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DATA-DRIVEN NOVEL RANKING

凪良 ゆう

独自に収集した評価データで選ぶ、"本当に愛されている小説"のランキング

PROFILE

滋賀県大津市出身、京都府京都市在住の小説家。30代に入り生活が安定した頃、かつて好きだった小説に関するネット記事をきっかけに創作熱が再燃し、執筆の楽しさから作家を目指すようになる。2007年に白泉社からデビューし、当初はボーイズラブ小説を中心に活動。2017年には初の文芸書となる神さまのビオトープを刊行し、一般文芸の分野にも活躍の場を広げた。2019年刊行の流浪の月で第17回本屋大賞を受賞。さらに2022年刊行の汝、星のごとくで第20回本屋大賞と第10回高校生直木賞をダブル受賞し、本屋大賞を2度受賞した作家は恩田陸以来2人目という快挙を達成した。同作は発行部数40万部を突破し、映画化も予定されている。社会の外側に置かれた人物や、ままならない人間関係を丁寧に描く作風が幅広い読者から支持を集めている。

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ランキング

1汝、星のごとく

汝、星のごとく

2022年刊行

25,057pt

TOTAL SCORE

瀬戸内の小さな島を舞台に、17歳から32歳にわたる二人の愛と選択を描いた、2023年本屋大賞受賞作品です。親の恋愛に振り回され島に転校してきた青埜櫂と、父の不倫によって家庭が崩壊した井上暁海。ともに孤独と欠落を抱えた二人は、互いの痛みを知るからこそ、深く惹かれ合います。やがて漫画家として東京へ旅立つ櫂と、病む母を支えるため島に残ることを選ぶ暁海。夢と愛と家族の間で引き裂かれながら、それぞれが自分の人生を問い続けます。「まともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない」という言葉が示すように、正しさに縛られ、愛に呪われながらも、それでも前へ進もうとする人間の姿が、繊細かつ鮮やかな筆致で描かれます。二人の視点を交互に重ねる巧みな構成により、すれ違いのもどかしさが読者の胸に直接刺さる作品です。プロローグとエピローグが呼応する仕掛けにより、読み終えた後に必ずページを読み返したくなる、精巧に構築された感動作です。

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絶賛17,151
好評7,301
普通2,276
不評473
酷評267

TOTAL 27,468 reviews

2流浪の月

流浪の月

2019年刊行

23,896pt

TOTAL SCORE

2020年本屋大賞を受賞した傑作小説。両親を相次いで失い、心が少しずつ壊れていく少女・更紗。そんな彼女に居場所を与えたのが、19歳の青年・文でした。しかし二人の共同生活は誘拐事件として処理され、文は逮捕されてしまいます。そして15年後、二人は再び出会います。「世界中の誰もが反対し、批判するはずだ」とわかっていても、更紗は願わずにはいられません。「それでも文、わたしはあなたのそばにいたい」と。この作品が問いかけるのは、「事実と真実は違う」という、鋭くも普遍的なテーマです。善意という名の暴力、SNSが生み出す歪んだ正義、そして家族でも恋人でもない、名前のつけられない絆のかたち。読者からは「善意をふりまく側になって読んでいた自分に気づき、泣いた」という声も上がっています。愛という言葉では語れない感情が、繊細な筆致で丁寧に紡がれた、多様な人間関係への旅立ちを描く一冊です。

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絶賛15,496
好評9,252
普通3,070
不評553
酷評281

TOTAL 28,652 reviews

3星を編む

星を編む

2023年刊行

15,369pt

TOTAL SCORE

本屋大賞を二度受賞した著者が描く、愛の続編。瀬戸内の島で運命的に出会った櫂と暁海、そして彼らを支えた人々の語りきれなかった物語が、三つの章で紡がれます。第一章では、物語を陰で支え続けた教師・北原の秘めた過去が明かされ、「北原先生のことがより好きになる」と読者を唸らせます。第二章では、才能という星を世に輝かせるために魂を燃やす編集者たちの、熱くも繊細な仕事の物語が展開。そして第三章では、大切な人を失ったあとも続く暁海の人生が、北原先生の草介72歳、暁海58歳まで、長い時間をかけて丁寧に描かれます。「前作がうろ覚えのままでも読める」という声もありますが、前作と合わせて読めば「2冊でひとつの物語が完成する」と多くの読者が口をそろえます。花火のように煌めいて、届かぬ星を見上げて、海のように見守って、いつでもそこには愛があった。愛の形は一つではないと、静かに、しかし力強く語りかけてくる作品です。

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絶賛6,223
好評3,536
普通1,047
不評129
酷評66

TOTAL 11,001 reviews

4わたしの美しい庭

わたしの美しい庭

2019年刊行

12,109pt

TOTAL SCORE

マンションの屋上に、緑あふれる小道の奥にひっそりと佇む「縁切り神社」。悪癖や気鬱となる縁を断ち切ってくれると噂のその場所を管理するのは、血のつながらない小学生の百音と共に暮らす統理だ。朝になれば隣室のゲイの青年・路有が朝食を作りにやってきて、三人は家族のように食卓を囲む。世間からは「変わっている」と映るこの暮らしに、しかし当人たちは満ちたりている。そこへ、過去の恋を忘れられない女性、うつ病を抱える青年など、心に何かが絡まってしまった人々が神社へと引き寄せられてくる。「ぼくたちは同じだから仲よくしよう」より「ぼくたちは違うけど認め合おう」という統理の言葉が示すように、この物語は画一的な「普通」や「常識」に縛られた人々を、そっと解きほぐしていく。絡まったものが完全にほどけるわけではない。それでも、屋上の庭で根をはり支え合う人々の姿は、読む者の心に静かな光を灯す。「自分の感情は自分だけのもの」と思わせてくれる、救いに満ちた連作短編集だ。

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絶賛3,708
好評3,545
普通1,252
不評144
酷評27

TOTAL 8,676 reviews

5美しい彼

美しい彼

2014年刊行

9,719pt

TOTAL SCORE

幼い頃からの吃音により、言葉を上手く紡げないまま、高校でも誰にも気づかれないよう息を潜めて生きてきた平良。そんな彼が一目で恋に堕ちたのは、クラスの頂点に君臨する美しき孤高の存在、清居だった。誰にも媚びず、誰とも群れず、「彼にとっては、誰もが平等に無価値なんだ」と思わせるその姿に、平良は信仰にも似た想いを抱く。使いっ走りとして扱われても、罵りの言葉さえ賜りものとして受け取る、偶像崇拝の域にまで達した純粋な執着。しかしその歪んで清々しいほどの熱量は、清居の内側に静かな変化をもたらしていく。物語が清居の視点へと切り替わる瞬間、噛み合わなかった二人の感情が全く異なる景色として立ち現れ、読者は思いがけない衝撃を受けることになる。キモいと言いながら目が離せない、ウザいと言いながら渇望してしまう。割れ鍋に綴じ蓋、破れ綴じと称される二人の関係が、ぎりぎりのところで言葉を尽くし合う瞬間の美しさは格別だ。

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絶賛2,601
好評433
普通187
不評39
酷評25

TOTAL 3,285 reviews

6悩ましい彼

悩ましい彼

2019年刊行

8,716pt

TOTAL SCORE

美形俳優の清居に、まさかの「売れないお笑い芸人役」のオファーが舞い込む。憧れの演出家が手がける舞台だからこそ、絶対に成功させたい。しかし稽古ではダメ出しの連続。悩んだ末に清居が下した決断は、なんと20キロの増量という前代未聞の役作りだった。「美しい顔が邪魔なら捨ててやる」という清居の覚悟は本物だが、醜くなる姿を見られたくないという乙女な一面も持ち合わせており、恋人の平良にまさかの同居解消を宣告してしまう。「俺には神とも星とも崇める清居が必要だ」と激しく動揺する平良も、清居の姿を見て自らの殻を破る決意をしていく。「コメディタッチなのに、キモい平良と俺様乙女の清居の繊細な心理描写」が光るシリーズ三作目は、笑いあり感動ありの成長物語。二人がお互いを引き上げながら進んでいく純愛の行方は、読む者を最後まで釘付けにする。

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絶賛2,061
好評230
普通67
不評21
酷評20

TOTAL 2,399 reviews

7滅びの前のシャングリラ

滅びの前のシャングリラ

2020年刊行

8,495pt

TOTAL SCORE

一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。その報せは瞬く間に世界を荒廃させ、略奪や暴動が日常と化していく。そんな終末の世界で描かれるのは、人生をうまく生きられなかった人々の、最後の一ヶ月だ。いじめられっ子の高校生・友樹、かつて人を手にかけたヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。それぞれ傷を抱えた彼らは、崩壊していく世界の片隅で、偶然のように交差し、やがて奇妙な家族の形を作り上げていく。「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」。その言葉が示すように、死を間近にしてようやく見えてくる、生きることの輝きが静かに描かれる。絶望が確定した世界で、それでも人は幸せを求めるのか。連作短編の構造を活かしながら、圧倒的なラストへと向かう本作は、滅びゆく運命の中で「幸せとは何か」を問い続ける、光あふれる終末譚だ。

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絶賛2,051
好評2,987
普通2,215
不評398
酷評99

TOTAL 7,750 reviews

8憎らしい彼

憎らしい彼

2016年刊行

8,365pt

TOTAL SCORE

新進俳優として頭角を現し始めた清居と、その同棲中の恋人・平良。二人の関係は、傍から見ればどこか奇妙なバランスで成り立っている。帽子にサングラスとマスクで清居のファンイベントに現れる平良は、付いた仇名がなんと「不審くん」。恋人になってもなお、崇め奉ることをやめない平良の思考回路は、読者から「ネガティブ・オレ・サマ帝国」と称されるほど独特で、清居はその都度翻弄される。そんな中、業界屈指のカメラマン・野口が平良を助手に大抜擢。清居よりも仕事優先の日々が始まり、二人のすれ違いはいよいよ深まっていく。お互いへの想いは無限大なのに、まったく噛み合わない関係。しかし、その噛み合わなさこそがこの作品最大の魅力だ。仕事・成長・恋愛の悩みが三位一体で描かれ、笑えて、切なくて、気づけば二人を応援せずにはいられなくなる。「美しい彼」に続くシリーズ第二弾。

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絶賛1,918
好評285
普通111
不評20
酷評20

TOTAL 2,354 reviews

9interlude 美しい彼番外編集

interlude 美しい彼番外編集

2021年刊行

7,723pt

TOTAL SCORE

「美しい彼」シリーズの本編では描かれなかった、あの瞬間の裏側を覗き見る番外編集。役作りのために同居を解消した平良と清居、その空白期間に二人の間で何が起きていたのかが全15篇で明かされる。清居を神のごとく崇める平良の盲目的な愛と、そんな平良を一途に想う清居の純粋な感情が、今作ではコメディー色強めに描かれる。平良の愛称「きも殿下」誕生の秘密や、清居の幼少期の切ない回想まで収録された、ファン垂涎の内容となっている。読者からは「終始幸せな気持ちで読めた」「初めから終わりまでとにかく笑える」「笑い通しだった」という声が続出。「きも殿下、エターナル!」という言葉がファンの間で合言葉のように使われるほど、強烈な愛着を生む二人の関係性が、番外編という形式ながらも作品世界に深みと奥行きを与えている。シリーズを読み進めるほどに理解できてしまう平良の感情に、読者自身が引き込まれていく不思議な魅力を持つ一冊。

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絶賛1,600
好評223
普通61
不評5
酷評15

TOTAL 1,904 reviews

10神さまのビオトープ

神さまのビオトープ

2017年刊行

7,685pt

TOTAL SCORE

事故で夫を亡くしたうる波は、葬儀を終えた翌日、縁側で煙草をふかす夫の姿を目にする。声も届かず、食事も減らない。それでもうる波は、幽霊となった夫と二人だけの日常を、静かに選び取る。その秘密をめぐる連作短編集だ。物語は四編で構成され、いずれも世間の「普通」から置き去りにされた人々の、密やかな愛が描かれる。機械の親友を持つ少年、小学生の女の子だけを愛する大学生、美貌の裏に本当の自分を隠す女子高生。誰もが理解されにくい秘密を抱えながら、それでも自分の愛の形を手放さずに生きている。読者レビューには「痛みとも、寂しさとも言える。でもそこにふしあわせはない」という言葉があり、本作の核心を突いている。世の中は秘密だらけで、それでもなんの不都合もなく回っている。誰かに迷惑さえかけなければ、いろんな幸せの形があっていい。それが歪なものかどうかは、誰にも決められない。そう静かに問いかけてくる、救済の物語だ。

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絶賛1,548
好評1,569
普通729
不評73
酷評25

TOTAL 3,944 reviews

11すみれ荘ファミリア

すみれ荘ファミリア

2018年刊行

6,223pt

TOTAL SCORE

朝食と夕食付きのおんぼろ下宿、すみれ荘。虚弱体質の管理人一悟と個性豊かな住人たちが、家族のように慎ましく暮らしている。そこへ正体不明の小説家・芥が転がり込んでくる。歯に衣着せぬ芥の存在が、それまで均衡を保っていた人間関係を少しずつ揺さぶっていく。「表紙とタイトルで、ほのぼの系だと思い込んで読み始めたら、だいぶ歪んでいた」という読者の声が物語るように、穏やかな日常の裏に潜む人間の暗部が次第に露わになる。愛ゆえに人は時に残酷になり、傷つけ合い、それでも再生を試みる。愛は毒か、それとも救いか。その問いと真摯に向き合い続けるデビュー作家が紡ぐ、ある家族の再生物語。

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絶賛958
好評1,378
普通637
不評60
酷評22

TOTAL 3,055 reviews

12多類婚姻譚

多類婚姻譚

2026年刊行

5,647pt

TOTAL SCORE

二度の本屋大賞を受賞した著者が描く、五つの短編から成る連作集。同じ大手食品会社に縁を持つ人々が、それぞれの婚姻をめぐる葛藤を抱えながら交差していく。セクシュアリティ、金銭感覚、ジェンダー、世代間格差と、あらゆる価値観がぶつかり合う現代において、誰かと共に生きることの難しさをリアルに映し出す。読者からは「日本刀で斬られたような切れ味」「自分の恋愛観や結婚観が揺らいでしまう感覚」といった声が上がるほど、鋭く深く刺さる一冊。どの登場人物にも単純な悪はなく、それぞれの痛みや矛盾をすくい上げる筆致が、読む者を否応なく現実と向き合わせる。

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絶賛821
好評990
普通370
不評48
酷評16

TOTAL 2,245 reviews

13儘ならない彼

儘ならない彼

2024年刊行

5,314pt

TOTAL SCORE

「美しい彼」シリーズ第4弾となる本作は、新進写真家の平良と演技派俳優の清居、二人の試練と成長を描いた物語。現役大学生でありながら破格の条件で個展開催を打診された平良は、プレッシャーに押し潰されそうになりながら、あえて廃墟を会場に選ぶ。平良を神のように崇め、自分を「金色のキング」と称する独自の世界観はそのままに、成長とともに少しずつ変化していく様子が、清居に言いようのない不安を抱かせる。「俺の平良じゃない」という清居の言葉が象徴するように、愛するがゆえのすれ違いと深い絆が交錯する。そして廃墟での思わぬ災難が、二人の関係に新たな局面をもたらす。笑えて、泣けて、キュンとする。シリーズを重ねるごとに深まる世界観に、多くの読者が「BLというフィルターを取っ払って読んでほしい」と声を揃える傑作。

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絶賛836
好評110
普通56
不評19
酷評16

TOTAL 1,037 reviews

14おやすみなさい、また明日

おやすみなさい、また明日

2014年刊行

4,097pt

TOTAL SCORE

恋人に「子どもがほしいから別れてくれ」と突然告げられた、売れない小説家のつぐみ。住む場所も失い途方に暮れた彼女は、なんでも屋の青年・朔太郎と出会い、彼の実家が営むアパートへと流れ着く。温かくおおらかな朔太郎にひかれていくつぐみだが、彼は「もう誰とも恋愛はしない」と告げる。その言葉の裏には、蛇口から雫が落ちるように記憶が零れ落ちていく、記憶障害という大きな闇があった。お互いを思いやるがゆえにすれ違い続ける二人の純愛を描いた本編に加え、著者が「このショートを書きたくて本編を書いた」と語る収録短編が、物語の感動をさらに深める。切ないけれど優しく、読み終えた後に「いい人生だったな」と成仏したような幸福感を味わえる一冊。

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絶賛500
好評158
普通80
不評14
酷評7

TOTAL 759 reviews

15未完成

未完成

2009年刊行

3,446pt

TOTAL SCORE

家庭崩壊寸前の日々を送る高校2年生の瀬名は、夏休み最後の夜、クラブで英語教師の阿南が男とキスする場面を目撃する。昼間の顔とはまるで別人の色香を纏う阿南に魂を射抜かれた瀬名は、やがてその部屋に入り浸るようになる。教師と生徒、10歳の年齢差、そして未成年という越えられない壁。「先生の他には何もいらない」と真っ直ぐにぶつかる瀬名に対し、阿南は「俺のこと好き?」という問いに決して答えようとしない。自分を制御する術を知らない高校生と、分別ある大人であろうとする教師のほろ苦く切ない恋。やがて両親の離婚で転校が決まり、別れを告げられた瀬名の行く末は。未完成だった恋と、未完成だった少年の成長を描く、ラブストーリー。

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絶賛385
好評148
普通93
不評18
酷評11

TOTAL 655 reviews

16積木の恋

積木の恋

2011年刊行

3,202pt

TOTAL SCORE

恵まれない生い立ちから、男専門の恋愛詐欺師となった蓮。次なるターゲットは、総合病院の御曹司である医師の加賀谷。あっさりと罠にはまり、純粋な愛情を注いでくる加賀谷を、蓮は内心で見下していた。しかし、生真面目で真摯な加賀谷と過ごす穏やかな時間の中で、蓮は自分でも知らなかった感情に気づき始める。やがて罪が露見し、蓮は刑務所へと向かうことになるが、出所後に待っていたのは意外な再会だった。崩れやすいからこそ丁寧に積み上げる、不器用なふたりの愛の軌跡。デビュー間もない頃の作品ながら、繊細な心理描写と登場人物たちの葛藤は、後の作風への片鱗を十分に感じさせる一冊。

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絶賛327
好評240
普通146
不評30
酷評8

TOTAL 751 reviews

17お菓子の家

お菓子の家

2012年刊行

2,977pt

TOTAL SCORE

リストラされた加瀬が、ふと立ち寄ったパン屋で強面の店主・阿木に声をかけられ、バイトとして働き始める物語。人との付き合い方が分からず、温かな雰囲気に馴染めない加瀬だったが、火事をきっかけに阿木と同居することになり、その優しさに少しずつ心を開いていく。過去に恋人を傷つけた経験から愛することに恐れを抱きながらも、惹かれるほどに依存してしまう葛藤が丁寧に描かれる。懐かない野良猫がひとりだけに懐くように、加瀬が阿木にだけ心を溶かしていく様子が切なくも甘い。傷を抱えた者同士が寄り添い、自分だけの居場所を見つけていく疑似家族的な温もりが魅力の一作。

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絶賛255
好評148
普通43
不評8
酷評2

TOTAL 456 reviews

18雨降りvega

雨降りvega

2013年刊行

2,851pt

TOTAL SCORE

天体観測という共通の趣味を通じてネットで出会った、高校生の文人と年上の男性アルタイル。3年間メールを交わすだけの関係だったふたりが、ついに対面を果たす。しかしそのとき文人を待ち受けていたのは、あまりにも残酷な運命の再会だった。姉の婚約者として目の前に現れたアルタイルに、文人の心は引き裂かれていく。両想いと知りながら、誰も責めることができないまま時が流れる。北極星さえも動いているように、止まっているように見えた心も、7年という歳月をかけてゆっくりと動き出す。押さえ込んでいるからこそじわじわと高まる熱量と、雨や星をモチーフにした美しい文章が、読む者の胸を静かに、しかし確かに締め付ける切ない純愛の物語。

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絶賛252
好評120
普通45
不評10
酷評5

TOTAL 432 reviews

19愛しのいばら姫

愛しのいばら姫

2014年刊行

2,828pt

TOTAL SCORE

毒舌と美貌を鎧にまとい、愛されることを最初から諦めた孤高のトップモデル。母親の無関心と過去の恋人の裏切りが、彼の心に深いいばらを張り巡らせた。「頭のてっぺんからつま先まで全部が商品」と言い切るプロ意識の裏に隠れた、空虚な自己評価が胸を刺す。そんな彼の棘を跳ね返し、でかい懐で包み込む新鋭デザイナーとの出会いが、眠っていた感情を静かに揺り動かしていく。ストレートの男への叶わぬ想いを抱えながら、ツンデレ姫が恋する姫へと変わっていく過程は、まさに一人の人間の再生の物語。心の奥で眠っていた甘く崩れる音が、読み手にも確かに届く純愛作品。

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絶賛239
好評90
普通50
不評4
酷評2

TOTAL 385 reviews

20恋愛前夜

恋愛前夜

2011年刊行

2,673pt

TOTAL SCORE

幼なじみで隣人同士のトキオとナツメ。漫画家を夢みるトキオを支え続けたナツメとの間には、ただの友情とは言い切れない感情がゆっくりと育まれていた。しかし、ある出来事をきっかけにトキオは上京を決意し、二人は離れ離れになる。失って初めて気づいた本当の気持ち。ナツメはトキオを追って東京へ向かうが、そこで目にしたのは新しい恋人の存在だった。二人分しかあいてない場所に三人分の気持ちがギュウギュウに詰まった、狭くて苦しい三角関係が始まる。傷つきながらも想い合い、遠回りを続ける二人の行方を描く、切なさと温かさに満ちた青春の物語。

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絶賛245
好評151
普通70
不評21
酷評10

TOTAL 497 reviews

21ショートケーキの苺にはさわらないで

ショートケーキの苺にはさわらないで

2015年刊行

2,589pt

TOTAL SCORE

アンドロイドが普及し、人間に代わって戦場に立つ時代を舞台にした近未来の純愛物語。裏ドールと呼ばれる性交用アンドロイドに憧れを抱く大学生の南里は、風俗店で虐げられていた裏ドールを全財産をはたいて買い取る。シンと名づけられた彼は、お風呂やふわふわのタオル、そして初めて食べたショートケーキの苺を愛おしむ。やさしくてやわらかくて、哀しくてあたたかい、と評される二人の日々は、やがて戦争の影に脅かされていく。姿形が変わっても、何度引き離されても、二人を繋ぎ続けるタイトルのフレーズが象徴する愛の軌跡。器ではなく魂と魂の繋がりを問いかける、近未来の御伽噺。

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絶賛209
好評87
普通51
不評9
酷評1

TOTAL 357 reviews

22叶わない、恋をしている

叶わない、恋をしている

2010年刊行

2,549pt

TOTAL SCORE

交通事故で両親を突然失い、大学を中退して3人の弟を養う21歳の志貴。昼は会社勤め、夜はバイトと、心身ともに疲弊していく日々の中で、バイト先で知り合った神谷からある取引を持ちかけられる。それは、経済的援助と引き換えに、亡くなった恋人の身代わりとしてそばにいることだった。恋をしてはいけない、体の関係もいけない、それが暗黙のルール。しかし、神谷といる時間だけが唯一の安らぎとなっていく志貴は、やがて越えてはいけない一線を越えてしまう。スパダリかと思いきや、仮面が剥がれると予想以上のダメ人間だった神谷。それでも、志貴の芯の強さと4兄弟の温かな家族愛が、閉ざされた神谷の心を少しずつ溶かしていく。死んだ人には叶わない、そのタイトルが刺さる切ないBLラブストーリー。

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絶賛211
好評115
普通78
不評12
酷評4

TOTAL 420 reviews

23ニアリーイコール

ニアリーイコール

2015年刊行

2,541pt

TOTAL SCORE

幼い頃に両親を亡くし、孤独の中で生き続けてきた非常勤講師の仁居。高校時代に初めて恋に溺れ、その重すぎる愛情ゆえに相手を追い詰め、捨てられた過去を持つ。以来十年、人を愛することに臆病になっていた彼の前に、元同僚の国立が現れる。人懐っこく優しい国立は、一匹の捨て猫をきっかけに仁居の孤独な生活へとするりと入り込んでいく。しかし国立もまた、深い傷を心に抱えていた。大きな事件は起こらない。ただ、傷ついた二人がゆっくりと、ときに思い切って手を伸ばし合う。読者からは、「心の機微だけでここまで読ませる作家は稀有」との声も上がる、静かで繊細な愛の物語。

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絶賛207
好評102
普通50
不評5
酷評7

TOTAL 371 reviews

242119 9 29

2119 9 29

2017年刊行

2,420pt

TOTAL SCORE

近未来、人間に尽くすアンドロイド「ドール」が存在する世界が舞台。14歳で運命的な一目惚れをして以来、38歳になってもその恋心を手放せずにいたレストランシェフの阿部のもとに、製造も所持も禁じられた違法な存在「裏ドール」の高嶺が預けられる。長年にわたり粗雑な扱いを受け続け、人間への期待を完全に捨てていた高嶺は、阿部の真摯な優しさに最初は戸惑いを隠せない。しかし共に過ごす日々の中で、食の喜びや感情の芽吹きを少しずつ知っていく。タイトルが示すある一日の意味が明かされたとき、種も性別も超えた純愛の深さが胸を打つ。「心はあると信じた人にとっては厳然と存在する」という言葉が、人間とドールの絆の本質を静かに照らし出す。最終章、二人が選んだ道の先には、涙なしには読めない結末が待っている。

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絶賛173
好評64
普通15
不評3
酷評1

TOTAL 256 reviews

25初恋の嵐

初恋の嵐

2015年刊行

2,282pt

TOTAL SCORE

悪徳弁護士を目指す貧乏秀才と、有名ラーメン店の跡取りボンボン。正反対なふたりが高校で出会い、互いにゲイだと知りながらも「お互い範疇外だ」と言い続ける、こじらせにこじらせた両片思いの物語。夫婦漫才かと突っ込みたくなるほど息の合った会話劇は笑いが止まらず、それでいて友情を失いたいがゆえに恋心を隠し続ける切なさが胸を締めつける。高校から社会人まで実に八年にわたるじれったいすれ違いは、笑いと切なさの塩梅が絶妙で、ページをめくる手が止まらない。凪良作品ならではの、重くなりすぎないライトタッチで紡がれた、長くて愛おしい初恋の物語。

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絶賛175
好評105
普通44
不評6
酷評9

TOTAL 339 reviews

26散る散る、満ちる

散る散る、満ちる

2010年刊行

2,209pt

TOTAL SCORE

美形で人の好い主人公が、密かに想いを寄せる年下の部下との間に生まれた、切なくも温かい恋の物語。片思いの相手が自分とは別の誰かを愛していると知りながら、それでも傍にいることを選んでしまう主人公の健気さが胸を締め付けます。「悪役なし」の王道ラブストーリーでありながら、読者を何度もやきもきさせるすれ違いの連続が絶妙で、孤独を抱えた主人公の生い立ちと、幼馴染みの深い友情がその切なさをさらに際立たせます。「ハルチャン、オカエリ」という一言と、小さなロボットのキンピラが放つ温もりに、多くの読者が涙したと語る感動作です。

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絶賛153
好評106
普通71
不評9
酷評1

TOTAL 340 reviews

27薔薇色じゃない

薔薇色じゃない

2016年刊行

2,173pt

TOTAL SCORE

二十歳で出会い、磁石が引き合うように自然と恋に落ちた水野と阿久津。同棲を始め、満ち足りた日々を重ねたふたりだったが、社会に出て忙しさが増すにつれ、小さなすれ違いが少しずつ積み重なっていく。そして、阿久津の誕生日の夜、ふとした一言が引き金となり突然の別れが訪れる。一年後、ふたりは偶然再会し、今度は友人として関係を続けることになるが、心の底には消えない埋み火が残り続ける。両視点で描かれる構成により、読者だけがふたりの本音を知るという構造が、もどかしさと切なさを際立たせる。「なんてリアルなんだろう」という読者の声が象徴するように、BLという枠を超え、人が人を愛することの難しさと尊さを真摯に描いた作品。15年という歳月の末にふたりが辿り着く場所を、ぜひその目で確かめてほしい。

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絶賛154
好評66
普通17
不評7
酷評3

TOTAL 247 reviews

28全ての恋は病から

全ての恋は病から

2010年刊行

2,034pt

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24時間365日、誰かに触れていないと限界を迎える「人肌依存症」のゲイ大学生と、外見は完璧なクールビューティなのに部屋はゴミ屋敷と化した「片付けられない症候群」の先輩。真逆のビョーキを抱えた二人が隣室同士になり、掃除とモフモフを交換するという利害一致の契約を結ぶ。まさに「割れ鍋に綴じ蓋」なこの凸凹コンビ、女王様な先輩がお世話好きな後輩にじわじわと攻略されていく過程は笑いと切なさとエロさのバランスが絶妙。著者自らが「疲れた脳を揉みほぐすマッサージBL」と称した、読んだ後に思わずニヤけてしまうラブコメ。

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絶賛145
好評102
普通61
不評10
酷評7

TOTAL 325 reviews

29愛しのニコール

愛しのニコール

2016年刊行

1,957pt

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田舎町に暮らす中学生のニコは、ゲイであることを理由に「病気」扱いされ、十四歳の夏に命を絶とうとした。その夜、遠い街からやってきた少年・榮の屈託のない言葉と態度が、ニコの人生を変えることになる。いじめ回避のためオネエキャラ「ニコール」を演じはじめたニコにとって、榮だけが本当の自分を知る存在だった。数年後、転校生として再び現れた榮への淡い告白は本気にされず、逆に恋愛相談をされる始末。「辛くて悲しくてきゅんとして笑ってハラハラして」そんな感情の波が何度も押し寄せる、不器用な片恋のクロニクルが、ここに描かれている。

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絶賛117
好評85
普通25
不評2
酷評3

TOTAL 232 reviews

30365+1

365+1

2014年刊行

1,955pt

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高校時代から互いに想い合いながらも、言葉にできずにいた紺と綾野。同じ夢を胸に、共に歩むはずだった未来が、ある事情から遠距離という形を余儀なくされる。東京でスタイリストを目指す紺、地元で美容師として働く綾野。物理的な距離が、やがて心の距離へと変わっていく様子は、「閉塞感溢れる鬱屈とした日々の足掻き」と評されるほどにリアルだ。男同士のプライドとコンプレックスが言葉を奪い、すれ違いは決定的な亀裂へと発展する。そこに颯爽と現れる美形モデルの美山が劇薬のような役割を果たし、物語をかき回しながらも核心を突く言葉で読者の溜飲を下げてくれる。受け攻め双方の視点で丁寧に描かれる心理描写が胸に染みる、青春の残り滓と純愛が交差するボーイズラブ作品。

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絶賛126
好評88
普通58
不評5
酷評4

TOTAL 281 reviews

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