顔に、戸惑いながらも引き込まれる人が続出。あなたとわたしの欲望を肯定する、ひねくれものの力強い応援歌です。

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絶賛104
好評209
普通122
不評16
酷評4

TOTAL 455 reviews

21ガーデン

ガーデン

2017年刊行

1,776pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

人間関係に距離を感じる人や、植物・自然描写のある文学的な作品を好む読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 植物描写の濃密さと文章の美しさが高く評価されている
  • 主人公と周囲の女性たちの心理描写がリアルとの声が多い
  • 人と距離を置く主人公への共感を呼ぶという意見が多い

賛否が分かれる点

  • 結末がぼんやりしており消化不良との声がある
  • 主人公の言動に共感しにくい・好みが分かれるという意見がある

内容紹介

「放っておいて欲しい。それが僕が他人に求める唯一のこと。」幼少期を発展途上国で過ごし、広大な庭だけが世界だった帰国子女の編集者・羽野。現在も緑に埋め尽くされた部屋で植物と暮らす彼は、女性にはもてはやされながらも、誰とも深い関係を築こうとしない。「植物になら、惜しみなく与えられるのに。」という言葉が、彼の本質を鋭く言い当てる。侵食するような濃密な植物描写と、それぞれに異なる顔を持つ女性たちとの交錯の中で、「異端者は幸せになれるのか、幸せにできるのか」という問いが静かに積み重なる。爽快感のない淡々とした筆致でありながら、読む手が止まらない、著者会心の感動作。

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絶賛130
好評259
普通384
不評94
酷評21

TOTAL 888 reviews

22おとぎのかけら 新釈西洋童話集

おとぎのかけら 新釈西洋童話集

2010年刊行

1,609pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

人間の内面の醜さや残酷さを描いた重厚な短編を好む大人の読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 童話の暗さ・残酷さを現代日本に置き換えた世界観が評価されている
  • 原典との対応を読み解く謎解きの楽しさが支持されている
  • 暗くても引き込まれる文章の力と独特の雰囲気が高く評価されている

賛否が分かれる点

  • 救いのない結末が多く、ダークな読み心地が合わない声もある
  • 元ネタとの結びつきが薄いと感じる話がある

内容紹介

誰もが幼い頃に親しんだ西洋童話が、現代日本を舞台に、美しくも恐ろしい物語として生まれ変わる。ヘンゼルとグレーテル、白雪姫、シンデレラなど7つの童話をモチーフに、嫉妬、憎しみ、歪んだ愛情といった人間の奥底に潜む感情が、息を呑むようなリアルさで描かれる。元の物語とのリンクは「言われてみればなるほどね」という程度でありながら、読むほどにその本質が鋭く浮かび上がる。必ずしもハッピーエンドが待っているわけではない7編は、どろりとした余韻を残しつつも、光の差すような結末を持つ作品も収録され、読後の感触は一様ではない。泉鏡花文学賞受賞後の第一作にして、著者の耽美な世界観が凝縮された短編集。

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絶賛98
好評239
普通322
不評73
酷評20

TOTAL 752 reviews

23雷と走る

雷と走る

2024年刊行

1,577pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

犬や動物を飼った経験があり、命の責任や愛の意味を深く考えたい読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 異国での生活描写が鮮烈でリアルという声が多い
  • 人と犬の関係性・責任を深く問う内容が評価されている
  • 静かながら感情に響く文体が支持されている

賛否が分かれる点

  • 現在パートの主人公や恋人関係に共感しにくいという意見がある
  • 130ページ程度の短さで物足りなさを感じる読者もいる

内容紹介

直木賞作家のデビュー作ではなく、受賞後に放つ渾身の一作です。治安の悪いアフリカの地で、幼い少女まどかが出会ったのは、雷のような逆毛を背負う番犬、虎。首輪もなく広大な庭を駆け抜ける、その野性的な美しさ。まどかと虎は、守り守られながら、魂の伴侶とも呼べる絆を結んでいきます。しかし帰国の際、野生の本能を宿す虎を日本へ連れ帰ることはできなかった。ずっと愛がわからない。示し方も、受け取り方も、わからない。わからないのに、あれこそが愛だったと確信している。虎は、私が所有した唯一の愛だった。過去と現在が静かに交差しながら、命と愛の責任を問いかける物語です。

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絶賛81
好評192
普通294
不評56
酷評7

TOTAL 630 reviews

24眠れない夜のために

眠れない夜のために

2024年刊行

1,521pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

眠れない夜に静かで幻想的な読書体験を求める大人の読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 夜の静けさを繊細に描く美しい文体が高く評価されている
  • 西淑による挿絵との世界観の調和が多くの支持を集めている
  • 1話10ページ前後の短さが就寝前の読書に向くと好評

賛否が分かれる点

  • 起承転結が薄く詩に近い読み心地で内容が掴みづらいという声がある
  • 長編を期待するファンには物足りないという意見も見られる

内容紹介

「眠れない夜は、クッキー缶を開ける」「眠れない夜は、ばけものになる」。そんな書き出しで始まる十の夜の物語が収められた短編集。深夜の台所でひとり佇む時間、雨音に混じって他者の心が聞こえてしまう青年、刺繡を生業とする者の暮らしに現れた旅人。孤独と静寂の中に、ほのかな温もりや不思議な恐ろしさが同居する。数ページで完結するショートショートに近い構成ながら、「夜の静かな孤独が描かれているのに心が落ち着く」と読者に言わしめるほどの余韻がある。人気イラストレーターによる黒と青を基調とした挿絵が物語の空気をさらに深め、まるで大人の絵本のような質感を生み出している。直木賞作家が織りなす夜の世界は、眠れない不安をそっと包み込み、孤独を抱えるのは自分だけではないと静かに語りかけてくる。

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絶賛103
好評213
普通300
不評76
酷評22

TOTAL 714 reviews

25あやかし草子 みやこのおはなし

あやかし草子 みやこのおはなし

2011年刊行

1,496pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

幻想的な和の世界観や切ない余韻を好む読者に向く短編集。

読者の声を分析

支持されている点

  • あやかしと人間の対比が切なく美しいと評価されている
  • 情景描写が鮮やかで独特の世界観が高く支持されている
  • 怖さよりも哀愁と温かみのある読後感が好まれている

賛否が分かれる点

  • 一部の話は難解・意味が取りづらいという声もある

内容紹介

古い都の南、朽ちた楼門の袂で笛を吹く男の前に、鬼が現れるところから物語は幕を開ける。鬼、ムジナ、天狗、龍、幽霊、座敷童子といったあやかしたちと人間との交流を描いた六編の短編集。泉鏡花賞受賞作家がデビュー作を彷彿とさせる繊細な筆致で紡ぐ、民話や伝承を下敷きにした大人のためのお伽噺だ。純粋で自らのルールに忠実なあやかしたちの目を通すと、欲深く、感情を剥き出しにする人間の滑稽さが浮き彫りになる。しかし時に人間の流す涙や、細い細い絹糸のような情がほだされたあやかしの心を静かに動かしていく。怖くて切なくて、温かな余韻の残る一冊。

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絶賛64
好評107
普通74
不評8
酷評1

TOTAL 254 reviews

26眠りの庭

眠りの庭

2013年刊行

1,430pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

耽美・退廃的な読み味や、じっとりした心理描写を好む読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 湿度と色彩を感じる美しい文章表現
  • 二編が絡み合う緻密な構成への驚き
  • 底冷えするような不穏な世界観の没入感

賛否が分かれる点

  • 展開についていけず置いてけぼりになるという声も
  • 物語の解釈が曖昧で好みが分かれる傾向

内容紹介

2つの短編が収録された連作集。第1作「アカイツタ」では、女子校に赴任した臨時教員の萩原が、美術準備室で見つけた一枚の絵に引き寄せられていく。その絵のモデルは、恩師の娘・小波という女性だった。白い肌と長い黒髪、底なしの瞳を持つ彼女に近づくほど、萩原は彼女と父親が抱える闇の深さを知ることになる。第2作「イヌガン」では一転、穏やかな日常を送るカップルの物語が幕を開ける。しかしその静けさの裏に、じわじわと不穏な気配が忍び込む。読者レビューが語るように、文章の美しさに浸っているうちに、気づいた時には逃げ遅れた気分になる作品。2つの物語が「蔦が絡み合うように」ひとつに結びついたとき、隠されていた衝撃の真実が浮かび上がる。

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絶賛100
好評145
普通213
不評62
酷評11

TOTAL 531 reviews

27夜に啼く鳥は

夜に啼く鳥は

2016年刊行

1,421pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

ダークファンタジーや耽美な世界観が好きで、生と死の意味を静かに問う作品を求める読者向け

読者の声を分析

支持されている点

  • 不老不死の孤独と苦悩を描く世界観が高評価
  • 静謐で繊細な文体・美しい文章が支持される
  • 始祖「シラ」の章の神話的な完成度が絶賛される

賛否が分かれる点

  • 結末や物語の締め方がやや物足りないという声
  • 序盤の入りにくさや情報量の多さで脱落しかけた読者も

内容紹介

古来より体内に「蟲」を宿す不老不死の一族がいた。その末裔にして一族最強の力を持つ御先は、150年以上生きながら10代の少女のような姿のまま、現代の都会でひっそりと権力者の治癒を生業としている。性別を持たず、老いることも死ぬこともない孤高の存在。そんな御先の前に、同じ力を持つ青年・四が現れたことで、封じ込めてきた過去の罪と、抑え込んできた感情が揺らぎ始める。「肉体は若いままであっても、心は老いるのだよ」という言葉が物語の核心を突く。八百比丘尼伝説を起点に、始祖シラの哀しい生涯から現代パートへと時代を超えて紡がれる連作短編集。禍々しくも美しく、そして哀しい現代奇譚。

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絶賛72
好評109
普通105
不評23
酷評2

TOTAL 311 reviews

28桜の首飾り

桜の首飾り

2013年刊行

1,411pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

幻想的・叙情的な短編が好きで、桜の季節に静かな読書を楽しみたい人向け。

読者の声を分析

支持されている点

  • 桜を多角的に描く幻想的な文章が評価されている
  • 各編の余韻や切なさが心に残るという声が多い
  • 桜の季節に合わせて読むと一層楽しめると支持されている

賛否が分かれる点

  • 短編ゆえに内容が掴みにくく難解と感じる読者もいる

内容紹介

桜の花びらで作った首飾りは、いずれしおれる。そんな言葉を冠した本作は、桜をめぐる七つの短編集。あたたかく柔らかい桜、冷たく微笑む桜、烈しく乱れ散る桜と、一つの花がまるで表情を変えるように、それぞれの物語で異なる顔を見せる。狐に健全な心を喰われるという奇妙な出会い、夫の亡妻の身代わりだと気づいた女の密やかな逃避、青い桜の刺青の標本を巡る不思議な依頼。登場する人物たちはどこか謎に満ちていて、幻想、羨望、嫉妬、そして自己回復の物語が、桜の靄のように静かに漂う。読者からは「陰の美しさ」「桜のように儚いけれど濃密」という声も上がる、泉鏡花文学賞受賞作家による繊細な一冊。

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絶賛80
好評127
普通148
不評25
酷評12

TOTAL 392 reviews

29こりずに わるい食べもの

こりずに わるい食べもの

2022年刊行

1,393pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

食へのこだわりや好き嫌いに共感したい人、著者の私生活にも興味がある既読者向け

読者の声を分析

支持されている点

  • 食への強いこだわりと食欲旺盛な描写が好評
  • 食べ物に絡めた人生観や価値観の吐露が共感を呼ぶ
  • 食の描写が鮮明で読者の食欲を刺激するという声が多い

賛否が分かれる点

  • 前作より毒気・インパクトが薄れたと感じる声がある

内容紹介

「体にいい」の呪縛を解き放ち、欲望の赴くままに食の海原を突き進む、偏屈な食いしん坊作家による食エッセイ、シリーズ第3弾。三十年暮らした京都を離れ、初めての東京ひとり暮らしを舞台に、食への飽くなき探求心がさらに加速する。コロナ禍の制限をかいくぐりながら、果実食への挑戦、横浜中華街での肉汁過多の極北体験、10代の息苦しさを救った雨の日のcocoa、そしてアフリカ時代の鮮烈な記憶まで、全30話が収録される。食べ物の話でありながら、いつしか著者の人生観や生き様がちらりと顔をのぞかせる構成が読者を引きつけてやまない。読み始めると止まらない中毒性がある、と評されるシリーズの真骨頂。自由を問い続ける羅針盤を手に、新たな都市で食の地図を塗り替えていく著者の姿が眩しい一冊。

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絶賛61
好評105
普通75
不評11
酷評3

TOTAL 255 reviews

30人形たちの白昼夢

人形たちの白昼夢

2017年刊行

1,362pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

幻想的・耽美的な短編文学や大人向け寓話を好む読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 詩的で美しい文体が高く評価されている
  • 残酷さと温かさが共存する世界観が支持されている
  • 全編を貫くモチーフによる統一感が評価されている

賛否が分かれる点

  • 独特の世界観で好みが分かれるという声がある
  • 淡々とした筆致を読みにくいと感じる意見もある

内容紹介

嘘をつけない男と、嘘しか口にしない女の出会いから紡がれる、全12編の幻想短編集。声を失った女性が招待状に導かれた先で味わう、記憶を呼び覚ます料理。荒廃した世界に現れる、美しくも危険な自動機械人形。ティーポットが語る、持ち主との静かで切ない物語。どの作品にも「人形」と「青いリボン」が息づき、残酷さと温もりが絶妙に混ざり合います。読者からは「一つ一つ輝き方の違う宝石を見せてもらったような短編集」「白昼夢のように儚い」と評される、詩的で芸術的な世界観。デビュー作で泉鏡花文学賞を受賞した著者が、幻想とリアルの境界を溶かしながら描く、アンティークジュエリーのような煌めきを持つ作品集です。

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絶賛79
好評133
普通137
不評43
酷評6

TOTAL 398 reviews

31なみまの わるい食べもの

なみまの わるい食べもの

2025年刊行

1,207pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

食エッセイ好きや千早茜の小説ファでエッセイを初めて読む読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 食へのこだわりと独特の感性が好評
  • 軽快でテンポよく読みやすい文体
  • 人生の転機が重なる時期の心情が伝わる

賛否が分かれる点

  • 前作比で食エピソードの密度が薄いという声
  • 高級食材が多く庶民には縁遠いとの指摘

内容紹介

人生の大波小波を、食を通してあざやかに切り取った食エッセイ。直木賞受賞の舞台裏、再婚、猫との新生活と、激動の日々を背景に、偏屈な食貴族の視点が冴えわたる。偏見や雑音に負けず、身体に悪いとされるものでも、自分が好きなものを好きに食べる、いわば食の「わるいやつ」を貫く姿勢が痛快だ。以前のような暴食ぶりとは少し変化しながらも、食への執着と繊細な観察眼は健在で、読者からは「いつまでも丸くならずに尖った感性で書き続けてほしい」という声も寄せられている。竹の皮に包んだおにぎりを受賞待機に持参するユーモア、猫との愛しい日常、ウィーンで出合った美食の数々。短編ながら読み応えは十分で、シリーズ初読みでも迷わず楽しめる一冊。

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絶賛39
好評77
普通61
不評4
酷評0

TOTAL 181 reviews

32森の家

森の家

2012年刊行

792pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

血縁によらない家族のあり方や、孤独・寂しさをテーマにした作品を求める読者向け。

読者の声を分析

支持されている点

  • 家族の形を問い直す静かな主題が評価されている
  • 作品全体に漂う湿度や暗さの描写が支持されている
  • 3人それぞれの視点から内面が丁寧に描かれると好評

賛否が分かれる点

  • 主人公に共感しにくいという声が目立つ
  • 登場人物の歪さが気になり物語に入り込めないという意見も

内容紹介

血の繋がりを持たない三人が、緑に覆われた静かな家で暮らす、ちょっと普通じゃない「家族」の物語。干渉しない、束縛しない、その絶妙な距離感が生み出す居心地のよさは、恋人の突然の失踪によって崩れ始める。「なかなかに不健康な物語」と評されるほど、三人それぞれが孤独を拗らせ、互いに目を逸らしながらも、どこかで寄り添おうとしている。各章はみり、まりも、佐藤さんの一人称で綴られ、同じ家の中でも見えていなかった互いの深い孤独が少しずつ露わになっていく。「家族という概念は放浪の旅に似ている」という著者の言葉通り、三人は本当の居場所を求めてさまよいながら、それぞれなりの答えへと辿り着こうとする。デビュー作で小説すばる新人賞と泉鏡花文学賞をダブル受賞した著者が描く、歪でいとしい、家族のかたち。

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絶賛23
好評76
普通120
不評26
酷評4

TOTAL 249 reviews

33鳥籠の小娘

鳥籠の小娘

2019年刊行

652pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

幻想的な雰囲気と深いテーマを好む大人の読者に向く作品。

読者の声を分析

支持されている点

  • 千早茜の文章と宇野亞喜良の挿絵の相性が高く評価されている
  • 幸福や欲望を問う寓話性が支持されている
  • 余韻を残す幻想的な世界観が好意的に受け取られている

賛否が分かれる点

  • 話の展開がありきたりと感じる声もある
  • 内容の意図が掴みにくいという意見も散見される

内容紹介

村はずれの小屋で、ただひたすら美しい鳥籠を作り続ける一人の娘。その鳥籠はやがて村人たちに「幸福が宿る」と崇められ、欲にまみれた人間たちによって娘は籠の中に閉じ込められていく。嵐の夜に現れた魔物が娘に囁く。「不幸な奴がひとりいれば安心だからだ」と。しかし娘は動じない。「わたしはこの鳥籠のようにからっぽでいたいの。草花や空の色も、朝の澄んだ空気も夜の湿り気も、からっぽだから入ってくるの」。真の自由と幸福とは何かを問う、孤独と再生の大人の絵本。宇野亞喜良による耽美な挿絵が、物語の幻想的な世界観をいっそう深く染め上げる。

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絶賛16
好評37
普通43
不評6
酷評1

TOTAL 103 reviews

34
No image

カウントダウン

2016年刊行

95pt

TOTAL SCORE

内容紹介

結婚しているにもかかわらず、他の男性と関係を持ってしまった女性ミヤ。その事実が夫に発覚し、四ヶ月半後の離婚が決定した。激しくぶつかり合う日々を経て、不思議なことに、離婚が確定してからの方が穏やかな生活が戻ってきた。「最後くらい楽しく暮らそうか」という言葉が象徴するように、終わりに向かうカウントダウンの中で、二人の間にかつての温もりが漂い始める。そこへ、関係が発覚した際に保身に走ったあの男から連絡が入る。終わりゆく結婚と、過去の関係の間で揺れ動く三十代のキャリアウーマンの心情を、繊細な筆致で描いた作品。

絶賛5
好評4
普通5
不評1
酷評1

TOTAL 16 reviews

35あなたとなら食べてもいい

あなたとなら食べてもいい

2021年刊行

56pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

人間関係の機微や苦味のある物語を好む女性読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 複数作家の個性を比較できる読み応えがある
  • 千早茜の食描写と心理表現が高く評価されている
  • 未読作家との出会いのきっかけになるという声が多い

賛否が分かれる点

  • タイトル・表紙の印象と内容のギャップが大きいという声が多い
  • 苦め・重めの作品が多くほっこり系を期待すると合わないとの意見が目立つ

内容紹介

7人の作家が「食」というテーマのもとに紡いだ、色とりどりの短編アンソロジー。穏やかな食卓に潜む秘密、盗まれたエクレアが導く驚きの結末、人々の孤独が交差する居酒屋。甘く温かな食の物語を期待すると、その苦みある世界観に面食らうかもしれない。しかし「お腹がいっぱいなのがさびしいのではなく、食べても食べても埋まらないことが寂しいのかもしれない。」という一節が示すように、食を通じて浮かび上がるのは、人の心の機微と満たされない感情の渦。ホッコリ系とは一線を画す、ビターで奥深い人間ドラマが7篇に凝縮されている。

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絶賛34
好評58
普通263
不評147
酷評30

TOTAL 532 reviews

36しろとくろの偏愛

しろとくろの偏愛

2026年刊行

0pt

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内容紹介

保育園のアルバムの好物欄に「いも、もち」と書くほどの筋金入り餅好きが、餅とチョコレートへの偏愛を綴ったオールカラーエッセイ。理想の安倍川餅に出会ったうっとり具合がタクシー運転手に伝わるほどで、電車の中でも団子を食べることを厭わない。一方チョコレートには「泥に沈んでいく子豚」のように溺れ、最良の飲み物を求めて岩手まで足を運ぶ。餅とチョコ、それぞれの偏愛を深く掘り下げた33編に、人気イラストレーター西淑の豪華イラストが彩りを添える。

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